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🚩「AIを使う件は、聞いていない」─と言われた日から考えた、協働の未来

「AIを使う件は、聞いていない」。
客先がそう言っている、と元請けの担当者から伝えられました。

仕事は客先から元請けを経て、下請けの私に来ます。
私は言いました。
「契約書に、人の手だけで作るとは、書いてないですよね」。

担当者も、同じ意見でした。話は、それきりでした。
なのに今も、この一件が喉の奥に引っかかっています。

発端は手違いで、AIと作った内部用の資料が、誤って客先まで届いたのです。資料には、AIが関わったと自分から名乗る項目までありました。

後日、客先からのメールが転送されてきました。丁寧な敬語で、AI使用の連絡を受けていない、と。

資料に書いてあるだけでは、「連絡」したことにならないらしいのです。
この一件で間違えたのは、人間だけ。なのに、問われたのはAIの側でした。

名乗っていたのに、聞いていない

Excelも電卓も、使うたびに申告などしません。
なぜAIだけなのでしょう。

私はシステムの現場に三十年います。
人の書いた設計書の記載漏れや、資料同士の食い違いを直すのは日常茶飯事でした。

あの日の資料は、その「整合を取る」仕事をAIに任せたもの。
業務にかなった中身で、精度も品質も、人が整えるより明らかに上。

AIはサボらない。端折らない。
出来が悪ければ、たいてい指示した私が悪い。

代わりに、まっすぐ進みすぎるAIへ別の視点を差し込むのが、人間の仕事です。

客先の予算は、人が手を動かす時間を積んで組まれています。
別の案件で人だけとAI中心の概算見積りを並べたら、AI中心は人の三分の二ほどでした。

AIの能力が正しく知られれば、発注の値段から下げられる。
浮いたお金が社会のあちこちで次の仕事や投資に回り、全体のコストが下がる。

人の値段で受けてAIで作る間、受注側の利益は膨らみます。
営業的には、ありがたい。

けれどその差額は、本来なら社会に還元できたはず。
もったいない、と思うのです。

「AIだから不安」も「AIなら安心」も、出自で中身を決めつける同じ癖です。

要るのは好き嫌いの線引きではなく、AIと人それぞれの得意と不得意を、正しく知ること。
しかもAIは、ものすごい速さで変わる。

「AIに別の視点を差し込む」という私の役割さえ、いつか要らなくなるかもしれません。

だから、AIと人の能力の見立ては、一度では終わりません。
AIが変わるたびに、知り直し続ける。それが、人とAIが心地よく協働する未来への、一番の近道だと思うのです。

知り直すのは、AIも、私も

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