黒い着物に憧れた少女は、大人になって本当に和装を着た
自分が着物好きになった原点は、今思えばここだったのかもしれない。
BLEACH。
中学2年生の頃、俗にいう“厨二病”を患うきっかけになった作品だ。
BLEACHとの出会い
クラスの会話についていけなかった
当時クラスでは、
「一護がかっこいい」
「冬獅郎かわいい」
「白哉様が最高」
そんな会話で盛り上がっていた。
「とうこちゃんは誰が好き?」
そう聞かれた私は、BLEACHを知らなかった。
「イチゴって……食べるイチゴ?」
当然、会話にはついていけなかった。
今思えば大した事じゃない。
でも当時の私は、すごく悔しかった。
だから両親に頼み込んで、DVDを借りてもらった。
黒い装束が、とにかくカッコよかった
アニメを見始めた瞬間、一気に引き込まれた。
現代の街を飛び回りながら、ホロウを斬り倒す死神たち。
刀
和装
チャンバラ
墨のような黒い装束
全部が異様にカッコよかった。
今みたいに動画配信サービスが充実していた時代じゃない。
だからYouTubeに上がっていた切り抜きや、海外の誰かが投稿していた動画を必死に漁って見ていた。
アニメに追いついて漫画を読んだ時は衝撃だった。
筆のような線で描かれる死神や破面たちの躍動感。
ページから風が吹いてくるみたいだった。
“布が揺れる美しさ”に惹かれていた
今振り返ると、私は和装そのものにも惹かれていたんだと思う。
体にピッタリ張り付く洋服と違って、
袖
身頃
裾
そういう布の余白が、風で揺れる。
その感じがたまらなく好きだった。
特に死神装束の黒い着物。
静かなのに強そうで、凛としていて、美しかった。
松本乱菊の着方は衝撃だった
あと、子供ながらに衝撃だったのが松本乱菊。
あの豪快に胸元を開けた着方。
「それアリなの!?」
女の自分もドキドキしてしまった💓
でも面白いのは、大人になって実際に着付けを始めてから。
最初の頃は衣紋が全然抜けないし、襟は詰まるし、すぐ着崩れる。
逆に胸元がはだけて、
「待って、乱菊さん化してる!?やばい!」
って一人で焦っていた。
今だからこそ思う。
あの着方、どうやって着付けてるんだ?
卍解の装束にロマンを感じていた
BLEACHは、斬魄刀が解放されると装束まで変わる。
それがまた最高だった。
一護の卍解は、どこか現代服っぽい袖になっていて、和装と洋装が混ざっている。
子供ながらに、
「もし日本が無理に西洋化してなかったら、こういう進化をしていたのかな」
なんて妄想していた。
一方ルキアの卍解は真っ白で袖の大きな着物。
とても動きづらそうなのに、息を呑むほど綺麗だった。そして一歩も動かなかった。
“袖白雪”も“白霞罸”も、名前の響きまで美しい。
あの頃憧れた世界を、今少しだけ歩いている
BLEACHの世界に憧れた少女は、今、大人になって本当に着物を着て街を歩いている。
もちろん、最初は恥ずかしかった。今もまだ少し恥ずかしい。
目立つし、視線も感じる。
でも、それでも着たかった。
たぶん私は、昔から和装に憧れていたんだと思う。
そしてその入口にあったのが、BLEACHだった。
今の目標
今は、ある程度セオリー通りに着られるようになった。
だから次に考えているのは、
「どうやって現代に和装を溶け込ませるか」
ということ。
昔の形をそのまま守るだけじゃなく、
現代の暮らしの中で自然に和を纏える形を考えたい。
BLEACHの卍解みたいに。
和装と現代が混ざり合った、あの感覚みたいに。
これからも、自分なりに和装を研究していきたいと思う。
