09.5-years cancer survival rates
“2016年全国がん登録生存率報告”を厚生労働省が公表しました。
この調査は、2016年にがんと診断された日本に住む人を対象に、5年後の生存率を初めて全国規模で集計したものです。
全国がん登録は、がん登録等の推進に関する法律に基づいて、がん対策全般を科学的知見に基づいて実施する為の基礎となるものです。
日本の全ての病院と都道府県に指定された診療所から、2016年以降にがんと診断された方の罹患や治療の情報及び予後情報を登録して管理し、がん対策等に資する研究に利用されます。
5年生存率は、2016年以降にがんと診断された方について、5年間生存した方の割合を算出するもので、毎年、国立研究開発法人国立がん研究センターで集計し、厚生労働省で取りまとめています。
現在、日本人の2人に1人は一生のうちに何らかのがんになると考えられています。
がんは、誰にとっても身近な病気です。
しかし、その病状や経過は、がんの種類やがんが見つかった時の状態やタイミングなどによって異なり、人によって様々です。
生活習慣や感染など、様々な要因でがんになると考えられています。
現在のところ、日本人に多いのは、受動喫煙を含む喫煙や過度の飲酒、塩分や塩辛い食品を取り過ぎる、野菜や果物を取らない、熱過ぎる飲み物や食べ物を取ることが多い等の食生活、太り過ぎ、痩せ過ぎ、運動不足などが原因になっています。
あとはウイルスや細菌への感染が がん の要因になる可能性もあります。
がんを完全に防ぐことはできませんが、禁煙すること、飲酒を控えること、バランスの良い食事を取ること、活発に身体を動かすこと、適正な体形を維持することなどの生活習慣の見直しや、がんの原因になることが分かっているウイルスや細菌への対策などによって、がんにならないように意識すれば、がんになりにくい状況にできる可能性があります。
一部の がん の発生にはウイルスや細菌への感染が関係している場合がありますが、基本的に がん は、遺伝子が傷つくことによって起こる病気です。
細胞の中にある遺伝子は、それぞれ決められた役割をもって働いています。
その役割の1つが、細胞の増殖とその抑制です。
正常な細胞は、身体や周囲の状態に合わせて遺伝子が適切に働くことにより、増えたり、増えることを止めたりしています。
その中で、正常な細胞が分裂する時などに偶然、遺伝子に傷が生じることがあります。
また、この傷は、喫煙、ウイルスや細菌などの感染、様々な化学物質、放射線などの外的要因によって生じることもあります。
この傷のことを遺伝子の変異と呼びます。
様々な原因で生じた遺伝子の変異によって、細胞が無秩序に増え続けるようになることがあり、このようにしてできた細胞の塊を腫瘍と呼びます。
腫瘍は、腫瘍を形作る細胞の増え方や広がり方の違いから、大きく悪性腫瘍と良性腫瘍に分けられます。
悪性腫瘍は、細胞が無秩序に増えながら周囲にしみ込むように広がる浸潤や、血管などを介して体のあちこちに飛び火して新しい塊を作る転移による腫瘍のことです。
放っておくと全身に広がり、身体に様々な悪い影響をもたらすので、ほとんどの場合は治療が必要になります。
悪性腫瘍…これが一般的に言う がん です。
一方、浸潤や転移をすることがなく、周りの組織を押しのけるようにしてゆっくりと大きくなる腫瘍を良性腫瘍といいます。
良性腫瘍には、生涯に渡って症状が出現しないものや、生命に影響を及ぼさないものもあります。
この為、腫瘍のできた場所や大きさ、種類などを総合的に判断し、必要に応じて外科治療(手術)を行います。
良性の場合は、完全に取り切ることができれば再発することはあまりないと考えられています。
ただし、良性のものをそのまま放置してしまうと時が経って悪性になってしまう場合があります。
がんという病気そのものが、咳やくしゃみなどの飛沫や、他人との接触などによって、人から人に直接伝染することはありません。
がんになる人の数と がん で死亡する人の数は年々増加していますが、その主な理由は、人口全体に対する高齢者の割合が増えていることです。
高齢化の影響を除けば、一定期間中に がん になる人の割合(年齢調整罹患率)は、2010年頃からほぼ横ばいになっており、がんで死亡する人の割合(年齢調整死亡率)は1990年代半ばをピークに減少しています。
治療法の進歩などにより、がんにかかった人の生存率は、多くの部位の がん で上がってきています。
すべての がん を根治することができるわけではないのですが、根治を目標とした治療を受けた後に、定期的な検査を受けながら、転移や再発をすることなく生活している人が増えてきています。
また、転移や再発をした場合でも、治療を受けながら社会生活を続けている人は増えてきています。
がんで死亡するリスクは、科学的根拠に基づくがん検診を受けることで減らすことができると考えられています。
がんの種類にもよりますが、一般的に、がんは進行するとより治りにくくなります。
がんそのものや がん の治療による身体への負担もより大きくなります。
科学的根拠に基づくがん検診を受けることで がん を早い段階で発見し、適切な治療を受けることが可能になります。
がん検診には、受診することによる がん による死亡のリスクの減少というメリットがあると同時に、放射線被ばくなどのデメリットもあります。
メリットとデメリットのバランスを科学的根拠に基づき吟味して、国が現在推奨しているのは、大腸がん、胃がん、肺がん、乳がん、子宮頸けいがんの5つのがん検診です。
がんは、がんが発生した細胞の種類によって、癌や肉腫、造血器腫瘍(血液のがん)などに分類されます。
癌は、体の表面や臓器の粘膜などを覆っている細胞(上皮細胞)… 大腸癌、肺癌、胃癌、乳癌、前立腺癌、膵臓癌、肝細胞癌、舌癌などがあります。
肉腫は、骨や筋肉などを作る細胞…骨肉腫、軟骨肉腫、脂肪肉腫、未分化多形肉腫、粘液線維肉腫、平滑筋肉腫などがあります。
造血器腫瘍(血液のがん)は、 白血球やリンパ球などの、血管や骨髄、リンパ節の中にある細胞 白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など があり、基本的には塊を作らずに増えますが、悪性リンパ腫では塊ができ、リンパ節などが腫れることがあります。
上皮に発生した がん がまだ上皮内にとどまっていて、基底膜を越えていない場合を上皮内がんといい、がん細胞が、血管などが多い間質に達していないので、転移していることはほとんどありません。
がん細胞は、細胞の遺伝子に変異が生じることによって発生しますが、正常な細胞ががん細胞になり、浸潤、転移をするようになるまでには、ほとんどの場合に複数の遺伝子変異が必要で、これを多段階発がんといいます。
これらの遺伝子変異は一度に生じるわけではなく、時間をかけて徐々に蓄積していくことがわかっています。
高齢になると がん になりやすくなるのはこの為と考えられています。
簡単に がん について御勉強してみましたが、ここで、15歳以上の5年生存率を一部だけ部位別に見てみます。
前立腺が92.1%、皮膚が91.1%、乳房が88.0%、子宮体部が79.0%、喉頭が75.2%、子宮頸部が71.8%、大腸が67.8%、腎・尿路が66.0%、胃が64.0%、膀胱が63.4%、口腔・咽頭が59.8%、肝臓が33.4%、膵臓が最も低い11.8%です。
ちなみに、15歳未満の小児がんの種類別の5年生存率は、網膜芽腫が97.6%、リンパ腫・リンパ網内系腫瘍が95.7%、胚細胞性腫瘍・絨毛性腫瘍・性腺腫瘍が90.2%、白血病・リンパ増殖性疾患・骨髄異形成疾患が82.2%、神経芽腫・その他類縁疾患が78.5%、中枢神経系・その他頭蓋内・脊髄腫瘍が60.8%でした。
部位によって大きな差が見られています。
早期発見された限局段階では胃がんが90.8%、大腸がんが91.6%と高い生存率を示す一方で、遠隔転移まで進行すると胃がんが6.0%、大腸がんが17.0%と著しく低下していることもわかっています。
この結果は、がんの早期発見や早期治療の重要性を改めて裏付けるものになりました。
日本に住む人の2人に1人が がん になる時代です。
なっても仕方ないし、ならなくてもまぁ普通…ぐらいの感覚でしょうか。
でも、いざ、自分がなるとショックなわけです。
それも自分がだけではなく、家族や近しい人にも負担になります。
長年、日本人の死因のトップを独走しているのが がん だからです。
2024年の死亡者数は全体で約160.5万人となっていますが、上位の5死因をみると、がん(悪性新生物)が約38.4万人と最も多く、続いて、心疾患が約22.6万人、老衰が約20.7万人、脳血管疾患が約10.3万人、肺炎が約8.0万人となっています。
日々の生活を整える重要性…、そしてなってしまっても、“まさか自分が…”ではなく、しっかり向き合って、諦めるのではなく早い対応を心がけて、残された時間を大切に楽しくして満足できる形で生きていきたいものだと再認識しました。
他者を大切にすると同時に同じぐらい自分のことも大切にしてあげたいものだなぁと思ったところで本日の御志事は終了です。
それにしても、5年というキーワードが出ると私なんかはこの曲のことばかり考えてしまいます。
David Bowieさんの「Five Years」…この文の〆に歌詞を見てみます。
“マーケット広場の人混みに分け入るとたくさんの母親たちがため息をついていた♪
ニュースがたった今届いたばかりだった♪
僕らには、泣く為にあと5年しか残されていないんだと♪
ニュースキャスターがすすり泣きながら告げた♪
地球は本当に死につつあります♪
泣き過ぎて、顔が涙でびしょ濡れだったから、彼が嘘をついているのではないとわかった♪
電話やオペラハウスやお気に入りの曲を聴き、少年たちの玩具、電気アイロン…、TVを観た♪
ぎっしり満杯の倉庫のように、僕の頭は痛んでいた♪
そこにあるもの全てを覚えておく為に、多くのものを詰め込まなければならなかったから♪
すべての太った人ややせっぽちの人も♪
すべてののっぽさんやおチビちゃんも♪
すべての名も無き人々も♪
すべての名の通った人々も♪
こんなにもたくさんの人々を必要としていたなんて、今まで思ってもいなかった♪
僕と同じ年頃の女の子は気が振れたようで、小さな子どもたちを引っ叩いていた♪
黒人が無理矢理、引き離さなければ、彼女は子どもたちを殺してしまったかもしれない♪
腕の折れた1人の兵士が、キャデラックのハンドルをじっと見つめていた♪
お巡りが跪き、司祭の足に口づけしていた♪
そして、その光景を見たホモが嘔吐した♪
僕は君をアイスクリームパーラーで見たと思う♪
冷たく長いミルクセーキを飲みながら♪
微笑み、手を振り、とても可愛いらしかった♪
まさか、この歌に出てくるとは思ってもなかったよね♪
寒くて雨が降るから、僕は役者のような気分になった♪
母のことを考えると、彼女のもとへ帰りたくなった♪
あなたの顔、あなたの人生、あなたの話し方…キスをするよ♪
あなたは綺麗だ、また一緒に歩きたい♪
あと5年しかない、眼に焼き付いてる!
あと5年しかない、まったく何てことだ!
あと5年しかない、頭がひどく痛む!
あと5年しかない、それが全てだなんて!
5年間!”
1972年の作品『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars(ジギー・スターダスト)』のオープニング曲の「Five Years」。
David Bowieさんもまた肝臓癌で亡くなられました。

理由はよくわからないけど、地球はあと5年で寿命が尽きるという事実が判明した時の人々の様子をメランコリックに描いた作品。
語り手は1人の青年で、絶望した人々の様々な行動を見ながら、それまでの何気ない日常の光景や、それまであまり好きじゃなかったものまでを含めて、疎外感を抱いていたであろう社会に対して、突然、愛おしく感じて、全てを思い出に留めようとする青年の心情に何かグッときます。
確かに がん(それが上皮内に留まってても)という診断を受けると急に人生が…生き方が逆算に変わります。
それまでは前だけ見て歩いてきたのに、急にガラッと世界の見方が変わる体験。
変な野望や欲望は薄まり、今の自分やこれまで関わってきた人たちとのこれからの残された時間を大切にしたいと思うようになります。
まぁ、それからが本当の意味で、良い意味で、人生を正しく生きれるんじゃないかな…なんて、なかなかジックリ考えさせられる曲です。
でも、5年なんて言わず、もっと生きてやろうじゃないかなんて考えたところで、本当に本日の御志事は終了です。
