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高校化学酸化還元反応で理解する「洗剤の混ぜるな危険」

1.諸言

 昔から塩素系漂白剤と酸性タイプ洗剤を混ぜたら有毒ガスが発生して危ないという話はよく聞きます。ここで起こる化学反応では実は高校化学の酸化還元反応が背景にあります。この現象を通して酸化還元反応に対する理解を補助するために今回はこの現象を高校化学酸化還元反応を用いて説明します。


2. 塩素系漂白剤と酸性タイプ洗剤の反応

 塩素系漂白剤の有効成分は、

次亜塩素酸ナトリウム: NaClO (Cl酸化数+1)

 一方、酸性タイプ洗剤(トイレ用等)の
有効成分は

塩酸: HCl (Cl酸化数-1)

これら有効成分を混ぜると、酸化数+1のCl(NaClO )と酸化数-1のCl(HCl )間で以下の酸化還元反応が起こり、塩素ガスが発生します。

(半反応式)
酸化剤: ClO-  + H+ +  e- → Cl + OH- (1)
還元剤: Cl- → Cl + e-  (2)

(全体反応式) (1)+(2)を足す。
ClO- + Cl- + H+ → 2Cl + OH-
ここで2Cl塩素原子はCl2塩素分子になり、両辺にNa+ を加え、H+とCl-をまとめると、

NaClO + HCl → Cl2↑ + NaOH  (3)

になります。

以上のように塩素系漂白剤と酸性タイプ洗剤を混ぜると酸化還元反応が起こり、塩素ガスが発生するため、混ぜるのは危険となります。
ちなみに酸性タイプ洗剤は塩酸ではなく、クエン酸や酢酸を用いるものもあり、混ぜても(3)反応は起こらないが、塩素系漂白剤に大量のクエン酸や酢酸の酸性タイプ洗剤を混ぜると次亜塩素酸ナトリウムがクエン酸や酢酸を酸化することで次亜塩素酸ナトリウム中の酸化数+1の塩素が還元されCl原子が生じ、さらにこの反応で生じたCl原子同士が以下のように結合し、塩素ガスCl2が発生することがあります。

2 Cl → Cl2  (4)

以上より、塩素系漂白剤と酸性タイプ洗剤を混ぜるのは有毒ガスCl2が発生するため危険ですので混ぜないように気をつける必要があることが高校化学酸化還元反応の知識で理解できます。

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