ICT Core Content 2017 Month5 第10回|強気季節性の使い方
この動画について
📺 元動画:https://youtu.be/6Sp-pr3yCkc?si=2BHkVg5n57uCT-ug
ICT Monthly Mentorship 2017年1月 長期分析編 第10回(Lesson 4.1)
「How To Use Bullish Seasonal Tendencies」というテーマ。40年分のデータを圧縮した「季節性(シーズナリティ)」チャートを使い、上位足分析に組み込む手法を解説する回だ。カナダドルと原油という、密接に関連する2つの市場を通じて、強気季節性の実践的な使い方が示される。
ポイント①|季節性への正しい向き合い方
まず、この分析ツールへの向き合い方について釘を刺している。
季節性はあくまで、過去のパフォーマンスの道しるべに過ぎない。万能薬でも、絶対的な結論でもない。過去にそうだったからといって、将来も同じことが起きる保証は一切ない。
季節性は、すでに他の根拠から抱いている「上昇/下降するはず」という期待に、もう1つの裏付け(コンフルエンス)を加えるためのツールとして位置づけられている。
ポイント②|CAD40年季節性チャートの見方
カナダドルの季節性チャートを使った解説が始まる。
1976年から2015年までの40年分のデータを、強気の年と弱気の年をまとめて圧縮したチャート
通貨先物の受渡月(3月・6月・9月・12月)ごとの傾向が示されている
青い線が40年平均、赤い線が15年平均で、両者にほとんど差がないことから、このパターンの再現性の高さが裏付けられるとしている
ポイント③|CAD先物の強気シーズンと弱気シーズン
具体的な季節の区切りが示される。
強気シーズン:3月中旬〜5・6月にかけて、カナダドル先物は強い上昇傾向を見せる
弱気シーズン:9月〜クリスマス前後にかけて、逆に下落する傾向が強い
ポイント④|為替ペア特有の注意点:反転させる必要性
ここが今回の核心にあたる、実践上の重要な注意点だ。
USDCADというペア名は「USドル」が先に来る。つまり、カナダドルが強気ならUSDCADは下落し、カナダドルが弱気ならUSDCADは上昇する。
そのため、カナダドル先物の弱気シーズン(9月〜クリスマス)こそが、USDCADという為替ペアにとっての強気シーズンになる、という反転作業が必要になる。ドルとペアを組む通貨の先物季節性を為替取引に応用する際は、この逆転を必ず意識しなければならない。
ポイント⑤|実例:USDCAD週足での9年分の検証
2008年から2016年まで、9月〜12月半ばの期間を毎年網掛けして検証する、長期の実演が続く。
2008年:季節性通り、非常に強いUSDCADの上昇が確認された
2009年:新高値の更新には至らなかったものの、小さな上昇は見られた。ただし全体としては下落方向。ICTはここで「季節性が必ずしも助けにならない年もある」ことを率直に示し、次回(4.2)で扱う弱気季節性への伏線としている
2011年:安値をつけた後に市場構造が強気にシフトし、季節性が非常によく効いた
2012年以降、2016年まで、同じ時期に繰り返し上昇が確認されている
通期で見れば、この季節性は「大当たり」と言えるほど機能している。ただし毎年必ず利益になるわけではない。
ポイント⑥|原油との連動性:CADの輸出構造
カナダドルと密接に関連するもう1つの市場、原油が取り上げられる。
カナダの最大の輸出品は原油であり、カナダドルと原油市場はほぼ連動して動く傾向がある
原油市場の強気シーズンは、2月中旬〜3月、そして5・6月にかけて
カナダドルの強気シーズン(3月〜6月)と、原油の強気シーズンは、時期的に重なり合っている
ポイント⑦|弱気相場の中でも機能する季節性:原油の実例
原油先物週足(2014年1月〜)を使った実演では、興味深い事実が示される。
2014年当時、原油市場は105付近から崩壊した、長期の弱気相場の真っ只中にあった
それでも、3月〜6月の季節的な強気ウィンドウでは、しっかりと上昇が確認された
2015年、2016年も同様に、大きな下降トレンドの中でありながら、この時期には毎年律儀に上昇が見られた
大局的な弱気相場の中でも、この季節的な窓は繰り返し機能する。これは、市場の背後に一定の「プログラム」が存在することを裏付けている。
ポイント⑧|クォータリーシフトとの組み合わせ
季節性の実践的な位置づけが、これまでのシリーズと結び付けられる。
クォータリーシフトは「3〜4ヶ月ごとに動きがある」ということを教えてくれる。季節性は、その動きが「どちら方向か」を教えてくれる。
この2つを組み合わせることで、「この四半期は買い、あの四半期は売り」という、より具体的な年間の作戦計画を立てられるようになる。
ポイント⑨|ICT自身の若い頃の失敗談
最後に、ICT自身の経験談が語られる。
20代でこの季節性チャートに出会った当初、まるで「宝の地図」のように感じたという
しかし当時は使い方が未熟で、季節性さえあれば何でも勝てると思い込み、過剰に手を広げてポジションを取りすぎ、結果的に損失を出したと振り返っている
その後、クォータリーシフトという概念を理解し、成熟してから改めて季節性を見返すことで、最も確度の高い時期・銘柄だけに絞り込む判断ができるようになったとしている
これは、毎回勝てることを保証するものではない。ただ、成功する確率が高いという「見込み」を与えてくれる。
XAUUSDトレーダー向け対応表
ICT概念 XAUUSDでの実践ポイント 季節性チャートの40年/15年平均比較 XAUUSDの季節性データも、長期・短期平均の両方を比較して再現性を確認する ペア名による反転の必要性 XAUUSDは「Gold」が先に来るペアなので、金そのものの季節的傾向がそのままXAUUSDの傾向になる(反転不要) 原油との連動性の応用 XAUUSDも他の資産(DXY、コモディティ全体)との連動性を踏まえ、関連市場の季節性も参考にする 弱気相場の中でも機能する季節的な窓 XAUUSDが大きな下落トレンドの中にあっても、季節的な強気ウィンドウは無視せず確認する クォータリーシフト×季節性の組み合わせ XAUUSDの3〜4ヶ月ごとのシフトに、季節性で方向感を持たせて年間の作戦を立てる
まとめ
今回の第10回は、40年分のデータに基づく季節性チャートを使い、カナダドルと原油という2つの連動する市場を通じて、強気季節性の実践的な使い方を解説した回だった。為替ペアで季節性を使う際は、ペア名の並び順によって先物の季節性を反転させる必要がある、という実務上の注意点が特に重要だった。原油の実例では、大局的な弱気相場の中でも季節的な強気ウィンドウが繰り返し機能することが示され、クォータリーシフト(いつ動くか)と季節性(どちら方向か)を組み合わせることの価値が強調された。
次回は第11回、引き続き長期分析編の内容を追っていく。
