「受験やめる!」娘が泣いて、私も泣いた。
みなさんは、
お子さんと、
どんなふうに勉強していますか?
⸻
私は、塾の面談で言われた言葉が
頭から離れませんでした。
「どうやって解いたのか、
聞いてあげてください。」
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夕方、娘がやった国語の宿題を見ると、
ほとんど正解していました。
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少し聞いて、
娘が答える。
それだけだから、
すぐ終わると思っていました。
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でも、
その15分後。
私は娘と、
受験をやめるかもしれないほどの
大げんかをすることになるなんて、
思ってもいませんでした。
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⸻
⸻
👩「これ、どんな話だった?」
👧「ゴリラの話。」
すると娘が言った。
👧「ママ、解説するから聞いててね。」
👩「うん。でもママ、一回本文読んでもいい?」
👧「じゃあ、一緒に読もう。」
私と娘で交代しながら、本文を読んでいく。
⸻
注釈のある言葉が出てくるたびに聞いた。
👩「これ、意味わかる?」
👧「わかんない。」
後ろの注釈を読みながら、
一緒に意味を確認していく。
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そして全文を読み終えた、
その時だった。
⸻
👧「もう眠い。」
⸻
え?
まだ数分しか経っていない。
私はびっくりした。
⸻
ついさっきまで泣きながら、
「第一志望の学校に合格したい。
だから頑張る。」
そう話していた娘が、
「もう眠い。」
まだ、7時過ぎだった。
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もちろん、そのことは口にしなかった。
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👩
「そっか。眠いよね。」
「一回お風呂に入ろうか。」
👧「お風呂には入りたくない。」
👩「そっか。」
⸻
少し間をおいて聞いた。
👩「じゃあ、やる?」
👧「うん。」
⸻
私は問題を指さした。
👩
「じゃあ、題文一はどこから抜き出したの?」
「本文のどこに書いてあった?」
⸻
娘は本文を見ながら、適当に指をさした。
その表情からは、
「もうやりたくない。」
そんな空気が伝わってきた。
⸻
👩「ママわかんないから、線引いてほしいな。」
⸻
娘は面倒くさそうに、
ビーッと雑に線を引いた。
⸻
👩「どこからどこまでか、
かぎ括弧で囲んでみよっか。」
私はできるだけ優しく言った。
⸻
でも娘は、
面倒くさそうに、雑にかぎ括弧を書いた。
⸻
私は娘の様子を見ながら、もう一度声をかけた。
👩「さやちゃん、
やっぱり一回お風呂入ってこようか。」
⸻
このまま続けても、
娘はどんどんイライラしてしまう。
そして私も、
いつまで優しく接していられるかわからなかった。
⸻
その頃、そばでは息子がお風呂から上がり、
裸のまま家の中を走り回っていた。
⸻
娘は嫌々ながらもお風呂へ入る。
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私はその間に夕飯の食器を片付けた。
横では、着替えもせず遊び始めた息子がいる。
👩「そうちゃん、着替えようね。」
そう声をかけながら家事を済ませる。
⸻
しばらくすると、
お風呂から上がった娘が戻ってきた。
さっきより少しだけ表情が柔らかくなっていた。
席に座ると、娘が言った。
👧「ママ、やろ。」
⸻
次の問題は、記述問題だった。
答えは、すべて赤字で書かれている。
⸻
私は聞いた。
👩「じゃあ、この問題は?」
⸻
👧
「これ、わかんなかった。」
「正解写した。」
⸻
👩
「そっか。」
「じゃあ、この答えが本文のどこに書いてあるか、一緒に探してみようか。」
⸻
娘は露骨に嫌そうな顔をした。
⸻
今なら思う。
娘が正解している問題だけやればよかった。
でも、その時の私は、
問題を順番に進めることしか頭になかった。
⸻
👩
「これは何を問われているのかな?」
👧「理由。」
ぶっきらぼうな返事だった。
👩「じゃあ、何を探すのがいい?」
👧「『〜から』『〜ため』、『〜ので』。」
👩
「そうだね。」
「何の理由を聞かれてる?」
👧「人間と類人猿。」
👩
「そうだね。それがキーワードだね。」
「本文のどこにあるのかな?」
娘は本文を見ながら、
👧「ここらへん。」
と、大まかに指をさした。
👩「丸つけてほしいな。」
⸻
娘は面倒くさそうに丸をつけた。
その丸も、
さっきと同じように雑だった。
⸻
本文を見ていると、
「類人猿」を、
「他の霊長類」
と言い換えているところがあった。
でも娘は、その部分には丸をつけていない。
⸻
私は思わず言った。
👩
「他の霊長類って、つまり類人猿ってことなんだよね。」
「だからここにも丸をつけて。」
「図の下に答えが書いてあるんだよ。」
⸻
その瞬間だった。
娘の表情が変わった。
⸻
👧
「なんでそうなるの!」
「意味がわかんない!」
娘の声が一気に大きくなった。
⸻
以前の私なら、
私もイライラしていたと思う。
でも、その日は、
冷静な私のままだった。
⸻
塾長は言っていた。
「フレームが大事です。」
夕方は頭を使う算国。
夜寝る前と朝に理社を確認して定着させる。
それが『フレーム』だと思っていた。
⸻
だから、私は説明した。
理解してもらえるように、
出来るだけ分かりやすく。
⸻
でも、
私が話せば話すほど、
娘はイライラしていった。
⸻
そして、ついに叫んだ。
👧
「ママ!」
「すぐ終わるって言ったじゃん!」
「終わんないじゃん!」
「もうやりたくない!」
「もうやだ!」
「受験やめる!」
「◯◯(第一志望)にも行きたくない!」
⸻
私は言った。
👩
「そっか。」
「すぐ終わるって言ったのに、
長くなって嫌だったんだね。」
「もう受験も、
◯◯(第一志望)もやめたいんだね。」
⸻
娘は涙を流しながら叫んだ。
👧
「そうだよ!」
「こんなに辛いなんて思わなかった!」
⸻
心の中では思っていた。
まだ15分もやっていない。
⸻
もちろん、その言葉は飲み込んだ。
そして、代わりに言った。
⸻
👩
「そっか。」
「こんなに辛いなら、やめたいんだね。」
⸻
でも、私は娘に言った。
👩
「でもさ、さっき〇〇(第一志望)に合格したいって言ったでしょ。」
「だからママは今やってる。」
「ママは、さっきのさやの言葉を信じてる。」
「今はイラ子ちゃんになってるでしょ。」
(※我が家では、イライラしている状態を
「イラ子ちゃん」と呼んでいる。)
「いつものさやに戻って、それでも
『受験やめたい、
〇〇(第一志望)に行きたくない』
って言うなら、ママはその気持ちを尊重する。」
「でも、ママは、
さっき『合格したい』って言った、
そのさやを信じてる。」
⸻
娘は首を横に振った。
👧
「そんなの嘘!」
「こっちが本当!」
「勉強なんて嫌い!」
「みんなと遊びたい!」
「公園行きたい!」
「遊ぶ方が大事!」
⸻
その言葉は、全部知っていた。
だから私は、
今まで何も言わないようにしていた。
⸻
友達と遊ぶ時間も、
公園へ行く時間も、
私の価値観で奪いたくなかったから。
⸻
でも、その数十分前。
娘は泣きながら、
「合格したい。」
そう言ったばかりだった。
⸻
心を鬼にするとは、
こういうことなのかもしれない。
⸻
でも、正直、私は思っていた。
⸻
長文の解き方なんてどうでもいい。
そんな受験テクニックを教えて何になるんだ?
「なんで他の霊長類が類人猿なの?」
そうやって疑問を持ち、
納得できずに食い下がる娘のほうが、
生きていくには必要な力じゃないか?
⸻
それでも、
もし本当に、第一志望合格を目指すなら、
設問の意図を読み取り、
自分が納得しているかどうかではなく、
時間内に正解へたどり着く力が必要になる。
⸻
娘は言った。
👧
「なんで『他の霊長類』が類人猿になるの?」
「意味がわかんない。」
「もう、先生に聞く。」
⸻
👩
「じゃあ、先生に聞いておいで。」
「宿題も自習室でやっておいで。」
「先生に『どうやってその答えになったのか』聞いて、それをママに教えて。」
⸻
娘は強く首を振った。
👧
「やだ。」
「もう嫌。」
「ママ嫌い。」
「もう受験したくない。」
「もう塾もやめる。」
⸻
「塾だけはやめたくない。」
そう言い続けてきた娘が、
初めて、
「塾もやめる。」
と言った。
⸻
娘は涙を流しながら続けた。
⸻
👧
「もう勉強したくない。」
「友達と遊ぶほうが大事。」
「もうやりたくない。」
「明日も朝練行く。」
⸻
私は静かに言った。
👩
「うん。」
「もう別に行ったらいいよ。」
「今やりたくないなら、明日やろう。」
⸻
👧
「明日もやらない。」
👩
「じゃあ、いつやるの?」
👧
「やらない。」
⸻
👩
「そっか。」
「それじゃあ、
明日の朝練は行かせられないな。」
👧「勝手に行く。」
👩
「ママ、目覚まし止める。」
「ママの方が早く起きるから。」
👧「なんでそんな意地悪するの!」
👩「さやちゃんの睡眠の方が、
朝練より大事だからだよ。」
👧「ママなんか大っ嫌い!」
👩「ママはさやのこと大好きだよ。」
👧
「嘘つき!」
「そんなこと思ってないくせに!」
⸻
👩
「嘘じゃない。」
「本当に思ってる。」
「だから、今、こうしてる。」
「いつものママだったら、
『もう寝よう。』って言ってる。」
「でも、さやが〇〇(第一志望)に行きたいって言ったから。」
⸻
👧
「だからもう行かない。」
「○○中(公立)でいい。」
「みんなと一緒の中学に行きたい。」
⸻
👩
「うん。」
「それが本当にさやの気持ちならいいよ。」
「でも今は、イラ子ちゃんなんだもん。」
「だから今の言葉を、そのまま受け止められない。」
「いつものさやが、
本当に受験やめたいって言うなら、
その気持ちは尊重する。」
⸻
娘は泣きながら叫んだ。
👧
「だから、違うんだって!」
「受験がこんなに辛いなんて思わなかった!」
「勉強したくない!」
「勉強嫌い。」
⸻
そのどれも、
初めて聞く娘の本音だった。
⸻
私は娘を見つめた。
👩
「うん。」
「じゃあ、もういいよ。」
「もう寝よう。」
もう9時になりそうだった。
⸻
娘は驚いたような顔をした。
👧
「え、寝ていいの?」
👩
「うん。」
「明日も朝練行っていいよ。」
👧「え、本当?」
👩「うん。」
⸻
娘は寝室へ向かった。
私は一人、リビングに残った。
⸻
始める前から、
こうなるかもしれないとは思っていた。
⸻
でも、
まさか、始めて15分で、
ここまでぶつかるとは思わなかった。
⸻
勉強は合計30分。
娘が嫌だと言い続けた時間は、1時間。
⸻
娘が
「塾やめる。」
と言うなんて
思ってもいなかった。
⸻
親業を学び始めてから、
娘との関係は本当に変わった。
私は、それが正解なんだと思っていた。
だから、
私のゴールも変わっていた。
志望校に合格することではなく、
娘が自分の人生を、
自分の足で歩いていけること。
私は見守るだけでいい。
⸻
でも、娘に泣きながら
「第一志望に合格したい。」
そう言われたから。
⸻
だから、
力になりたかった。
助けてあげたかった。
⸻
でも、
私がしたことで、
娘は
「受験やめる。」
そこまで言った。
⸻
私はどうすればよかったんだろう。
わからなかった。
⸻
その時だった。
⸻
寝室のドアが開いた。
娘が出てきた。
目には涙が残っていた。
ゆっくり私のところまで歩いてくる。
⸻
そして、
泣きながら言った。
⸻
👧
「ママ、国語やろ。」
「勉強は嫌い。」
「だけど、〇〇(第一志望)には行きたい。」
「合格したい。」
「うわぁぁああん!!。」
⸻
娘は泣きながら私に抱きついてきた。
⸻
👩
「わかった。」
「ママも頑張る。」
⸻
私は娘をぎゅっと抱きしめた。
涙があふれて止まらなかった。
⸻
今日も、揺れながら母をしています。
はじめまして。
5歳の男の子と10歳の女の子を育てながら、
毎日悩んで、揺れて、少しずつ前に進んでいる母、みおです。
このnoteでは、中学受験や子育て、夫婦のこと、自分の心のことを、正解探しをやめた視点で書いています。
同じようにしんどさを抱えている方の、少しの休憩場所になれたらうれしいです。

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