【ショートショート】恥ずかしがり屋のゾンビ【#爪毛の挑戦状】
私はゾンビにしては血色がいい。
普通の人間と変わらないくらい。
秘訣は健康な食事と十分な睡眠、もあるかもだけど、一番の理由は私が恥ずかしがり屋だから。
私の仕事は魔法でゾンビになり、出会った人間を驚かし、怯んだ隙に噛みついたり引っかいたりすることだ。
初対面の人に、噛み付く。
ハードル高すぎない?
そんなのできる?
想像すると恥ずかしくなって顔が熱くなる。
どうしてこんな仕事に就いたんだろう。
そうこうしてる間にも青年がこちらへやってきた。
「はぁ」
私はため息一つ。重い腰をあげ、物陰に潜んだ。
タイミングを見計らい、
「うおー」
めいっぱい叫ぶ。
「わ」
多少なりとも青年は驚いてくれたようだ。
あとは、噛みつけばいいんだよね。
噛みつけば。
…………。
やっぱ無理!恥ずかしい!
私は慌てて逃げ出した。
靴を落としたが構ってられない。
そんな午前0時。
後日、その青年が私の履き物を手に必死に私の事を探してくれるのだが、それはまた別の話。
魔法はまだ解けない。
(410文字)
✒あとがき
読んで下さってありがとうございます!
こちらの企画のお題で書かせて頂きました!
可愛いゾンビを書きたかったのですが難しいなぁ。。
