【エッセイ:第29回】🌸四季に学ぶ、生き方のかたち🌿
近年、地球温暖化の影響により、日本の明確な季節の移ろいが、かつてほど感じられなくなってきているのは実に残念です。それでもなお、この国には、変わらぬ四季の美しさが息づいています。
春には草木が芽吹き、山はやわらかな緑に包まれます🌱
やがて初夏へと移り、山々は生命の輝きをたたえた新緑に覆われます🌳
夏の朝夕には、金鈴のような声を響かせるヒグラシの合唱が山間にこだまし🔔、
秋には、まるで錦の織物のように色とりどりの葉が山を彩ります🍁
そして冬の山は、すべての音を吸い込むかのように、ただ白く、ただ静かに佇んでいます❄️
こうした季節の移ろいを、古の人々もまた、私たちと同じ思いで見つめてきたのでしょう。
人の営みは時代に翻弄されますが、自然の佇まいには変わらぬ普遍性があります。
以前、旅先の新潟で宿泊した温泉宿の風呂場近くの休憩所に、作者不詳の次のような言葉が掲げられていました♨️

四季の心
人に会う時は春のように暖かい心で
仕事をする時は夏のように情熱的な心で
物事を考える時は秋のように澄んだ心で
自分を戒める時は冬のように厳しい心で
その言葉にふと心を打たれ、湯に浸かりながら、これまでの自分の生き方を静かに振り返りました。
人と接する時、
私は春のような穏やかさとぬくもりを持てていただろうか。
仕事に向き合うとき、
夏の日差しのように全身全霊で取り組んでいただろうか。
何かを深く考えるとき、
秋空のように澄んだ心で見つめ直していただろうか。
そして、自らの弱さや過ちに対して、
冬の寒さのように凛とした態度で向き合えていただろうか――。
「四季の心」は、単に自然を愛でる言葉ではありません。
人としてどう在るべきかを、静かに教えてくれているように思います。
私たちは日々、多くの人と出会い、感情に揺れ、選択に迷い、ときに自分を見失いそうになります。
そんなときこそ、四季の心を思い出す。
そうすれば、自分の立ち位置を見つめ直し、揺れた心の針を静かに正すことができるのではないでしょうか。
現代社会は、忙しさと情報の洪水の中で、心の四季を感じる余裕を失いつつあります。
しかし、日本に生きる私たちには、四季が常に傍らにあり、その変化を五感で感じ取ることができるという恵みがあります。
自然の移ろいを感じながら、心にも四季を宿すような生き方をしたい。
四季の美しさを愛でること。
それは同時に、自らの心を整えることでもあります。
四季とともに歩む心を持ち続けること。
それは、日本人としての感性の根幹であり、人としての優しさや強さを育む道でもあるのでしょう。
これからも四季に寄り添い、心を丁寧に耕しながら、静かに、しなやかに生きていきたいと思います✨
📖 次週の予告
(毎週水曜日更新です。ご期待ください!)
第5章 記憶の中の風景
― 過去と現在が交差する瞬間
【第30回】命のたすきを受け取って
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