壮大なテーマを掲げた万年筆「VISCONTIホモサピエンス」レビュー
半年前、自分の誕生日に、ずっと憧れていた万年筆をついに購入しました。それが「ヴィスコンティ ホモサピエンス ブロンズ(Visconti Homo Sapiens Bronze)」の万年筆です。一生物の万年筆を購入し、使い込むうちに「自分の選択は間違いじゃなかった」と確信した1本です。
1.イタリアの筆記具ブランドVISCONTI
ヴィスコンティは1988年、ダンテ・デル・ベッキオによって設立されました。創業者ダンテ・デル・ベッキオのヴィンテージ万年筆への情熱が、ヴィスコンティの筆記具に芸術性と革新性をもたらしています。
ヴィスコンティのモデルはすべて、最先端の技術と最高の素材、伝統的手法とかつてない革新的な技術を用いて開発されます。

VISOCONTIといえば、このホモサピエンスがいわばフラグシップモデル。そのほかにもレンブラント、ヴァン・ゴッホなども有名です。
そのどれもが、美しさと実用性・芸術性を内包しています。ひとつ一つのモデルに確固たるコンセプトが存在し、所有欲を満たしてくれます。


2.VISCONTIホモサピエンスとの出会い
その当時、私が所持していた万年筆はトラベラーズカンパニーのブラス万年筆のみ。思い入れのある大切な万年筆ですが、いつかは一生物が欲しいと考えていました。最初は王道のペリカンスーベレーンM800かM1000を購入しようと思って貯金しており、文房具店でスーベレーンの試し書きもしました。カッコいい限定品モデルがないか探していたので、少しでもタイミングがずれていたらホモサピエンスとは出会っていなかったと思います。
楽天や色々なショッピングサイトを巡回して、ペリカン以外のブランドで良い万年筆がないか探していた時に出会いました。

マットブラックの軸にブロンズ(青銅)のピンクゴールドがアクセントとなっており、まさに一目惚れ。万年筆といえば、ブラック×ゴールドの組合せが定番ですが、ピンクゴールドの色味によって上品さがすごく漂っていました。
そして、ホモサピエンスのブロンズに込められた壮大なテーマ。
"人類が「書く」という行為によって成しえた発達、文明の進化を讃える”というテーマで、文字を書く行為を人類の文化的営みとして再定義するような哲学的背景を持つ万年筆です。その万年筆を手に取り、文字を書き記すというロマン。もうこれは買うしかないと心が決まりました。
楽天で購入し、イタリア本国からの取り寄せとなり、1カ月ほど待ちわびましたが、誕生日の少し前に無事到着しました。
定価では到底手が出ないですが、楽天で購入すると割と低価格で購入できますのでリンクを下記に貼っておきます。
開封の様子はInstagramで掲載中です。
この万年筆は込められたテーマに見合うだけの実用性も兼ね備えており、基本スペックは下記の通りです。
素材:玄武岩(火山岩)+レジン、青銅パーツ
ペン先:18金(以前は23Kパラジウム)
吸入方式:パワーフィラーダブルリザーバー
キャップ方式:フックセーフロック(ねじ込み式)
サイズ:キャップポスト時・・・約17.5cm、収納時・・・約14.8cm
重量:約46g(ずっしりとした重厚感)
価格:148,500円(税込)※公式サイト定価
3.外観レビュー
まずは外観からレビューしていきます。

(1)玄武岩を配合した軸について
このホモサピエンスの大きな特徴として、ボディ素材にイタリア・シチリア島のエトナ火山の玄武岩(バサルティック・ラーバ)が用いられています。万年筆に玄武岩を採用しようという常識を超えた発想が手に吸い付くようなしっとりとした感触を生み出しています。この記事を執筆しているのは9月の猛暑日ですが、汗ばむこともなく快適に筆記することが出来ています。また、指紋がベタベタ付かないという点も快適さに繋がっています。
(2)フックセーフロックについて
VISCONTI独自のフックセーフロック機構は、キャップを軽く押し込みながら回すだけでしっかり固定される設計。バッグの中で勝手に外れる心配もなく、使いたいときにすぐ取り出せる操作性は、日常使いでもストレスフリーです。軸素材といい、画期的な技術がこれでもかと盛り込まれています。
私も、仕事で毎日持ち歩いていますが、インクが漏れたことはありません。
キャップ内部にインナーキャップがあり、これが機密性を高めているのではないかと思います。

(3)ブロンズの経年変化について
購入から約半年経過しましたが、ブロンズパーツが少しずつ経年変化してきました。特にペンクリップは渋い輝きを放っています。革製品と同様に経年変化を堪能できる万年筆は少ないので、革製品大好きな自分としては運命的な何かを勝手に感じてしまいました(笑)

4.書き味レビュー
(1)手に持ったときの重さとバランス
キャップも含めた全体重量が46gとかなりずっしりしています。ですが、キャップポストせずに筆記すると丁度良い重量バランスです。ポストするとかなりの重量なうえに重心が尻軸側になるので、万年筆に振り回される感覚に陥りました。
(2)書き心地について
ペン先は「思ったより柔らかくない」というのが第一印象でした。VISCONTIといえば世界で初めてペン先にパラジウムを採用したブランドで非常に柔らかく滑らかな極上の書き心地は「ドリームタッチ」と呼ばれています。現行の18金ペン先もドリームタッチペン先と謳われているいるのですが、YouTubeで観たようなフレックスペン先並みの柔らかさはありませんでした。私個人としては、「弾むような弾力と滑らかな書き味」という感想で絶妙なバランスなのではないかと思います。

そしてインクフローは潤沢、書いていてとても心地良いです。半年間、毎日使い込んだことで最近は「おぉ、しなる!」と感じるようになりました。ペン先が育ってきた証拠でしょうか?私が選んだのはF字なのですが、システム手帳にも問題なく使えています。
実際に書いている様子や字の太さはこちらの投稿から閲覧可能です。
5.気になった点
これまで良い点ばかりを挙げてきましたが、もちろん気になる点も。
(1)インク残量を確認できない
1つ目はインク残量を確認することが出来ない点です。限定品は透明軸でインク残量を確認できるのですが、私が所持するモデルは残量を確認できません。
使っていて急にインク切れになるので、予備の万年筆を持ち歩いたり、そろそろインク切れるかな?と感じたらインク切れの前に吸入といった工夫が必要になります。
洗浄の際も、洗浄に使った水が残っていないか確認することが出来ないので、インク吸入して使い始めると残留した水分でインクが薄れることがあります。
(2)インク吸入方式について
2つ目はパワーフィラーダブルリザーバーという吸入方式についてです。
インクタンクが2層構造になっており、メインタンクとサブタンクに分かれていて、サブタンクにインクを移すことで、気圧変化によるインク漏れを防止できるというものです。
飛行機などの気圧が変化する環境でも安心して持ち運べる設計なのですが、販売サイトによって「パワーフィラー方式」と記載されていたり、「パワーフィラーダブルリザーバー方式」と記載されていたりと、自分が使っている万年筆はシングルタンクなのか?ダブルタンクなのか?内部構造は視認できないし、どっちかよく分からないまま使っていました。

生成AIを用いて調べたところ、どうやらパワーフィラーダブルリザーバー方式で間違いなさそうです。(正規代理店に問い合わせれば済むことなのですが、詳しい方ご教授ください。)
ということで、私はまだサブタンクを使いこなせていないので、これから色々試してみようと思います。
6.VISCONTIホモサピエンスを所有する喜び
気になる点はあれど、私はこの万年筆をお迎えしたことを全く後悔しておりません。ペリカンやMonblancといった王道万年筆とは少し異なるユニークさ、ブロンズの経年変化を楽しめるという革製品との共通点、そしてこの万年筆に込められた壮大なテーマ。所有する喜びを存分に与えてくれました。また、ペン先が育っていくことで更に愛着が増していく。
今後もし出会いがあれば、新しい万年筆をお迎えすることもあるのでしょうが、最後にはホモサピエンスに戻ってくると確信しています。
もうこの万年筆が、書く道具から自分の相棒になっているからです。

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