【学校では教わらないシリーズ#04】“できない日”も、人生の一部。
「できない日」を責めないことも、立派なスキルです。
いつも読んでくれて、ありがとうございます。
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「24時間戦えますか?」
こんなキャッチフレーズのCMが流れていたのは、昭和の終わり頃。
体力、気合い、根性。それが「いい社会人」の条件だった時代。
今思えば、ものすごい言葉だなと思います。
でも当時は、その“戦える自分”こそが強さであり、正解とされていました。
そんな空気の中で育ったわたしたちは、大人になっても、
つい「がんばる=正しい」「止まったらダメ」と思い込んでしまいがちです。
少し体調が悪い日も、なんとなく気分が落ちる日も、
「ちゃんとしなきゃ」と自分を奮い立たせてしまう・・・。
でも、ほんとうにそれ、必要なんでしょうか?
いま、令和の時代を生きているわたしたちにとって
本当に必要なのは、
「ちゃんとする力」より、「ちゃんとできない日をゆるす力」かもしれません。
こんにちは。ピアノ講師・メンタルコーチの One Heart です。
今日は、マガジン 『学校では教わらない、生きるスキル。』 のnoteをお届けします。
隔週木曜日を投稿予定でお届けしています。
ふらっと立ち寄る感覚で、あなたのペースで読み進めてもらえたらうれしいです。
調子が出ないのは、あなたが悪いんじゃない
昭和の時代には、「戦えること」「頑張り続けられること」が当たり前のように求められていました。
「24時間戦えますか?」と言われて、「はい!」と答えるのが“正しい大人”だった空気。
それは、社会全体が高度経済成長を経て、「止まること=置いていかれること」と思われていた時代背景もあるのだと思います。
でも、いまは違います。
わたしたちは、令和という新しい時代を生きています。
どんなに科学が進んでも、AIが発展しても、人間の身体は「自然の一部」であることに変わりはありません。
日々揺らぎながら、波があるのはあたりまえ。
調子が出ない日があって当然なんです。
たとえば、
生理周期やホルモンバランスの影響で、気分が落ち込む時期がある
自律神経が乱れて、寝ても疲れが取れないことがある
天気や気圧の変化で、頭が重くなる日がある
季節の移り変わりに、心と身体がついていけないこともある
そして、年齢を重ねればなおさら、身体のリズムは敏感になります。
たとえば更年期。
ホルモンの急激な変化は、感情の揺れや、倦怠感、焦燥感としてあらわれますよね。
こうした「ゆらぎ」は、
サボっているからでも、メンタルが弱いからでもなく、むしろ「ちゃんと生きている証拠」。
でも・・・
社会の価値観や昔ながらの自己評価基準が頭のどこかに残っていると、
「今日はダメだ」「また怠けてしまった」と、自分を責めてしまうんですよね。
以前のわたしも、そうでした。
気分が重くても、「とにかくやらなきゃ」とむりやり予定をこなす。
終わったあとにはどっと疲れて、自己嫌悪。
休んだ日には、「何もできなかった」と罪悪感。
でも、あるときふと思ったんです。
「あれ? この“調子が出ない感じ”、前にもあったぞ?」
「・・・もしかして、定期的に来てる?」
そうして、生理周期や気候の変化、自分の睡眠状態などを振り返ってみたら、驚くほど身体にはちゃんと“波”があることに気づきました。
つまり、「がんばれない日」は、ただの“気分の問題”ではなく、
身体が出しているサインかもしれないということ。
そして、そこにきちんと耳を傾けられることこそ、
これからの時代に必要な“生きる力”=生きスキルなのではないかと思うようになったのです。
“やらなきゃ”が止まらない理由〜脳と性格のしくみ
調子が出ない日、なんとなく身体が重たい日。
「今日はあまり無理せずに過ごそう」・・・そう思いたいのに、
心のどこかで聞こえてくる声があります。
「でも、やらなきゃいけないでしょ?」
「みんな頑張ってるのに、自分だけ休むなんて…」
「やる気が出ないのは、甘えてるだけかも」
そうやって、“やらなきゃ”と“できない”の間で板挟みになる。
まさにあの感覚。
ぐるぐると出口のない思考ループに入り込み、さらに消耗。
どうして、「やらなきゃ」がそんなに強く出てくるのだろうか?
その背景には、脳の働きと、わたしたちが身につけてきた“思考のクセ”が関係しています。
「変化=危険」と判断する脳
人間の脳には、“安心・安全を優先するしくみ”が組み込まれています。
とくに「扁桃体(へんとうたい)」という原始的な部位は、変化や違和感を“危険”ととらえ、身を守ろうと反応します。
これは、昔の人間が「ちょっとした違和感=命の危機」につながっていた時代の名残。
たとえば、草むらがサラッと動いたときに「気のせいかな」とスルーしていたら、
それが蛇や猛獣だったかもしれない・・・そんな時代の防衛本能です。
だからこそ、今のように「なんだか今日はいつもと違う」「身体が重い」と感じたとき、脳は過剰に反応してしまうんです。
「戻れ!元の状態に戻るんだ!」
「このままではダメになる!」
この焦りや違和感が、「やらなきゃ」「なんとかしなきゃ」という思考を引き出します。
でもそれは、あなたがダメになっているのではなく、脳が“守ろうとしてくれている”だけ。
そして、その反応に気づいて「今は落ち着いて大丈夫」と伝えてあげることも、“生きスキル”のひとつなんです。
真面目で優秀だった人ほど、苦しくなる構造
「ちゃんとしなきゃ」「今日も成果を出さなきゃ」と、
自分を責めたり追い立てたりする声が強い人ほど、
実は・・・これまでずっと“ちゃんとしてきた人”なんです。
たとえば・・・
子どものころから「しっかり者」と言われてきた
成績もよく、期待に応えることが多かった
人前で弱音を吐くことが苦手
頼まれると断れない
スケジュール通りに進めないとソワソワする
そんな、“まじめで優秀”な人ほど、休むことに罪悪感を持ちやすいんです。
これには理由があります。
そういう人たちは、小さなころから「ちゃんとすること」で評価され、
そのスタイルで生きてきたから。
がんばることで乗り越えてきたし、
期待に応えることで信頼を得てきた。
つまり・・・「がんばること=自分の価値」というセルフイメージが強く根づいているのです。
だからこそ、
今日みたいに調子が出ない日や、身体がしんどい日、
「どうしても動けない」と感じる日には、
ものすごく不安になってしまう。
「このまま何もできなかったら、どうしよう」
「怠けグセがついたら怖い」
「みんなが進んでいるのに、自分だけ止まってる感じがする」
そんな思考がぐるぐるとめぐり、
“がんばれない”という現実そのものより、
「がんばれない自分を責めること」でさらに苦しくなってしまう。
でもね・・・
これだけは、はっきりと言っておきたいんです。
「がんばれない日がある」=「がんばれない人」ではありません。
今日がしんどいからといって、あなたの価値が下がるわけではないし、
やる気が出ないからといって、それまでの努力が消えるわけでもありません。
むしろ、あなたの中に
「ちゃんとしたい」という気持ちがあるからこそ、
「できない自分」に違和感を感じるんですよね。
でもそれは、あなたが怠け者だからではなく・・・
ちゃんと生きようとしてきた証なんです。
がんばれない日に、自分をゆるす3つのコツ
がんばるのは、きっと、あなたの得意分野。
でも実は、「がんばらない」と決めることにも、同じくらいエネルギーがいります。
がんばらないことに、まだちょっと抵抗がある。
それでも、身体が明らかに重たい、心がついてこない。
そんな日は、「意志の力」よりも、「選択の力」を使うとラクになります。
🌿がんばらない日は、「自分で選ぶ」と決める
たとえば、こんなふうに心の中で言ってみるんです。
「今日は“がんばらない日”にする」
「今は、“休むほうが大事な日”なんだと思う」
「ちゃんとしない自分を、今日はそのままにしてみよう」
たったこれだけでも、驚くほど心がゆるみます。
不思議なもので、「できない・・・どうしよう・・・」と落ち込むときは、
無意識のうちに“何かにやらされている”感じになっているんです。
でも、「わたしが選んだ」と思えるだけで、
主体性が戻ってきます。
自分の中に“舵(かじ)”が戻ってくる感じ。
☕“何もしない日”にも、できることがある
「がんばらない」とは、“何もしない”こととイコールではありません。
むしろ、自分を整えるための静かな時間に
小さな手間をかけてあげること。
たとえば・・・
ぼーっとお茶を淹れて、香りを感じてみる
お気に入りの音楽を、ただ聴いてみる
ふだん後回しにしていた体のケア(ストレッチ、湯船にゆっくり浸かる)
ジャーナリングで「いまのわたし」を言葉にしてみる
何かを“生み出す”とか、“進める”ことじゃなくていい。
「いまの自分を、置き去りにしない」ことが、いちばん大切です。
📓ジャーナリングのすすめ。まずは一行でも
調子が出ない日こそ、書くことが力になります。
といっても、大それたことを書く必要はありません。
「なんかだるい」
「今日、雨のせいかな」
「ちょっと焦ってる自分がいる」
たった一行でも、「自分の気持ちを見える化」するだけで、
脳が少し落ち着きます。
思考を“観察”することで、思考に巻き込まれなくなるからです。
🌙“調子が出ない日”は、回復と再起動のための時間
自然界には、必ず“休止”の時間があります。
波も、風も、植物の成長も、月の満ち欠けも。
ずっと同じではなく、ゆるやかなサイクルで巡っています。
それなのに人間だけが、毎日100点を出そうとしてしまう。
でも、身体はそんなふうにはできていません。
“がんばれない日”があるからこそ、また“がんばれる日”がくる。
だから、今日は「やらないことを選ぶ日」として、大切に扱っていいんです。
“ちゃんとできない日”にも意味がある
誰にだって、「今日はダメだ・・・」と感じる日があります。
でも、思い返してみてください。
そんな日でも、時間は流れていたし、
心も身体も、静かに何かを処理していたはずです。
たとえば、泣いた日は、何かを手放した日かもしれない。
立ち止まった日は、無意識のうちに方向を修正していたのかもしれない。
つまり、“何もできなかった日”というのは、実は「見えない前進」をしている日でもあるんです。
わたしたちは、つい“目に見える成果”や“がんばった証”を探してしまいます。
でも、「自分をちゃんと扱った日」もまた、人生における立派な一歩。
それは、誰かの評価のためじゃなくて、
自分とちゃんとつながって生きていくための、大切な実践です。
今日は何もできなかった、と思ったその日。
実は、「自分の声を、聞こうとした」日だったのかもしれません。
これまでずっと、ちゃんとしてきたあなたへ。
これからの時代に必要なのは、
ずっと走り続ける力ではなく、
「自分のペースで、波とともに進む力」です。
その日その日のリズムに耳を傾けながら、
ときに止まり、ときに揺れ、ときに休む。
そんなふうに生きていくことを、
わたしは「柔らかい強さ」だと思っています。
次回予告
そして次回の「生きスキ#5」では、
その“リズムの正体”・・・ホルモンや季節、自律神経など、
「わたしたちの身体がゆらぐしくみ」について、もう少し深く見ていきます。
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がんばれない日を責める代わりに、
なぜその日が訪れたのかを、身体の視点から一緒に見てみましょう。
今日も、生きているあなたへ。
がんばらない時間も、大切な“生きるスキル”のひとつです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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