すべてを理解されなくていい|指定難病と僕の「付き合う」働き方
さて、今日は私が「仕事と病気の両立」について、特に指定難病を抱えながら就労移行支援員として働く上で、日頃から気をつけている工夫についてお話ししようと思います。
あなたは今、職場でご自身の体調や事情を「どう周りに理解してもらえばいいか」「どう働けばいいか」と悩んでいませんか?
もしそうであれば、私の体験が少しでも参考になれば幸いです。
新しい職場で直面した3つの葛藤
私がこの問題に強く直面したのは、特に新しく支援員としての仕事を始める上でのことでした。 当時の私には、3つの大きな葛藤がありました。
「自分の病気のことを、どこまで、どうやって周囲に伝えるべきか?」
「支援員という、時には体力も求められる仕事で、自分は上手くパフォーマンスを発揮できるだろうか?」
「定期的な通院のための休みを、どうやって確保すればいいのか?」
新しいキャリアへの期待と同時に、これらの具体的な不安が頭をよぎり、板挟みになっているのを感じていました。
「変えられない」と感じた環境の壁
なぜなら、私が抱える病気は「指定難病」であり、その症状や辛さを言葉で伝えても、健常な方に完全に理解してもらうのは非常に難しかったからです。
特に「就労移行支援員」という(本来)人をサポートする立場上、「難病を抱える支援員が、本当にまともに働けるのか?」という周囲の目や、自分自身へのプレッシャーという「変えられない壁」にぶつかっていました。
発想の転換:「経験」こそが武器になる
従来の働き方では行き詰まる、そう感じていた時です。 ふと、原点に立ち返りました。
「そもそも、自分はなぜ支援員になろうとしたのか?」
それは、「同じように難病やハンディキャップを持ちながらも、『働きたい』と思っている人に対し、自分の経験がなにか力になるかもしれない」と思ったからでした。
その瞬間、こう考えが変わったのです。
「そうだ、この(病気の)経験こそが『一つの武器』になる。すべてを理解してもらわなくてもいいんだ」
大事なのは、100%の理解を求めて戦うことではなく、業務の制限がある中で、自分にできる働き方を模索していくことだと気づきました。
完璧をやめて始めた、3つの具体的な工夫
私は早速、完璧を目指すのをやめました。 この「気づき」の後に、具体的に始めたのは以下の3つのことです。
まず、自分自身の「取扱説明書」を作り直しました。 「自分ができること」「この状態になると危ないこと(兆候)」「危険な状態になった時に、具体的にどうして欲しいか(対処法)」を改めて考え、整理しました。
次に、周囲のスタッフへの「伝え方」を変えました。 病名を理解してもらうのではなく、「こういう作業は時間がかかるが、これなら貢献できる」「今日は体調が優れないため、この業務は明日に回したい」というように、「事実」と「具体的な提案」で伝えるようにしました。
最後に、自分のキャパシティを意識して仕事を引き受けるようにしました。 その日の体調や仕事のキャパを考え、時には依頼を調整したり、勇気を持って断ったりすることも「大事な仕事」だと割り切りました。
すべてを理解されなくても、道はある
この体験を通して、私は「仕事をする上で、すべてを理解してもらうことは不可能だ」ということを心から学びました。
大切なのは「理解させる」ことではなく、「ある程度(安全に働くために必要な)理解をしてもらう」ための工夫をすること。
完璧でなくてもいい。少しずつ着実に。
あなたが今、「環境」のせいで苦しんでいるなら、まずは「自分ができる小さな工夫」や「自分なりの伝え方」から始めてみませんか? この体験談が、あなたの一歩を踏出すきっかけになれば、とても嬉しいです。
