まっすぐ伸びる道の突き当たりにある小さめの木の枝は。

横向きの犬みたいな形をしていた。影だけの小型犬がいる、でも塀の上だからそんなところに犬はいないだろうし、あれは犬の置物だろうか、と初めて見たときは思った。

今日その枝は葉をつけていた。正しくは、青くなった木にようやく気づいた。意識していない間に少しずつ育っていたんだ。そしてもう犬ではなかった。

また冬になれば葉を落とし、枝だけになるのだろうか。次の冬には枝も育って犬でもない別の形になっているかもしれない。それならもっとあの枝を見ておけばよかった。

そんなことを思いながら歩いていたら、初めて見る犬に吠えられた。突然だったから驚いた。飼い主さんが頭を下げてくれたけど、もう全部どうでもよかった。

どうしてそんなことを思ったのか分からない。今日はずっとよく分からない。

昼に少しだけ本を読んだ。好きな男の子に好かれたくて堪らない女の子の感情や、何をしても結局振り向いてくれなかったときの不安が書かれていた。健気でいいなと思った。

誰かをどうしたいとか、誰かとどうなりたいとか、そんな感情を抱いて、素直に従うのはとても正しいことに思えた。

帰り道、遠足帰りのような身なりの子供たちが先生に急かされながら横断歩道を渡っていた。自分もそれに付いていくように自転車を漕いで渡った。

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