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#25『ドヤ街はやはり、治外法権みたいな街だった・・・』|無職のエッセイ〜早すぎた人生の余暇かスローライフか〜

生活拠点が変わった現在、自分が想像していた以上の"心穏やかな生活"が待っていました。



 これまで過ごしていたドヤ街とは打って変わって騒がしくない生活に、正直最初は戸惑いました。

 引っ越しを済ませ迎えた新生活の初日に感じた違和感は今でも忘れられず・・・

外を歩く酔っぱらいの大声なんてまず聞こえないし絡まれることもない、
日夜響いていたサイレンの音は滅多なことで聞くことはない、
電柱に立ち◯ンベンしてる大人も、道路に平気で横になって寝ている人たちなんて目に入ることもない、
飲みかけた酒の缶片手に喧嘩ふっかけてくる輩に遭遇することもない、
コンビニの脇に座り込んでは酒盛りをして、通行の邪魔と言われようもんなら文句を言いながら威嚇する人も見ない、
早朝に喚きながらゴミ捨て場の空き缶を収集する人にも遭遇しない、

 とまぁ箇条書きしたところでかなりの数出てくるので、一旦これくらいで済ませようと思う。
それでもドヤ街で見たヤバい人たちは、それなりに記憶に残ってるものだ。

 事実、私が住んでいたドヤにもこの手のヤバい人は何人か居ました。

 そのうち1人が見せた"酒飲みすぎて敷地内で勝手に倒れて、何人かで起こそうとしたらキレ散らかす"姿は日常茶飯事でした。
ただ、忘れてるのか当たり前と思ってるのか、いつまで経っても「あの時はごめんよ」の一言すらないのでみんなして存在ごとスルーしてましたけど・・・

 こんなのばかりではありませんが、やはり同じ空間で生活しているので些細な揉め事に巻き込まれることはそれなりにありました。
唯一の救いは、身の危険を感じるようなトラブルに見舞われなかったことだけでしょうね。



ちなみにドヤの外を一歩出たら、当たり前ですがこういうのがウジャウジャいます。




 前述したようなヤバい人がチラホラと、昼夜問わず湧いて出てくるわけです。

 もちろんこの外で遭遇した、いわゆる街ごとどこか雰囲気を重苦しくさせる人たち比べて、以前に紹介した人たちなんて本当に可愛いものでした。


 なんでこんなに揉め事が多いかと考えたら、ドヤ街とはそもそも昔ながらの血気盛んな日雇い労働者が集う街。
 当然労働者たちは歳を食おうが無駄に血の気の多いわけで、特に自分の気に入らないことがあれば揉め事をふっかけにいく。

 同じ労働者が集った街でも、ビジネス街に比べたら"理性的"な雰囲気とは完全に真逆じゃないですか?
となるとドヤ街には、治外法権という言葉がよく似合いますね。

 
 そうだとしても昔は日雇い労働者で活気に溢れたこの街に現在漂うオーラはなかなか重々しいと感じざるを得ないでしょうね。



この重々しいオーラの拡大を加速させているのは、ドヤにも住めない。また住まわせてもらえないような路上生活者の存在も関係してます。




 というのも、彼らが普通に生活している集落が近くに何ヶ所もありその多くは周辺に住む住民が気軽に利用できる公園が丸々一つ集落化している点でしょう。

 しかもそんな場所でしょっちゅう炊き出しも行われていて、毎回100人〜200人前後の人たちが集まってきます。
当然その中には他の地域の生活困窮者、いわゆる『他所者』の姿も。

そしてこの他所者絡みの揉め事も頻繁に発生、酷い時には警察沙汰に・・・
これが日夜サイレンが鳴り響く理由の一つですね。

 また、一時期この手の通報が多かったのでしょうか。公園の近くには、毎月のように機動隊用の車両が待機している様子も!
特に集落近くで行われる、支援団体主催の季節に一回必ずある大掛かりなイベントでは必ずその姿を拝めた上、警官と酔っぱらったヤバい奴の小競り合いももはやちょっとした名物に・・・

 昔は血気盛んな日雇い労働者が多かった街の名残がこれとは思いたくないですが、現状どこのドヤ街も差はあれど似たような感じみたい・・・

 ただ外がそんな騒がしい中でも平然と暮らしている"そうでない部類"だろう人たちの方が、逆におっかなかったですね。
しかもこの街では学生ですら"どうってことないオーラ"を出しています。

 何より時が経つにつれて私もその1人になってたと思うと、慣れほど怖いものはないと強く実感しましたね。



改めてドヤ街とは、昼も夜も常に何かしらのトラブルと背中合わせな地域だったなと思い返しています。



 本当に同じ日本なのか?とずっと疑うくらいに、周囲に住んでいる人種の違いが生活に与える影響は大きいと感じます。


たしかに影響が出たとしても、風土に慣れてしまえばなんてことはないんです。
それでもあの街に住んで感じた肌感覚でいうと、背筋がゾクゾクするような違和感はついて回ってました。

 これもかっこいい言い方をすれば、『昔からそこに住む人たちが築いてきた歴史の積み重ね』が生み出したもの。
 ただ言い換えると、『そういう人を引きつけた、かつ彼らに寛容でありつつも無関心だったことで生み出された歪み』みたいなものなのかもしれない。

 実際に私が目にした『普通に暮らしてる人たちの中で随所随所にヤバい奴らが溶け込み、自分らの好きなタイミングで顔を出す』という風景はかなり歪んだものだと思います。

このせいか、かつて日雇い労働者が集まった歴史ある街は、今ではただの治外法権みたいな場所に成り代わってしまったと言われても仕方ないでしょうね。



しかしながら不思議なことにそんな街では今、再開発が進んでおり、本当に少しずつ雰囲気が変わりつつあります。




 次々とドヤが無くなり、その土地は新築マンションの予定地となっているのがその表れの一つかと思います。

 正直な話、街の雰囲気からして本当に借り手がつくのか?なんてことは想像するに難しい。
 しかしドヤ周辺の一軒家やマンションに住む人は少なくともまとも・・・に見える!


そしてこのまともそうな人たちは年々増えているように見えます。

 そのことから。昔は意気揚々と肩を揺らして歩け、好き勝手出来た場所が段々と狭まっているのには彼らからしたら居心地も良くないでしょう。

そして気づいた時には散り散りになっていく・・・

恐らくドヤ街の住人とっての非常識である『世間一般的な常識』で囲まれた世界が、もしかしたら"彼らにとっては治外法権"なのでしょうね。

Fin〜.

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無職テロスタン@物書き見習い〜元路上生活者の無職noter〜 差し出がましいようで恐縮ですが、皆様のチップで今の私は成り立っています。 サポート頂けると大変嬉しいです。

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