9.雪の中へ 製作日記
私は今、敵と戦っている。
敵ってなんだよ?
こいつだ。

このカードが、完成してくれない。
なんかいつまでも、
デザインに納得出来ないのだ。
今作っているのは、【生への執着】というカード。
このゲームには、体温トークンが一定以下の時に幻覚を見るというルールがある。
見る幻覚はダイスで判定するんだけど、この時、6分の1の確率で、このカードを獲得できる設定にしている。
いわば、永続のパッシブスキルを付与するカードだ。
このデザインが永遠に完成しない。
このデザインがあるべき姿とは、
最後の最後、歩く力も、生きる体温も失いつつる人間が、恐ろしく、しかし美しくて、絶望的なのにその奥に希望を見てしまうような、そんな絵なんだ。
そんな概念を、どうやってカードに描けばいいんだ??
そう。
ここで言う、私の敵というのは、
自分の語彙力に対する物理的表現力の壁である。
とりあえず抽象的な概念として、スイセンの花を置いてみたんだけど、
もうすでにこれじゃないって確信している。
こいつの存在に、永遠に悩まされ続けている。
いつまでも納得出来ない。
chatGPTに細かい指定をして、絵を描かせてみても、これだ!という絵が全然出て来ないんだ。
そもそもわたし死んだ事ないからさ。
こんなもん分かる訳がないんだよ。
最近なんて、生と死の狭間に人が何を思うのか知りたいからって、ちょっと山岳遭難事故の事例とかを読んで、自分なりに解釈した文章を書いたりして、自分なりに落とし込もうとしてみたんだけど、
メンタルがきつい。
考えてみてくれ。
iPhoneの写真アプリを開いてな。
指で、スライドするんだよ。
すると、
心を病んでるみたいなカードデザイン(不採用)と、
可愛い娘たちを撮影した画像が、
交代交代に登場するんだよ。
マジでやめてほしい。
大体にしてさ。
もう冬は終わったんだよ。
季節は春じゃねぇか!
何が【雪の中へ】だ!
名前ばっかりおごそかにしやがって!
雪?
そんなもんどこにあるんだよ。
ねぇよ。
庭に咲いてるのはスイセンだよ!!
春になったら春をうたう!
夏になったら夏をまとう!
秋になったら豊穣に抱かれる!
そして冬は荘厳な大地に畏怖をする!
それが、
文化的な人間の営みだろうが!!
春の風に包まれ、花を愛でる心の中にありながら、
