指導案は書きたいように書く


嬉しい知らせ

今年度の研究授業で作成した算数科の指導案が勤務している地区の教育事務所のHPに掲載されることになりました。「若手を中心に実践を広めていこう」的なキャンペーンです。自分の実践を評価していただいたことはとてもありがたいことです。では、なぜ今回の指導案が一定の評価を受けたのかを自分なりに振り返ってみることにしました。

※注意①

この記事では、算数科の学習指導についての具体的な実践ではなく、指導案を作成した際のマインドセット的な内容を書いています。

これまでの指導案作り

これまでの指導案作りは「指導案を完成させる」ことが目的となっていました。だから、体裁を整えたり、先行実践から同じ単元の指導案を探したりすることに注力した指導案作りとなっていました。もちろん、駆け出しの頃であれば、そもそも何をどう書いたらいいかわからない状態なので、そうならざるを得ないと思います(少なくとも自分はそうでした)。

一冊の著書との出会い

今回指導案を作成するにあたって、いくつかの文献を読みました。特に印象に残っているのが平川賢先生の『算数「教材・指導案・授業」』

平川先生は本著書の中で次のようなことを述べています。

・指導案には自分の主張と、それに基づく授業の視点や手立てを書く
・主張があるということは「教材観」と「児童観」が見えているということです。それに基づく視点や手立てがあるということは「指導観」がしっかりしていると言えます。

平川賢 これで解決! 算数「教材・指導案・授業」づくり

私は平川先生の言葉を受けて、「教材観」や「児童観」という用語の意味や形式に囚われて言葉を当てはめていくのではなく、まず自分がこの授業を通して何を主張したいのかを考え、自分自身が書きやすいように書くことが大切なのではないかと考えました。

今回の指導案作り

平川先生の言葉を経て、私は今までになく用語の意味や形式よりも、自分が主張したいことや、それに基づく手立てをまず書き出すことを心がけました。具体的な流れを極力シンプルに書き出します。
今回私が展開したのは6年生算数「比例と反比例」です。
【主張】この学習を通して、子ども達が比例関係を利用して問題を解決する姿を実現したいと考えました。(教材観・児童観が含まれる)
※児童観に係る内容についてはプライバシーの観点から割愛しています。
【主張に基づく視点や手立て】比例関係を利用しようとする必要感を感じられるような問題設定をすることや、様々な考えにふれることができるよう交流の時間を多く設定していきたい。(指導観が含まれる)
ご覧の通り、授業そのものは至ってシンプルです。しかし【主張】と【視点・手立て】を意識し、自分が書きたいように書くだけで、自分が書いた指導案に血が通ったような感覚になりました。

書きたいように書いたことによる副産物

書きたいように書くことを通して、自分自身が書きやすいと感じたことに限らず、副産物がありました。
「指導案検討がスムーズに進んだこと」です。
自分に腹落ちした言葉が連なっていると不思議なことに読み手にもその意図が伝わりやすくなりました。作成者である自分自身もどこか生き生きと、やりたい授業像について語ることができました。作成者と同じ部会の先生方との間で解釈の違いが起こりにくかったことがスムーズに進んだ要因だと思います。ある意味では働き方改革なのかもしれません。

まとめ

今回「書きたいように書く」ことを意識したことにより、血の通った指導案を作ることができました。そして、本時の授業も目標を達成するに至ったと評価を受けています。
特に駆け出しの先生や学生にとっては、指導案作りは「児童観」や「指導観」などの型に無理にピースを当てはめていくような感覚になるかもしれません。しかし、そのピースの形を自分が作ってもいいのだという感覚を持つと、肩の力が抜けて、それでいて、あなたの思いの刻まれた指導案が出来上がると思います。この記事が指導案作りに悩む方々の一助となることを願っています。
※これだけ「書きたいように書く」ことを推していますが、やはり最低限各校や各自治体で決められた形式の範囲内でやることが大前提です。自分らしさを出すことと、スタンドプレイは違います。



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