【密なる自己対話#16】結果が気になりすぎる日の、心の結び目
こんにちは。ピアノ講師・メンタルコーチの One Heart です。
この場所に立ち寄り、読んでくださること。
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それぞれの距離感で、わたしのnoteを読んでくださっていることに、あらためて・・・ありがとうございます。
忙しい日常の中で、わざわざ立ち止まって文章を読むという選択をしてくださること。
その静かな行為そのものが、わたしにとっては、とても大きな励みになっています。
さて、このマガジン『密なる自己対話』では、いま「執着」というテーマについて書いています。
答えを出すためでも、正しい在り方を学ぶためでもなく、
いま、内側で起きている感覚にそっと気づくための連載です。
今回のテーマは、「結果が気になりすぎる日の執着」。
仕事の成果。反応。数字。評価。
「うまくいったかどうか」が、ふとした瞬間に気になってしまうことってありますよね。
「頑張りたい」
「ちゃんとやりたい」
「形にしたい」
どれも、とても自然な気持ち。
むしろ、真面目に生きている人ほど、持ってしまう願いかもしれません。
それなのに・・・
この気持ちが強くなりすぎると、
心が少しずつ、疲れてしまうことがあります。
結果が出ないと落ち込んだり、
反応を見て気分が上下したり、
休んでいるのに、頭の片隅でずっと考えてしまったり。
「気にしすぎだよね」
「執着してるだけだよね」
そんなふうに、自分に言い聞かせてきた人もいるかもしれません。
「どうして、いま結果が気になっているんだろう」
「この心は、何で安心したがっているんだろう」
そんな問いを、静かに置くところから始めてみたいと思います。
✧✧✧
成果が気になる。反応が気になる。数字が気になる。
頑張っている人ほど、気になってしまうんですよね。
「もっとやらなきゃ」
「わたしだけ止まってる気がする」
「結果が出ないのは、わたしがダメだから?」
こんなふうに思いがちですが・・・。
そんなことないので、安心してくださいね。
成果が気になるのは、あなたが真面目だからです。
そして真面目な人ほど、成果と安心が結びつきやすい。
今日の“執着シリーズ”第3回は、「成果や仕事の執着」を扱います。
ただし、深掘りしすぎず、疲れているときでも読めるくらいの浅瀬でいきます。
深海には潜りません・・・笑。
執着という言葉は重たく聞こえるかもしれませんが、今回の執着は少し身近です。
たとえば、
結果が気になって落ち着かない
休むと罪悪感が出る
“ここまでやらないと”が止まらない
何をしていても、頭の片隅で成果のことを考えてしまう
このあたりの「あるある」から入っていきます。
✧✧✧
成果の執着って、“静かに”始まることが多い
成果が気になる人ほど、真面目で、ちゃんとやりたい人が多いと思います。
だから執着は、「結果を出すぞ!」と熱くなるよりも、もっと静かに、じわっと始まります。
たとえば、こんなふうに。
いつもより反応が少ない。……あれ?
予定どおりに進まない。……間に合うかな?
だれかの成果が目に入る。……わたしは何してるんだろう
この「……」の間に、心は勝手に物語を作り始めます。
(脳って、暇だとすぐ脚本家になります。)
「わたしのやり方が悪いのかも」
「もっと頑張らないと」
「置いていかれるかも」
執着の対象は、実は“成果そのもの”ではないことが多いんです。
成果って、もちろんほしいし、出たらうれしい。
でも本当は、成果がほしいというより、成果がくれる安心がほしいんだと思うんです。
成果が出たら、安心できる
成果が出ないと、落ち着かない
認められたら、ホッとする
認められないと、居場所がなくなる気がする
つまり、握りしめているのは成果ではなく、「安心のお守り」。
このお守りを握っていると、心はしばらく落ち着きます。
だから、手放しにくいんですよね。
でも・・・ここからが大事なところ。
成果で安心を買う癖がつくと、成果が出ない日は心が休めません。
落ち着かないから手を動かす。
手を動かすけど落ち着いていないから、うまくいかない。
このループが始まるんです。
✧✧✧
焦りが増えると、なぜミスが増えるのか
焦ると、つい思うんですよね。
「よし、もっと頑張ろう」
「手数を増やせば、なんとかなる」
でも焦りって、やる気の燃料というより、視野を狭くする霧みたいなものです。
やる気が増えるというより、“今ここ”が見えにくくなる。
焦っているとき、心はだいたい未来へ飛んでいます。
これがダメだったらどうしよう
間に合わなかったらどうしよう
失敗したらどうしよう
期待に応えられなかったらどうしよう
未来へ飛ぶほど、人は「目の前の作業」が雑になります。
これは性格の問題というより、脳の働きとして起きやすいんです。
本当は、目の前のひとつに集中すればいいだけなのに、
焦りは「同時にいろいろ」やらせようとします。
あれも足りない。これも足りない。
もっと詰めて、もっと早く・・・。
その結果、どれも中途半端になったり、ミスが増えたりする。
さらに、焦りが強いときほど、時間が気になります。
時計を見る回数が増える。残り時間を計算し始める。
「あと◯分でここまで」と、未来にノルマを置いてしまう。
時計が気になり出したら、心はもう“今”にいません。
こうなると身体も締切モードに入って、呼吸が浅くなったり、手が固くなったりします。
焦りが増える → 身体が固くなる → 動きが雑になる → ミスが増える → さらに焦る。
このループは、努力や根性で突破しようとすると、焦りに焦りを足してしまって、霧が濃くなります。
だから、成果の執着が強い日に必要なのは、気合いの追加というより、霧を薄くすること。
まず「焦ってるんだな」と気づいて、視野を広げ直すことです。
✧✧✧
ピアノ練習に出る“成果の執着”
ピアノって、成果の執着がわかりやすく表に出ます。
「今日はここまでやりたい」
「あと◯分あるから、ここまで仕上げたい」
そうやって、ゴールを“時間”にくっつけた瞬間に、なぜかミスが増える。
(楽器練習したことある人、あるあるですよね・・・)
たとえば、いつもなら通るはずのパッセージで指が引っかかったり、急に音が濁ったり、手が固くなったり。
弾き直しても、なぜかうまくいかない。
焦って、もう一度。さらに崩れる。
これ、経験がある人は多いと思います。
不思議なんですよね。
練習してきたのは同じ曲、同じ自分、同じ鍵盤。
なのに、時計が気になり出した途端、別人みたいに弾けなくなる。
でも、ここで起きているのは、才能の問題でも根性の問題でもなくて、さっきの章で話した「未来へ飛ぶ」現象そのものだと思っています。
時計が気になる。
「あと◯分で終わらせなきゃ」
「ここまでいかなきゃ」
そう思うほど、意識は“いま弾いている一音”から離れていきます。
目の前の一音じゃなくて、
「終わりに間に合うか」
「仕上がった自分になれるか」
そっちへ心が持っていかれる。
そうなんです・・・。
焦りは、音楽の呼吸を奪ってしまう。
呼吸が浅くなると、身体が固くなる。
身体が固くなると、細かいコントロールが効かなくなる。
するとミスが増える。
ミスが増えると、さらに焦る。
このループは、本当にあっさり起きます。
あまりにも簡単に起きてしまうんです。
そして、こういう日ほど「もっとやれば何とかなる」と思って、さらにつめこみたくなるんですよね。
でも、つめるほど霧は濃くなる。
だから最近のわたしは、逆をやっています。
「今日はここまで」と決めてあえて練習を切り上げる。
明日にのばす。
“いま”の身体と相談して、練習を終わりにする。
最初は、罪悪感もありました。
「まだやれるのに、やめるなんて」
「中途半端じゃない?」
そんな声が出る。
でも、続けてみてわかったことがあります。
切り上げるのは、負けではありません。
切り上げるのは、整える選択です。
“やめる”というより、“預ける”に近い。
今日の自分に、全部を背負わせない。
明日の自分に、続きを託す。
すると、次の日に不思議なくらい通ることがある。
前の日に詰めていたときより、あっさり弾けたりする。
これもまた、「頑張りが足りない」じゃなくて、
心と身体が整った状態のほうが、力が出る・・・というだけの話なんですよね。
これ、勉強でも似たことが起きますよね。
「今日中にここまで」と追い込むほど、頭に入ってこない。
だからあえて切り上げる。
すると次の日、昨日の分がちゃんと馴染んでいる。
あれと同じことが、練習でも起きている気がします。
✧✧✧
成果は追ってもいい。わたしを置き去りにしない
ここまで読むと、「じゃあ成果を追わない方がいいの?」と思うかもしれません。
でも、成果を出したい気持ちは自然なこと。
仕事でも、発信でも、ピアノでも。
上達したい、届けたい、形にしたい。そこには健全さがあり、また誠実な思いがあります。
問題は、成果を追うこと自体ではなくて、
成果で自分を採点し始めること。
成果が出た日は、わたしは合格。
成果が出ない日は、わたしは不合格。
この採点表を心の中に置いた瞬間から、心は休めなくなります。
成果でわたしの価値を測り始めると、どんな成果も足りない、と感じてしまいます。
なぜなら、安心が外側にある限り、安心はずっと揺れるから。
ピアノの話でいえば、「今日うまく弾けた」だけでは安心できなくて、
「明日もうまく弾けるか」がすぐ気になってしまう。
仕事の話でいえば、「今日できた」だけでは安心できなくて、
「次もできるか」「この先も続くか」に不安が移っていく。
つまり、成果が問題というより、
安心の置き場所が外側に固定されていることが苦しさを作るんです。
だから、今回の回でいちばん持ち帰ってほしいのは、これです。
成果は追っていい。
でも、わたしの価値は連れていかない。
成果が出ても出なくても、
あなたの価値が上下するわけではありません。
(ここはきれいごとじゃなくて、しくみの話です。)
✧✧✧
まとめ。結び目は、気づくとゆるむ
今日のまとめです。
成果の執着は、努力不足の証拠ではありません。
むしろ、真面目にやっている人ほど起きやすい。
焦りが増えると視野が狭くなって、ミスが増える。
時計が気になり出したら、心は“いま”にいない。
だから、あえて切り上げることが「整える選択」になる日がある。
そして最後に。
このシリーズの第1回で書いた「心の結び目」に、戻りますね。
執着は、心の結び目。
結び目は、悪者じゃありません。守ろうとした跡あとです。
ほどく第一歩は、責めることではなく、気づくこと。
「いまわたしは、成果で安心を買おうとしてるな」
そう気づけたら、少しだけ霧が薄くなります。
成果を追ってもいい。
焦る日があっても、大丈夫。
ただ、わたし自身は連れていかない。
結び目に気づけた瞬間、もう少しだけ、息がしやすくなります。

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この回で丁寧に見ていきます。
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