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E149 BARRETT STRONG-MONEY(THAT's WHAT ALL I WANT)

魂を売って金を掴め!

モータウンの産声と、剥き出しの欲望がロックンロールを永遠に汚した瞬間

いいか、耳をかっぽじってよく聞け。今さら「愛こそはすべて」なんて甘っちょろい寝言を抜かす奴は、今すぐこのページを閉じてディズニーランドにでも行きやがれ。俺たちが生きているこのクソったれな現実は、いつだって「金」で回ってる。そして、その残酷で、不潔で、最高にスリリングな真理を、世界で一番最初にスピーカーから叩きつけたのが、このバレット・ストロングの『Money (That's What I Want)』だ!
 1959年、デトロイトの薄暗いスタジオで、後に巨大帝国となる「モータウン」の産声が上がった。だがそれは、天使のさえずりなんかじゃなかった。腹を空かせた野良犬が、肉を求めて喉を鳴らすような、野卑で暴力的なリズムだったんだ。バレット・ストロングの声を聞け! 彼は歌ってるんじゃない。叫んでるんだ。「愛なんていらねえ、金をよこせ!」とな。この曲は、上品なR&Bの皮を被った暴動だ。エルヴィスが腰を振り、リトル・リチャードが絶叫したが、バレットはそこに「資本主義の毒」という最高のスパイスをぶち込んだ。
 この一曲がなければ、ビートルズもストーンズも、自分たちの野心をどう表現すればいいか分からなかったはずだ。

音楽は高尚な芸術? 冗談じゃねえ。音楽は、空腹を満たし、権力をひっくり返し、女を口説くための武器だ。1950年代の終わり、アメリカの夢がカビ臭くなり始めた頃、デトロイトの若者たちが放ったこの一撃は、今聴いても俺の鼓膜をズタズタに引き裂き、魂を沸騰させる。これは歴史の授業じゃない。今、お前の目の前で起きている火事なんだ。(記: 蛮楠烈太)


基本情報

作詞・作曲者: ジャニー・ブラッドフォード、ベリー・ゴーディ・ジュニア(※バレット・ストロングのクレジットを巡っては長年係争あり)
編曲者: ベリー・ゴーディ・ジュニア
プロデューサー: ベリー・ゴーディ・ジュニア
発売日: 1959年8月(Tamlaレーベル)
レコード会社: タムラ・レコード(モータウン)
収録スタジオ: ヒッツヴィル・USA(スタジオA)

レコーディング参加アーティスト

バレット・ストロング(ヴォーカル、ピアノ)
ベニー・ベンジャミン(ドラムス)
ジェームス・ジェイモン(ベース)※諸説あり
ほか、スタジオにいたスタッフたちによるパーカッション

チャート状況

Billboard Hot 100: 最高23位
Billboard R&B Singles Chart: 最高2位
歴史的評価: モータウン最初のナショナル・ヒット。ローリング・ストーン誌「史上最高の500曲」選出。

楽曲のエピソード

泥水から掴み取った「最初のドル札」
この曲のイントロを聴いて、背筋に電流が走らない奴は今すぐ耳鼻科へ行け! あの泥臭い、地を這うようなピアノのリフ。あれを弾いているのは、弱冠18歳のバレット・ストロング本人だ(ベリー・ゴーディが弾いたという説もあるが、俺はバレットの「俺が弾いたんだ!」という執念を支持するね)。18歳のガキが、人生のすべてを悟ったような顔で「Give me money!」と喚き散らしている。これこそがロックンロールの真髄じゃなくて何なんだ?

「偶然が生んだ資本主義の怪物」
1959年、デトロイトのウェスト・グランド・ブルバード2648番地。後に「ヒッツヴィル・USA」と呼ばれる伝説のスタジオで、この化け物は生まれた。ベリー・ゴーディがピアノでリフを練り、バレットがそこに食らいついた。洗練? 完璧なスコア? そんなもんクソ食らえだ。そこにあったのは、スタジオにいた連中がタンバリンや木片を叩き鳴らす、剥き出しのセッションだった。歌詞なんて二の次だった。「金が欲しい」――その一言だけで、当時の黒人青年たちの、そして抑圧された全世界の若者のエネルギーを爆発させるには十分だったんだ。

「ジャケットとモータウンの野心」
当時のシングル盤に、小洒落たアートワークなんて期待するな。だが、そこにある「Tamla」の文字は、後に世界を変える黒人音楽の聖典となるシンボルだ。ベリー・ゴーディはこの曲のヒットで得た小銭を元手に、エド・サリバン・ショーを支配するまでの帝国を築き上げた。つまり、この曲自体が「金を稼ぐ」という歌詞を地で行く、モータウンの資本主義的成功の第一歩だったわけだ。

「白人坊ちゃんたちへの汚染」
この曲の恐ろしさは、海を越えてイギリスの若造たちを汚染したことにある。ビートルズのジョン・レノンはこの曲を聴いて、自分の心の中にある「怒り」と「欲」を形にする方法を学んだ。1963年、ビートルズがカバーしたバージョンを聴き比べてみろ。ジョンの声は引き裂かれ、血を流している。だが、オリジナルにあるバレットの「冷徹なまでの切実さ」には及ばない。ストーンズもアニマルズも、みんなこの「金の亡者」の歌にひれ伏した。彼らはこの曲の中に、ブルースの悲哀ではなく、ロックの「攻撃性」を見出したんだ。

アーティストの歴史・キャリア

歌声を捨て、ペンに魂を込めた黒幕
バレット・ストロングは、シンガーとしてはこの一曲でピークを迎えたと言われる。だが、彼を「一発屋」と呼ぶ奴がいたら、そいつの無知を笑ってやれ。彼はその後、ノーマン・ホィットフィールドと組んで、モータウンの黄金時代を支える稀代のソングライターへと変貌を遂げた。

「サイケデリック・ソウルという名の劇薬」
60年代半ば、バレットはマイクをペンに持ち替えた。彼がテンプテーションズに提供した曲を聴いてみろ。『Cloud Nine』や『I Can't Get Next to You』、そして歴史的名盤『Papa Was a Rollin' Stone』だ。

彼はモータウンのキラキラしたポップスの裏側に、ドラッグ、貧困、嘘、そして社会の歪みを塗り込んだ。それはもはや音楽じゃない、一篇の暗黒小説だ。さらに、エドウィン・スターに書いた『War (戦争)』。あの「War! Huh! What is it good for? Absolutely nothing!」という絶叫を、誰が忘れられる? バレットはヒットチャートのど真ん中で、反体制の爆弾を爆発させたんだ。18歳の時に『Money』で歌った個人的な「欲望」を、30代になって「社会の闇」という深いレベルまで掘り下げた。彼は、モータウンを「子供たちのダンス音楽」から「大人のための、血の通ったドキュメンタリー」へと進化させた真の革命家なんだ。

「晩年の闘いとレガシー」
2023年に81歳でこの世を去るまで、バレットは自分の権利のために闘い続けた。実は『Money』の作曲クレジットから彼の名前が一時抹消されていた時期があり、彼は死ぬまでモータウンとやり合っていた。皮肉なもんだろ? 「金をくれ」と歌った男が、自分の遺した音楽の「正当な金」を求めて生涯を閉じるなんて。だが、その執念こそが、彼の音楽に宿る凄まじいリアリズムの正体だったのかもしれない。

評価

半世紀経っても色褪せない毒薬
 
1960年前後、この曲は「下品な騒音」と切り捨てられる可能性すらあった。当時のヒットチャートは、まだ甘いドゥーワップや、白人に歩み寄ったポップなR&Bが主流だった。その中で、「金、金、金!」と連呼するこの曲は、あまりにも直球すぎて、ある種の放送事故のような衝撃を与えた。だが、若者たちは気づいていた。これが自分たちの本音だということに。
 今、サブスクのプレイリストでこの曲が流れてきても、そのインパクトは全く減衰していない。むしろ、格差が広がり、SNSで承認欲求と金銭欲が複雑に絡み合う2020年代において、この曲のメッセージはよりリアルに響く。

 技術的には、ベニー・ベンジャミンの重いドラムと、当時の未熟なレコーディングが生んだ歪んだピアノの音が、すでにパンクの先駆けのような破壊力を持っている。唯一の欠点を挙げるなら、あまりにも完璧な「欲望の雛形」を作ってしまったために、後世のアーティストがこれを超える「金の歌」を作れなくなったことくらいだろう。


あとがき

死ぬまで踊らせる、呪いのピアノ
 
結局のところ、音楽は俺たちを救うのか? それとも狂わせるのか?
『Money (That's What I Want)』を聴くたび、俺はその答えがどちらでもいいことに気づかされる。この曲が鳴っている間、俺たちは聖人君子である必要はない。ただの欲深い人間として、リズムに身を任せればいい。

バレット・ストロングは死んだ。だが、彼が遺したあのピアノのリフは、今この瞬間も世界のどこかで鳴り響き、誰かの欲望を肯定している。
この曲を聴け。そして、お前の中にある汚い欲望を、最高のロックンロールとして昇華させろ! 札束の雨の中で踊り狂え!


"Money (That's What I Want)" is the raw blueprint of rock 'n' roll greed. Forget love; this 1959 Motown explosion by Barrett Strong told the ugly truth. Its dirty piano riffs and primal energy infected The Beatles and changed music history forever. Barrett wasn't just a singer; he was the architect of psychedelic soul. A true legend who lived and died for the groove! #MusicFile #Motown #BarrettStrong

​Forget love; Barrett Strong’s "Money" is the raw blueprint of rock. This 1959 Motown blast told the brutal truth of greed, infecting The Beatles and changing history. A primal, capitalist scream that still burns! #MusicFile #Motown #BarrettStrong

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