10.何でもない日記【その花束はムラサキケマン】
娘はいつも、私の知らない花を見つけては花束を作り、私の所に持ってきてくれる。
持っていく相手は、決まって私。
妻は部屋の掃除を担う事が多いからか、
『外のものを家に持ってこないで!』
と言い、子どもたちの花束を喜ばないからだ。
今のブームは、ヒメオドリコソウとタンポポ。
庭先にいつもたくさん生えていて、娘の作る花束の定番になっている。
少し前まではミチタネツケバナもたくさん採っていた。
けれど季節が終わったのか、最近ではあまり姿を見かけない。
最近の私は、いつも身近な植物を眺めて、スマホで写真を撮ってる。
子ども達に花の名前を聞かれた時、それが何の花なのかを答えられるようにするためだ。
だから私のフォルダには、ささやかな花達がたくさん写ってる。
そのうち私は、娘がいない場所でも花を探すようになった。
花言葉まで調べたりしている。
でも、花の名前は覚えられても、花言葉はあんまり覚えられてはいない。
私は、花を眺めて、考え事をする時間が増えた。
それが、エッセイや、詩になった。
花は、私の毎日に、ささやかな喜びを運んでくれるんだ。
子ども達が興味を抱くものに合わせて、私が変化していく。
身近で小さいものにいつも心を添えて、穏やかな時間の流れを感じて、私はこの先、もっとたくさんの花を知っていくだろう。
子ども達が新たに届けてくれる、見た事がない花。
名前なんか知らなくても、それはいつも綺麗だと思うんだ。
『ねぇ、このお花は何ていうの?』
