第三章:未知への一歩
カケルは困惑した。しかし、猫は真剣な顔でこう続けた。
「いいかい、青年。君たちの世界では『新生活』をただの環境の変化だと思っているが、実は違う。それは、古い自分という殻を脱ぎ捨てて、新しい自分を召喚する儀式なんだ」
猫は、一本の不思議な銀の鍵をカケルに差し出した。
「この鍵は、どんな不安の扉も開けることができる。ただし、条件がある。扉の向こうがどんなに未知でも、『自分ならなんとかなる』と一度だけ信じることだ」
カケルはその鍵を握りしめた。
今まで自分を縛っていた「周りと同じにならなきゃ」という重圧が、少しだけ軽くなった気がした。
