歌会始(宮内庁)9月末まで
「旅」という壮大なテーマで、詠進歌(宮中歌会始のような格式ある形式)の作法に則り、一首詠ませていただきます。
現代の旅は乗り物で瞬く間に過ぎ去りますが、あえて道中の景色や、旅先で出会う「風」に心を寄せて詠みました。
詠進歌:題「旅」
白雲の ゆくへを追ひて はるばると 見知らぬ里の 風をこそ聴け
【読み】
しらくもの ゆくえをおいて はるばると みしらぬさとの かぜをこそきけ
【語釈と意味】
白雲のゆくへを追ひて:空に浮かぶ白雲が流れていく先を追いかけるように(あてのない、あるいは遠い旅路の比喩)。
はるばると:はるか遠くまで。
見知らぬ里の:まだ訪れたことのない、見知らぬ土地の。
風をこそ聴け:その土地の風の音(あるいは気配や情緒)をしっかりと聞き届けよう。
解説 目的地に辿り着くことだけが旅ではなく、移動する中での心の高鳴りや、その土地独自の空気感を五感で受け止める喜びを表現しました。「こそ〜けれ(聴け)」の係り結び(※ここでは命令形に近い詠嘆)の形をとり、旅の情熱を込めています。
by 敦賀 眞 project
日本天皇陛下宛文通書
