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外見だけ整えても意味はないけど、外見に自信がないと余裕がなくなる

横でハイボールを飲んでいる女の子のまつげは、私の2倍くらい長い。きっとパリジェンヌという施術を受けたんだろうそれは、異物を刺しかえす強さで天に向かってそびえていた。私はといえば、先月まつげパーマのデザインを変えたら、右目のまつ毛が重い一重まぶたに押しつぶされてしまった。少し恥ずかしくて、目線をそらす。

美容や服にそんなに投資しないのは旅行に行くため。いつもそう公言してきて、美容室は半年に1回、ネイルはなしで、服もこの半年で1着しか買っていない。その代わりに毎月国内か海外のどこかに出かけていて、それで満足していると思っていたけれど、時折り誰かと比べてしまって悲しくなるのだ。洋服の毛玉をとるのが苦手で、メイクも適当に済ませてしまう自分が悪いのにね。

大学のころ買ったMA1にはポケットがたくさんあって、海外でスマホを入れていても落ちることもなければボタンで閉じられる。がんがん洗濯に出せるし、でも襟にも袖口にも毛玉がついていて、みすぼらしい感じもしていた。クローゼットの中のどんな服も、今の自分の着たいものじゃない。外見が良ければいいって問題ではないのを知っていても、外見を磨かなくなったら自信とか心の余裕なんてものも自分から離れていく。

それでも、美容に全く興味がないわけじゃない。朝はビタミンCを、夜はビタミンと相性の悪いレチノールを使うから白潤をと化粧水を使い分けているし、野菜中心の自炊生活をしている。二重テープは将来のためにやめて、まつ毛美容液とまつげパーマで目の印象が少しでも強くなるようにしている。でも私の化粧は、同期や友人の前で、驚くほどくすんで見える。

自分のことを、もっと好きでいてあげるためにできることがある気がする。そしてそのための投資は、お金では計れない価値なのかもしれないとも思う。例えば、気になっているのに蓋をしていた肌施術をしてみるとか、心が動いた服を買ってみるとか。あまりにも我慢をしいてきた自分のときめきに、ちょっと贅沢をさせてあげるようなこと。

この冬は、自己投資の美容枠を少しだけ増やしてみようかな。もしかしたら、自分を好きな気持ちが少し増えるかもしれない。寒くなって気持ちが少し落ち込んだだけかもしれないけど、年が変わるころには今より少し胸を張って歩きたいから。

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