AIの台頭で人間の仕事は奪われるのか?
はじめて書く記事。
自己紹介でもした方がよいのだろうか、なんて考えるより先に、書いてみたいことができてしまった。
…名前だけ。霧島(きりしま)です。
8月を振り返ってみて…ChatGPT の新モデル「GPT-5」のリリースに関して、SNS上でちょっとした賑わいがあったのをふと思い出しました。
AI の台頭により、「ある種の仕事はもう奪われるんじゃないか」「若手社員を教育するよりAI の導入が良策なのでは」 ―― なんて物議を醸す現代社会。
職業柄、 AI は使ったことがあります。プログラミングの作業をやってもらったり、リファクタリングをお願いしたり。なんならプライベートでも学習ロードマップを作ってもらったりと…それはもうお世話になっていて。
けれど、仕事の争奪について自分なりの考えをまとめたことはなかったので、この機会に書いてみようと思います!
結論(暫定)
自分なりの回答は、意外とすぐに出た。
結論
方法論が確率された「作業」はその可能性がある。
しかし、「仕事」を担う人間の代替はできない。
…さて。
回答はそれっぽいが、感覚的にはふわっとしているのが釈然としない。
どういう思考を経てそう結論づけたのか、自分でもはっきりしないのはちょっと気持ち悪い。
ということで、ここからが言語化オタクとしての ―― 本題。
結論 ➡ 過程 に逆行してみよう
方法論が確率された「作業」はその可能性がある。
しかし、「仕事」を担う人間の代替はできない。
……?
そもそも仕事ってなんだろう
とりあえず、ざっくり定義してみよう。
・ 「仕事」= 判断によって状況を動かし、利益を生むこと
…あまり、普段の業務で「自分、利益生んでいます!」なんて意識はない。
もうちょっと身近な粒度で比較対象がほしい。
・ 「作業」= 実行する対象であり、指示を前提とする
社会人として、自分が日々こなしていることの大半は「作業」に数えられる。
仕事よりちいさな単位。誰しもなんらか抱えている。何かのための、手段。
…手段といいつつ、しょうもない作業だって転がっていたりする。
仕事に繋がらない、慣例だけの作業。
その作業や、やり方の指示について適切かどうかを判断するひとは必要だろう。
現実には難しいところかもしれないけれど、会社のどこかには、少なくともどこかの時点まではいたはずだ。…いてほしい、今も、切実に。
閑話休題。
仕事の達成に必要で、作業の前提・評価にも必要な「判断」というワード…これも定義に加えたほうがよさそうな気がする。
・ 「判断」= 定量的なデータや仮説、検証結果に対して「恣意性」を足し引きしながら行われる
恣意性を言い換えるなら ―― 目的・目標・背景
…このあたりだろうか?
ビジネスにおいて、意思決定の最後の鍵が恣意=純粋な思いつき、非論理的…であることは少なそうだ。
経験則だって、現場感覚だって、主観的だが裏付けはある。
判断するとき、一人で決めることもあるだろうけれど、その前にレビューや会話という形式で認識の擦り合わせを行う場合が多いだろう。…責任は分散しないとね。
そのとき、前提に据えられるのは 目的・目標・背景だろうけれど、汲まれるものを言語化するならば ―― 文脈と、意図だ。
「なぜこの作業が必要なのか」「どうしてそれを知りたいのか」ということは、文章や発言という形で可視化されないことが往々にして、ある。
暗黙の了解、説明されない前提…でも決定事項の影にはいつも存在している。文脈。関係者各位の、意図。
それらは論理とは違う。
違う、が。
…判断には、文脈や意図の読み取りこそが必須なんじゃないか?
「圧倒的にコストダウンできるし手戻りも防げるのに、それを提案しても採用されない」…なんてことを、仕事上、経験したことがある。
あえて合理的でないイレギュラーを残すというか。
あれはきっと、「べき論はそうでも、現場での反発や温度感に合わない」「今ではない」といった論理以外の話が理由なんだろう。
そういえば、営業やコンサルタントなど、人を相手に商売する方もよく言いますよね。「相手にとって正しいだけでは足りない」って。
論理は重要だが、論理だけでは響かない
特に人を動かすためのコミュニケーションにおいては、論理と情理、倫理の3つが重要となります
定義を更新しよう。
・ 「判断」= 定量的なデータや仮説、検証結果に対して「文脈」や「意図」を足し引きしながら行われる
ChatGPTやGeminiを相手に「そういうことじゃないんだよなぁ」と思った経験のある方なら分かるかもしれない。
伝わらない。判断材料にならない。前提が違う。
「決定」の過程に伴うこれらの問題を解消するには、文脈や意図の読み取りが必須であり ―― それは現状、AI が代替できない範囲。
他に考えられることは?
特定の業界や職種に白羽の矢が立つのはなぜだろう
パッと思いつくのは、「コンサルタント」だ。
コンサルタントと言っても、そもそも何系なのかで変わってくる部分はあるだろうし、あくまでイメージだが…往々にしてこうした議論の的になる。
私は現在、システムエンジニアをやっている。
元々はコンサル業界を志望していて、仕事でもプログラミングよりは顧客へのヒアリングや上流工程を担当することが多い。
その感覚からすると ―― むしろAI にはできないんじゃないか、という印象が強い。
けれど、AI で十分とされる仕事の例として耳にする。
…よし、次はそのギャップを言語化してみよう。
見える仕事と、見えない仕事
コンサル志望ではあったが、コンサルタントとして請け負った経験はない。
そのため、あくまでイメージだけれど…
一般的に「コンサルタントってどういう職業?」って聞かれてパッと浮かぶのは、顧客の課題を論理で解決する ―― 問題の特定・分析・解決策の立案、と実行支援。
……ふむ。
実際はきっと、そのための泥臭い準備が大半だったりして。
これは私自身の経験になるが、実際お客さんからちょろっとヒアリングした内容を「どういう要件に落とし込むのか」で、何時間もかけて捌いたり追加調査したりする。
それを論理で裏付けして、解決策という形にして、顧客に伝わるように説明する必要がある。その準備が何倍も大変だ。要するに、翻訳作業が多い。
コンサルタントなら尚更だろう。「激詰め」という言葉を聞いたことがあるくらいだから…
仕事には「見えるもの」と「見えないもの」があって、目立つのは前者。
コンサルの「見える仕事」が「問題の特定・分析・解決策の立案」であるなら、確かに AI でもやれそうな気はする。
社風や前提条件を顧客が言語化して提示できるなら、それなりの施策は打てよう。少なくとも、大金をはたく理由は減る。
けれど…問題の特定・分析・解決策の立案、はコンサルタントの「仕事」ではないのかもしれない。
結局はその提案によって生まれる価値を売っているのだから、顧客のために論理を組むのも分析するのも、どちらかといえば手段、「作業」じゃないか?
それに、その作業にしたって「こうすれば論理的に正しい」「効率的」「利益が上がる」といった解決策を出しても、判断するのは顧客なのだから、正論を突き付けるだけではうまくいかないだろう。
分からないから動けないことと同じくらい ―― 分かっているけれど動けない状況はあると思う。
だから決定の場では「外から見た視点」や「忌憚ない意見」が重宝される。
そのうえで、どうしたいかを自分の心で判断したい。後悔しないように。
それでも、目が行きやすいのは「見える仕事」だ。
コンサルタントの場合、その範囲が AI の得意分野だから、白羽の矢が立ちやすい…と仮説が立つ。
勿論、見える仕事も見えない仕事も、どの業界にも職種にも存在しているわけなので…「○○だから仕事がなくなる」という結論を出すのは、早すぎるのかもしれない。
…いつか転職するときは、あまり気にしすぎず、自分ができる「仕事」で探そうかな。
結論
AI に仕事を奪われるか? という問いの回答に関しては、
最初に思いついたこの結論は変わらなかった。
方法論が確率された「作業」はその可能性がある。しかし、「仕事」を担う人間の代替はできない。
作業と仕事は違うし、仕事には無数の判断がある。
ひとが判断するとき、論理だけでなく、心理的な背景や共有されていない前提があることも多い。
今のところは、それが「人間の得意分野」と言っていいんじゃないかな、というのが霧島個人としての結論です。
発揮されるのが見えないところだと、なかなか評価されないのはもったいなくて切ないですが…それが本領ならば、贈る言葉はひとつ。
神は細部に宿る
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