社会人1年目の自分へ。「当たり前」をそのまま信じなくていい
家に帰ったら、手洗いうがいをする。
多くの人にとって自然な習慣だと思います。
外に出て、電車に乗って、いろいろな場所に触れて、家に帰ってくる。
だから、手を洗う。うがいをする。
当たり前?
なるほど、会社に着いた時はどうでしょうか?
朝、家を出て、駅まで歩く。
電車に乗る。
つり革や手すりに触れる。
改札を通る。
エレベーターのボタンを押す。
会社に着く。
この流れを考えると、同じように手洗いうがいをした方がよさそうですが、出社時に手洗いうがいをしている人は多くないかもしれません。

ここで言いたいのは、
「当たり前だと思っていることは、案外、一貫していない」
ということです。
家に帰ったら手を洗う。
でも、会社に着いた時は洗わない。
どちらも外から室内に入っているのに、片方だけが「当たり前」になっているような一貫性のない「常識」は、仕事でも見かけます。
「常識」は正解ではなく、環境に最適化されたルール
社会人1年目は、たくさんの「常識」に出会います。
会社ではこうするもの。
この資料はこう作るもの。
会議ではこう振る舞うもの。
上司にはこう報告するもの。
メールはこう書くもの。
新人はこうあるべき。
最初は、何が正しいのかわかりません。
だから、周りの人のやり方を見る。
先輩に合わせる。
怒られないようにする。
空気を読む。
それは、とても自然なことです。
社会に出たばかりの頃は、まず環境に慣れるだけで精一杯です。
知らない言葉が飛び交い、知らないルールがあり、知らない人たちの中で仕事をします。
だから、最初から全部を疑う必要はありません。
ただ、ひとつだけ覚えておいてほしいことがあります。
常識は、絶対の正解ではない。
その会社で長く続いているだけかもしれない。
その部署でたまたま使われているだけかもしれない。
昔は合理的だったけれど、今はそうでもないかもしれない。
ある人の成功体験が、そのままルールとして残っているだけかもしれない。
常識とは、絶対的な真理ではなく、
ある環境の中で最適化されてきたルール
であることが多いのです。
ただし、すぐ否定しないこと
ただし、ここで勘違いしてはいけないことがあります。
「常識を疑え」は、「その常識を否定しろ」ではありません。
常識を疑うとは、一度止まって、
「なぜ、そうなっているのか」
を考えることです。
なぜ、この報告が必要なのか。
なぜ、この承認フローがあるのか。
なぜ、この会議にこの人たちが参加しているのか。
なぜ、この資料はこの形式なのか。
なぜ、この会社ではこれが当たり前になっているのか。

背景を見る。
前提を見る。
目的を見る。
それが、常識を疑うということだと思います。
社会人1年目は「背景」を知らないだけのことが多い
社会人1年目の人がつまずく理由の多くは、能力不足だけではありません。
もちろん、最初はできないことが多いです。
知らないことも多い。
経験も足りない。
でも、それだけではありません。
職場では経験者にとっての「当たり前」が、かなり省略されています。
「この件、関係者に共有しておいて」
「前と同じ感じで作っておいて」
「いつもの流れで進めておいて」
「適当にまとめておいて」
こう言われて、困ったことはないでしょうか。
関係者とは誰なのか。
前と同じとは、どの資料のことなのか。
いつもの流れとは、どの手順なのか。
適当とは、どの粒度なのか。
経験者の頭の中には、背景があります。
過去の経緯があります。
暗黙の前提があります。
でも、それは新人には見えません。
だから、わからないのは当然です。
ここで、すぐに
「自分は仕事ができない」
と思いすぎなくていい。
もしかすると、あなたが悪いのではなく、
前提が共有されていないだけ
かもしれません。
そのため、自分でも背景・前提・目的を整理して、何が経験者と違うかを考えて確認することが大事です。
過去の正解も、今の最適とは限らない
もうひとつ、社会人1年目の自分に伝えたいことがあります。
過去の正解が、今の最適とは限らない。
・学生時代のやり方が、社会人になっても通用するわけではない。
・最初に入社した会社の常識が、別の会社では違うこともある。
・ある上司だと評価された振る舞いが、別の上司だと変わることもある。
いろいろ思うことがあっても、いちいち反応していたら身が持たない。
「世の中、そんなもんだ」と割り切ることも大事だし、若い頃に身につけた頑張り方が、年齢や環境が変わると、自分を苦しめることもある。
だから、常識は更新していい。
一度身につけたやり方を、ずっと守り続けなくてもいい。
「前はこれでうまくいった」
「みんなこうしている」
「昔からこう言われている」
それらは参考にはなるものの、絶対ではありません。
今の自分にとって、今の環境にとって、本当に合っているのか。
そこは、時々見直していいのです。
社会人1年目の自分へ。
常識に合わせられない自分を、すぐに責めなくていい。
でも、常識をすぐに否定しなくてもいい。
一度止まって、背景を見る。
なぜそうなっているのかを考える。
その上で、自分はどう動くかを決める。
常識を疑うとは、反抗することではありません。
自分の頭で考え始めることです。
最初は、わからないことだらけで当然です。
違和感を持っても、うまく言葉にできないこともあります。
周りに合わせるだけで精一杯の日もあると思います。
それでも、心のどこかに持っていてほしい。
「これは本当に正しいのか」
「なぜ、こうなっているのか」
「別の見方はないのか」
その問いは、あなたを守ってくれます。
そしていつか、仕事をただ覚える人ではなく、
仕事の意味を考えられる人にしてくれます。
社会人1年目のあなたへ。
常識に飲み込まれすぎなくていい。
常識を敵にしなくてもいい。
まずは、背景を見てください。
そこから、自分の仕事が少しずつ始まっていきます。
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