今更ですが、『チェンソーマン レゼ編』感想(➕妄想画集)
──甘さと艶、そして裏切りが残した余韻
12月中旬、ようやく『チェンソーマン レゼ編』を劇場で観ることができました。

原作漫画は数年前に読んでいますが、正直なところ細かな内容はほとんど覚えておらず、ほぼ初見に近い状態での鑑賞です。
同じ藤本タツキ作品では、『ルックバック』も映画館で観て非常に良かった記憶があり、今回も自然と期待値は高めでした。
結論から言うと、感情の余韻がしっかり残る、印象的な映画体験だったと思います。
⸻
良かった点①
レゼ役・上田麗奈さんの演技が圧倒的
まず真っ先に挙げたいのが、レゼの声を演じた上田麗奈さんの存在感です。

表向きの無邪気さ、甘さ。
そこからふと覗く艶や冷たさ、裏の顔。
この二面性が、声のトーンや間の取り方だけで明確に伝わってきました。
特に、甘々な雰囲気から一瞬で空気が切り替わる瞬間の演技は、本当に見事だったと思います。
「本当は、少しはデンジのことが好きだったのか?」
そんな疑問が鑑賞後に自然と浮かび、答えが出ないまま余韻として残る。その曖昧さこそが、この物語の魅力だと感じました。
⸻
良かった点②
状況が一変する“瞬間”の演出が秀逸
『レゼ編』は、一瞬で世界の見え方が変わる場面が非常に印象的です。
• 雨の中の学校の屋上のシーン

• 花火のシーン

• 浜辺での再びのハグからの…
• ラストの路地裏

• そして、あの悲しい結末からの最ラストのパワー登場

などなど。
どれも、直前のシーンの印象に浸らせず、それを裏切るような展開が引きとして強力でした。
観ている側が無意識に抱いた淡い期待を、容赦なく裏切ってくる構成が、とてもチェンソーマンらしいと感じました。

特に花火と浜辺のシーンは、同じモチーフを使いながら、前半と後半で意味合いが微妙に変わっているのが印象的です。
幸福と不穏、希望と絶望が、紙一重で隣り合っている感覚がありました。

⸻
良かった点③
ティザーPVとの印象の違いが良い方向に作用
YouTubeで公開されていたティザーPVや主題歌
(米津玄師、宇多田ヒカル、マキシマムホルモンの歌は全て良かった🎵)
の映像は、何度も観ました。
その影響で、鑑賞前は「甘い恋愛要素」と「派手な戦闘」が強い作品というイメージを持っていました。
ですが実際に観てみると、印象は少し違います。

確かに甘さもあるし、戦闘も派手です。
ただそれ以上に、レゼの裏の顔や、艶のある雰囲気とのコントラストが非常に丁寧に描かれていました。
このコントラストがあるからこそ、甘い時間がより切なく、裏切りがより深く刺さる。

ティザーPVでは伝わりきらなかった部分を、映画本編でしっかり味わえたのは大きな収穫でした。
⸻
個人的に少し気になった点
戦闘シーンがやや長く感じた

これは好みの問題ですが、戦闘シーンが少し長く感じたのは正直なところです。
映像のクオリティやアクションの迫力自体は最高でした。
動きも演出も文句なしです。
ただ、個人的には戦闘シーンは20%程ギュッと削った方が見やすかったかな、と思います。
とはいえ、これはあくまで自分の好みの問題です。

⸻
今後への期待と雑感(藤本タツキ原作)
今回の『レゼ編』を観て、改めて今後への期待も膨らみました。
• チェンソーマン 刺客編への期待
• 『ルックバック』の実写化には少し不安
• 『さよなら絵梨』の映画化や実写化しそう
• 『ファイアパンチ』『チェンソーマン第二部』もそろそろ読まねば(だったら読め)
藤本タツキ作品は、どれも「感情を整理する前に次の展開が来る」独特のリズムがあります。
そのリズムが、映像作品としても成立していることを、今回改めて実感しました。

⸻
まとめ
『チェンソーマン レゼ編』は、
甘さ・艶・残酷さが絶妙なバランスで同居した、余韻の残る映画でした。
そんな作品が好きな方には、間違いなく刺さる一本だと思います。






