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#01-01(01) 19580118 - 音楽の正体なんて、音の「動き」に身を委ねるだけで十分なんだよ

いやぁ、まいったね。レナード・バーンスタインっていう男は。
 ニューヨーク・フィルの若き指揮者が、蝶ネクタイを緩めて子供たちに語りかける。その姿を見たとき、俺の胸にはまず「脱帽」の二文字が浮かんだ。次にきたのは「共鳴」。あぁ、俺が蕎麦屋の隅っこで独りごと言ってるようなことを、この男はカーネギーホールで堂々とやってのけてるんだなって。最後は「痛快」。クラシックなんていう、カビの生えた理屈を全部ひっくり返してくれたからね。

あんたは、音楽を聴くときに「これは何を表現してるんだろう?」なんて、小難しい顔して考えてないかね? もしそうなら、この動画はあんたの耳の垢をきれいに洗い流してくれるはずだ。音楽に「意味」なんてあるのか? そんな、禅問答みたいな問いに、バーンスタインがどう答えたか。まあ、ちょっと聴いていきなよ。(記:森田和義)


1958年1月18日:音楽って何? (What Does Music Mean?)

Leonard Bernstein - Young People's Concerts: What Does Music Mean?
レナード・バーンスタイン - 青少年のためのコンサート:音楽は何を意味するのか?

 Leonard Bernstein's Young People's Concerts with the New York Philharmonic. Episode: "What Does Music Mean?". Originally aired January 18, 1958.
レナード・バーンスタインとニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団による青少年のためのコンサート。エピソード「音楽は何を意味するのか?」。1958年1月18日放送。
公開日: 2022年6月12日(オリジナル放送日は1958年1月18日)


基本情報

アーティスト名: レナード・バーンスタイン(指揮・解説)、ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団
イベント名: New York Philharmonic Young People's Concerts
開催日: 1958年1月18日
会場: カーネギーホール(ニューヨーク)

セットリスト

*ロッシーニ:歌劇『ウィリアム・テル』序曲より「スイス軍の行進」
* ショパン:作品不明(ピアノ独奏)
* ベートーヴェン:ピアノソナタ(ピアノ独奏)
* 誰かさんのブギウギ
* ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ『美しく青きドナウ』
 * ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ『ウィーンの森の物語』
* リヒャルト・シュトラウス:交響詩『ドン・キホーテ』
* ベートーヴェン:交響曲第6番『田園』
 * ムソルグスキー(ラヴェル編曲):組曲『展覧会の絵』より「チュイルリーの庭」「卵の殻をつけたひな鳥の踊り」「キエフの大門」
* チャイコフスキー:交響曲第4番 第1楽章
 * チャイコフスキー:交響曲第5番 第1楽章・第4楽章
 * ヴェーベルン:6つの管弦楽小品 作品6(第4曲)
* ラヴェル:ラ・ヴァルス

動画解説

バーンスタインって男は、実にいい顔をして喋るんだよね。昔のジャズ屋が夜明けのクラブで最後に弾くピアノみたいに、どこか寂しくて、でも熱い。彼がこのステージで最初に見せたのは、あの有名な『ウィリアム・テル』の序曲だ。

1. 「ローン・レンジャー」の嘘と、音の真実
 
バーンスタインは、子供たちが「ローン・レンジャーだ!」って喜ぶのを承知の上で、こう言い放つ。「残念だけど、これはローン・レンジャーのことじゃない。ただの音の並びなんだ」ってね。
 この時の彼の表情が、まるで「お前らの信じてるサンタは俺だよ」って告白する父親みたいで、なんとも言えず滑稽で愛らしいんだ。彼は、音楽は物語を語るための道具じゃない、音そのものが喜びなんだってことを、ピアノをポロンと弾きながら教えてくれる。そのピアノの音が、冬の朝の公園にあるベンチみたいにひんやりと、でも確かな質感を持って響くんだよね。俺はこのシーンを見て、あぁ、俺たちが音楽に勝手な「意味」を貼り付けて、音そのものの自由を奪ってたんだなって、ちょっと反省しちゃったよ。

2. 嘘のストーリーで、音楽を「騙す」
 
次に彼がやった悪戯が面白い。リヒャルト・シュトラウスの『ドン・キホーテ』を流す前に、全くデタラメな「スーパーマンの脱獄物語」を語るんだ 。
カズーの音が囚人の練習曲で、金管の響きがスーパーマンのバイクの音……。あんた、これがまた不思議とピッタリ合っちゃうんだよ。バーンスタインは、音楽に合わせてわざとらしく鼻を鳴らしてみせたり、指揮台でオーバーな身振りをしてみせる。その時、会場の空気が古い映画館のポップコーンの匂いみたいな、ワクワクした湿り気を帯びるんだ。
 でも、後で彼が「本当は羊の群れと戦うドン・キホーテの話だよ」ってネタバラシをしても、音楽の価値は1ミリも変わらない。これには驚いたね。音楽ってのは、どんな衣装を着せられても、中身は裸のままなんだってこと。あんた、自分の人生に勝手なタイトルをつけて悦に入ってる場合じゃないよ。

3. ヴェーベルンの「静寂」という名の嵐
 
一番痺れたのは、モダン・ジャズの即興演奏よりも難解だと言われるヴェーベルンを、あえて子供たちに聴かせたところだ。
「クレイジーな現代音楽」って自嘲気味に紹介するんだけど、演奏が始まった瞬間の、あのカーネギーホールの静けさ。雪駄で石畳を歩いていて、ふと足音が消えた瞬間のような、耳に痛いほどの沈黙。音の一つ一つが、暗闇の中で光る猫の目みたいに鋭くて、でも壊れそうに繊細なんだ。
 バーンスタインは、「大人より子供の方が、こういう理屈じゃない音を理解できる」って言うんだよね 。いや、わかんないでしょ? この感じ。でも、それでいいんだって彼は笑う。音が動くことで、自分の内側がちょっとだけ形を変える。それが「音楽を理解する」ってことなんだよ。

時代背景・評価

 この動画が撮られたのは1958年。アメリカがスプートニク・ショックに揺れ、冷戦の真っ只中で、テレビっていう怪物が家庭の主役になり始めた頃だ。バーンスタインは、そんな時代に「芸術の民主化」なんていう、ちょっと鼻持ちならない理想を掲げてこのコンサートを始めた。

 でもね、彼がやったことは、単なる教育じゃない。音楽を「高尚なもの」という棚から引きずり下ろして、蕎麦屋の割り箸みたいに、誰でも手に取れるところに置いたんだ。
当時、クラシック音楽は教養の象徴だった。でも彼は、ジャズもブギウギもベートーヴェンも、同じ「音の運動」として同列に扱った。これは当時の社会現象としても、かなり過激なことだったんじゃないかね。

 今、SNSで短い動画が溢れて、みんな「正解」や「オチ」をすぐに求めるけど、バーンスタインはあえて「答えはない。あんたがどう感じるかだけだ」と突き放す。このスタンスは、50年以上経った今の方が、より切実に響く気がするんだよね。

あとがき

動画の最後、彼はラヴェルの『ラ・ヴァルス』を振る。
一切の説明を省き、「ただ聴いて、楽しんでくれ」とだけ言って。オーケストラがうねり、音が弾け、カーネギーホールの壁が震える。その音の洪水の中で、バーンスタインは汗だくになって踊っている。その姿は、指揮者というよりは、ただの「音楽に酔いしれる一人の男」だった。
 この動画が公開されてから、世界中で何百万人の人が「あぁ、音楽ってこれでいいんだ」って肩の荷を下ろしたことだろう。俺もその一人だ。最近の若い連中は、音楽をデータやスペックで語りたがるけど、まあ、それもいい。でも、たまにはスマホを置いて、このバーンスタインみたいに、音に翻弄されてみるのも悪くないよ。

さて、そろそろ話が長くなった。
あんた、まだついてきてるかね? まあ、どうでもいい話なんだけどさ。なんだか、熱い蕎麦が食べたくなってきた。ついでに冷やでも一杯ひっかけたい気分だ。

音楽なんてのはさ、終わった後に「さて、酒でも飲むか…」って思えるくらいが、一番ちょうどいいんだよ。

■参考情報
 * Leonard Bernstein Official Website (https://www.leonardbernstein.com/)
 * New York Philharmonic Digital Archives


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#Bernstein shows us that music isn't a "story"—it's just notes in motion. Forget the logic; just feel the rhythm vibrate in your bones. A timeless lesson for anyone who loves sound. 🍷🎻 #MusicMeaning  




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