13.私の日記【タンポポの根は闇を知ってる】
日ごとに勢いを増す風は、私たちの大切なものを折り曲げていった。
花壇の花達は、時に揺れ、ぶつかりあいながらも、痛みを分かち合っているようにも見えた。
それもきっと、一つの正解なのだろう。
そして彼らは、その柵の中だけを自分達の世界だと思っている訳ではない気もした。
どういう訳か、いつも私はひとりではない。
人々は、私を同じ世界に認めてくれているような気はしている。
時に、私に助けを求める事もあった。
そして私が苦しい時には、助けてくれた。
だから彼らを少し遠くに感じはしても、届かないとは思わないんだ。
タンポポはどこにでも咲いた。
誰もがその花を知っていても、葉っぱを持ち上げて、どんな土に咲いているかを確かめたりはしないんだと思う。
私は思うんだ。
靴が汚れている事を気にするのは、自分だけなんだって。
花壇を彩るパンジーやマリーゴールドは硬い地面を知らないだけで、その違いに柵を立てるのはいつも私の方。
足元を見下ろす。
流れ落ちたあらゆるものは、土を真っ黒に染めあげた。
それでも私は何も教えなかったから、黄色い花はいつだって暖かく見えたのだろう。
それはきっと、自分で選んだ場所だ。
だから風に倒れてもいいんだ。
ここで生きる事を決めたのは、私だから。
