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井伏鱒二『珍品堂主人』読了

《井伏鱒二『珍品堂主人』読了》

書き込みがあり100円で購入した本。
書き込みがある本は割と好きだ。先日も書道のお手本を購入したら裏に小島と銘があった。果たしてどんな人でどんな場所、環境で使われていたのやらと想像すると面白い。
逆に自分が死んだ時のことも連想し、所蔵している本に蔵書印を押すかと悩みもする(まだ押したことはない)。

さて話は戻るがこの本を骨董の勉強になるかと思って買ったが、結果からするとその面では期待外れではあった。(当時の骨董界隈のやりとりやお金の動きなど観れるのは面白かった)

主人公は骨董屋から料理屋になり、最終追い出され骨董屋に戻るだけの話。
説明すると場面変化の少ない話のように感じるが、料理屋の中での働く女性たちの関係の怖さや、買い物のため遠方に出かける主人公目線の旅先での繋がりなど、小さい世界で周る世界観が当時の日本らしい。

派手な動きのないストーリーだが魅力的に感じるのは鱒二の文章能力の高さにあるのだろうか。言葉の表現が幅広く、カラフルな絵の具のようなイメージを持つ。

鱒二は元々芸術に興味があったが、兄から文学を勧められたそうな。兄ももしかすると鱒二の文学の才を早くから気づいていたかもしれない。

#小説 #文学 #読書 #書籍

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