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【エッセイ:第23回】🌿 繊細さと心のクッション 🌿

「あの件は聞いていなかった。
なぜ事前に連絡してくれなかったのか。」

🔥 ものすごい剣幕で相手を責め立てる声。
その“現場”を、私はそっと通り過ぎる。

そこまで言わなくても……
心の中でそうつぶやきながら、
胸の奥が、少しざわつく。

🏢 どの職場にも、こんな場面はあるのではないだろうか。

こうした状況に出会ったとき、
人の反応はだいたい 三つのタイプ に分かれる気がする。

① 自分には関係ないと、気に留めない人
② 「何があったのだろう」と、冷静に状況を見つめる人
③ 自分が責められているわけでもないのに、
 まるで当事者のように、嫌な気分になってしまう人

最近では、この③のタイプを
繊細さん」と呼ぶこともあるらしい。
そして私は、まさにこのタイプだ。

🤔 それが生まれつきの性格なのか、
育ってきた環境によるものなのかは分からない。
ただ、どうにかしようとしても
簡単には変えられないのが現実だ。

その場に居合わせただけなのに、
いつの間にか胸の奥に重たい感情が広がる。
まるで自分が責められているかのように
気持ちが沈んでしまう。

🎭 そんなとき、私は心の中で
何度もシミュレーションを始めてしまう。

「もし自分があの立場だったら、
どう返せばよかったのか」
「どうすれば、あの怒りを和らげられただろうか」

まるで舞台に立つ役者のように、
頭の中で台詞を練り続ける。

😔 もちろん、私自身が怒られているわけではない。
それでも胸のざわつきはおさまらず、
しばらく仕事に集中できなくなることもある。

そんな自分を、
「情けないな」と思うこともある。
けれど同時に、
少しだけ誇らしくも思う。

💗 他人の痛みに敏感であることは、
誰かの気持ちに寄り添う力でもあるからだ。

🌱 繊細であることは、確かに生きづらさを伴う。
社会に出れば、
感情を切り離し、割り切ることが
求められる場面も多い。

すべての言葉に反応していては、
心がすり減ってしまう。

🛋️ だから最近、私は
心の中に 「クッション」 を持つことを
意識している。

言葉の刃が飛んできても、
すぐに心に突き刺すのではなく、
まずはクッションでやわらかく受け止める。

そしてその言葉が
本当に自分に向けられたものなのか、
それとも八つ当たりや感情のはけ口なのか。
少し距離を置いて、見極めてみる。

🩹 それでも、ときには
クッションをすり抜けた言葉の破片が
そっと心に刺さってしまうこともある。

そんなときは、
自分を責めないようにしている。

🌸 繊細さは、弱さに見えるかもしれない。
でもそれ秘密
優しさの裏返し でもある。

私は今日も、
心のクッションとともに、
自分の心のかたちと
少しずつ折り合いをつけながら生きている。

📘 社会や教育の現場でも、
「強さ」だけでなく「繊細さ」をどう守り、育てるかは
とても大切なテーマです。

拙著
『日本の英語教育のゆくえ』 (幻冬舎)では、
効率や成果だけでは測れない
「人の心」「学びの余白」「ことばが人に与える影響」についても
丁寧に考察しています。コラム「Sさんのお守りの秘密」など

繊細さを否定しない社会へ——
そのヒントを、ぜひ本書の中から
見つけていただけたら嬉しいです。

📖 次週の予告

(毎週水曜日更新です。ご期待ください!)

第4章 社会の中の「私」
― 他者とともに形づくられる〈私〉
【第24回】時代に翻弄されながらも、伝えるべきこと

エッセイ全体の目次はこちらです。

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