「頑張ってますよね。」塾長の一言が苦しかった。
みなさんは、
先生との面談で、
どんなお話をしますか?
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その日は、
塾の面談でした。
塾長との面談は初めて。
「何を言われるんだろう。」
そんな気持ちで席に座りました。
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すると塾長は、
少し言いづらそうに、
言葉を選びながら口を開きました。
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👨🏫「頑張ってます……よね。」
塾長は成績表を見ながら、
少し言葉を探すように言った。
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私は思わず苦笑いした。
頑張っていないわけじゃない。
でも、
頑張っているとも言い切れない。
そんな微妙なところにいる。
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👨🏫「どうですか?家での様子は。」
そう聞かれた。
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👩「朝5時半から友達と遊んでいます。」
👩「放課後も遊んでいます。」
👩「塾の日も塾まで公園にいます。」
👩「夜は9時には寝ています。」
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👨🏫「え、朝から遊んでるんですか?」
先生は少し驚いた表情をした。
私は、
運動会の朝練が終わったあとも、
毎朝友達と遊んでいることを話した。
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👨🏫「遊びは大事です。」
👨🏫「勉強だけだと逆に弱くなりますから。」
👨🏫「抜くところは抜かないと。」
私は少し安心した。
でも、先生は続けた。
👨🏫「ただ……少し多いかな。」
👨🏫「朝やるか、夜やるか。」
👨🏫「フレームができるといいですね。」
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先生は娘の答案用紙を
印刷して持ってきてくれていた。
👨🏫「惜しいですよ。」
そう言いながら、
大問1の計算問題を指差した。
図も描けている。
式も立てられている。
考え方も合っている。
でも。
最後の答えだけ違った。
9。
正解は11。
原因は最後の引き算だった。
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👨🏫「途中まではできていると思うんですよ。」
👨🏫「分かっていると思うんですよね。」
👨🏫「すごく惜しいです。」
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娘は今でも、
繰り上がりや繰り下がりの計算ミスをする。
問題が分からないわけじゃない。
解き方が分からないわけでもない。
でも、最後で落とす。
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👨🏫「回答用紙の書き方はどうですか?」
👩「あっちこっちに式を書きます。」
👩「筆算もバラバラです。」
👨🏫「文字も少し読みづらいかもしれませんね。」
👩「そうですね。」
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実はこれ、
4年生の頃からずっと言われていることだ。
式の書き方。
問題用紙の使い方。
見直ししやすい書き方。
計算ミス。
どれも新しい課題ではない。
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先生がふと言った。
👨🏫「4年生の時は僕が算数を見ていましたが。」
👨🏫「間違えることが少し怖いのかな。」
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私は思わず、
先生よく分かってるなあと思った。
👩「そうですね。」
👩「間違えると全部消しちゃいます。」
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すると先生は言った。
👨🏫「残してほしいです。」
👨🏫「解き筋を。」
👨🏫「自分がどこで間違えたのか。」
👨🏫「それが分かりますから。」
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そのことは、
私も分かっていた。
間違えたところを残した方がいいことも。
どこでつまずいたのかを見ることが大切なことも。
でも娘は消してしまう。
何度伝えても。
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先生の話を聞きながら、
私は思っていた。
結局、
4年生の頃から指摘されていることは
変わっていない。
娘はまだ、
基本的なところでつまずいているのだ。
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さらに先生は、
こう続けた。
👨🏫「理解できているか、
ぜひ聞いてあげてください。」
👨🏫「『どうやって解いたの?』って。」
👨🏫「説明できるってことは、
理解できているってことです。」
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胸に刺さった。
新しい話ではなかった。
私もずっと感じていたことだった。
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そんな話の途中、
夫が言った。
👨「本当はポテンシャルあると思うんですよね。」
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私は少し驚いて隣を見た。
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すると先生はうなずいて言った。
👨🏫「志望校は全部射程圏内ですよ。」
👨🏫「ただ。」
👨🏫「今のクラスの
一番前の席にはいてほしいです。」
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娘は今回、
真ん中の席だった。
その一言に、
今の娘の現在地が詰まっているように感じた。
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寝る前に理社の暗記をして、
翌朝確認するなど、
と具体的に教えてくれた。
👩「今は寝る前は漫画を読んでます。」
👨🏫「漫画は何読んでるんですか?」
👩「コナンです。」
すると先生は、
「あー……。」
という顔をした。
👨🏫「コナンかぁ……。」
苦笑。
少し頭を抱えてた。
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面談の帰り、ずっと考えていた。
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去年の私は、
先生や塾やセミナーで言われたことを、
そのまま娘に伝えていた。
「先生がこう言ってたよ。」
「こうした方がいいって。」
そう言われるたびに、
娘は不機嫌になる。
👧「ママうるさい!」
反抗する。
私はイライラする。
そして、
また口調が強くなる。
そんな毎日の繰り返しだった。
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だから私は、
親業を学び始めた。
「受験は娘の課題。」
「私の課題じゃない。」
そう自分に言い聞かせながら、
必死に「見守る」を覚えてきた。
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なのに、
先生の話を聞いていると、
また去年の私に戻ってしまいそうだった。
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先生の言葉を、
娘にどう伝えたらいいんだろう。
それとも、
伝えない方がいいんだろうか。
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その時の私は、
まだ答えを見つけられなかった。
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今日も、揺れながら母をしています。
はじめまして。
5歳の男の子と10歳の女の子を育てながら、
毎日悩んで、揺れて、少しずつ前に進んでいる母、みおです。
このnoteでは、中学受験や子育て、夫婦のこと、自分の心のことを、正解探しをやめた視点で書いています。
同じようにしんどさを抱えている方の、少しの休憩場所になれたらうれしいです。

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