「ちゃんと説明してよ!」が通じないワケ 〜子どもが感情を言葉にできない理由〜
こんにちは。
子育てをしていると、
「なにがあったの?」
「どうしてそんなことしたの?」
「ちゃんと説明してよ〜〜!」って言いたくなる瞬間、ありませんか。
で、返ってくるのは、
「ママのせいだし」
「知らないし」
「うるさい!」
「やだ!やだ!やだーー!」
……うん、説明じゃない。むしろ謎が深まった。
でも最近、「いやこれ、“説明しない”んじゃなくて、“説明できない”のかもな」と思うようになりました。
というわけで、今日はその話をしたいと思います。
感情がある=言語化できる、じゃないんです
まずですね、感情って「扁桃体(へんとうたい)」っていう脳の部分が反応してます。
ここ、ものすごく原始的な場所で、びっくりした!ムカついた!悲しい…!っていうのを、瞬時にバッと感じるエリア。
でも、それを「今の気持ちはたぶんこうですね」と整理したり、言葉にしたりするのは、「前頭前皮質(ぜんとうぜんぴしつ)」という、いわゆる“考える脳”の仕事なんですね。
ざっくり言うと
扁桃体 → 感情の暴れん坊将軍
前頭前皮質 → 感情に翻訳をつける通訳さん
で、この通訳さん、実はまだ出勤前なんですよ。
小学生くらいだと、まだまだ研修中。
10代後半くらいになって、ようやく本格始動してくる感じ。
つまり、感じてるけど、うまく言えないというのが、デフォルトなんです。
「ちゃんと話してよ!」って言いたくなるけども
たとえば。
帰ってきた子どもがランドセルをバッ!て投げて、「もーーー最悪!!」って怒っていたとします。
で、「どうしたの?」って聞くと、「ママのせいだから!!」とか言われて、えっ私関係ある!?みたいになる。
ここで冷静に考えると、たぶん本当は「がんばったけどうまくいかなかった」とか、「ちょっと友だちに傷つくこと言われた」とか、「緊張して疲れた」とかがあるのかもしれない。
でも、感情の翻訳機(前頭前皮質)がまだ動いてないから、出てくるのは「うるさい!」とか「ママが悪い!」なんですよね。
で、ママがしょんぼりするまでがワンセット(やめてくれ)
大人でもうまく言えないこと、あるよね
よくよく考えると、大人だって同じなんです。
なんかモヤモヤするけど、その理由を聞かれると「いや…なんか……もういいや……」ってなること、ありませんか。
私はしょっちゅうあります(あります)。
それが子どもなら、もっと頻繁に起きて当然だよな〜と思います。
説明させるより、「気づいてるよ」の方が先かも
だから最近は、「説明させよう」と思うより、「まだ言葉になってないのかもな」って思って、ゆっくり構えるようにしています。
そのうえで、ざっくり仮ラベリング。
「疲れちゃったのかもね」
「ちょっとムカつくことあった?」
「がんばったあとって、なんかぐちゃぐちゃになるよね」
合ってなくてもいい。
「ちがうよ!」って言われてもいい。
大事なのは、“気づいてもらえた”っていう感覚のほうなんじゃないかと思ってます。
つまり。
子どもは感情を感じるのは天才だけど、
それを言葉にするのはまだ発展途上。
「ちゃんと説明してよ!」って言いたくなることもあるけど、そもそも通訳さん(前頭前皮質)がいない状態での説明って、めちゃくちゃハードなんですよね。
だから、「今はまだ言えないだけかもな」って、ちょっとだけクッションを入れて見守れたら、親の心も少しやわらぎます。
今日もまた、「知らない!」って怒ってた娘に、「…わかんないくらい、ぐちゃぐちゃしてたのかもね」と言ったら、「うん…そうかも」って、ぼそっと返ってきました。
その「うん」が、たぶん今日いちばんの説明だった気がします。
「ちゃんと説明してよ」って言いたくなるとき、思い出してみてください。まだ子どもの“通訳さん”は、お休み中かもしれません。
