泣きながらくもんをする5歳の息子と、乗っ取られた朝
5歳の息子が、朝、泣きながら
「くもん、やりたくない」と言った。
今ならわかる。
私は、最初からイライラしていた。
朝からワンオペ。
仕事は毎日遅刻ギリギリ。
朝ごはんは立ち歩きで、なかなか食べ終わらない。
今日は公文の日。
宿題が残っている。
その瞬間、私の中の“完璧ママ”が前に出てきた。
「ちゃんとしなきゃ」
「ここで甘やかしたらダメになる」
そう責めてくる心の声。
その声が、静かに、でも確実に私を乗っ取っていく。
ちゃんとご飯を残さず食べなさい。
座って食べなさい。
できるだけ冷静に、
「私メッセージ」に言い換える。
ママ、颯真が席から立つと嫌なんだ。
ご飯が遅くなって、会社に遅れちゃうと困るんだ。
何回目だろう、同じことを言うのは。
時計は8時を過ぎている。
8時50分には朝礼が始まる。
朝食が終わったら出ればいい。
でも、くもんが残っている。
やらなきゃ。
やらせなきゃ。
その声が、頭の中で大きくなる。
泣きながら「やりたくない」と言う息子。
やらなくていいじゃん。
今日はもう出ればいいじゃん。
もうひとつの声が、静かにささやく。
でも、朝勉強する習慣をつけなきゃ。
ここで甘やかしたらダメになる。
二つの声がぶつかって、
「やらせなきゃ」が勝った。
だから私は、泣いている息子に
「やりなさい」と言えた。
あれは怒りというより、
焦りと恐れだった。
朝から積み重なっていたイライラも、全部のっていた。
でも私は、携帯を開いて
今の状況を打ち込んだ。
少しずつ、落ち着いていく。
「あ、また乗っ取られてた」
そう気づけた。
保育園へ向かう自転車の上で、
私は息子に言えた。
「さっきはごめんね。ママ怖かったよね」
完璧にはできなかった。
でも、立ち止まれた。
自分に戻れた。
怒らない母になりたいわけじゃない。
乗っ取られても、戻れる母でいたい。
はじめまして。
2人の子どもを育てながら、毎日悩んで、揺れて、少しずつ前に進んでいる母です。
このnoteでは、中学受験や子育て、夫婦のこと、自分の心のことを、正解探しをやめた視点で書いています。
同じようにしんどさを抱えている方の、少しの休憩場所になれたらうれしいです。
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