電車で出会った、まぶしいほどの「現役世代」――70代でも働き続ける人たちの輝きに学ぶ
電車で出会った、まぶしいほどの「現役世代」
仕事帰りの電車で、七十代くらいの女性と隣り合わせになりました。つややかに染めた黒髪、きちんと整えられた身なり。言葉づかいにも節度があり、働く人だけが纏う凛とした空気がありました。年齢よりずっと若々しく見える方です。
その隣には、同じ年代の男性。言葉使いは東京出身者ではないイントネーションでしたが、服装や気概が元総理大臣の麻生さんを思い起こす雰囲気で、70代でも若々しく男らしい精神性を秘めていました。
おふたりとも知らない者同士なのに、目の前に立つ私が重たい鞄を抱えていたのを気遣い、「どうぞ座ってくださいね」と声をかけてくださいました。その温かさから短い一期一会の会話が生まれ、70代の事務職のお話を聞かせていただいたのですが、私はお席の提供は丁寧にお断りし、女性が降りた後に、そっと席をいただきました。
「おかあさん」「おとうさん」と呼びたくなる人
私はその女性のことを、自然と「おかあさん」と呼んでいました。男性の方も「おとうさん」と。現役で社会とつながり働き続け、日本社会に貢献し、誠実に生きている人や若々しい人に対しては、お母さんやお姉さん、お父さんやお姉さんと自然に呼ぶ習慣ができていて、私なりの敬意を込めているのです。
HSPの気質もあって、頑張っている人やまじめに生きている人の誠実な空気を、私は敏感に感じ取ってしまいます。だからこそ、ふたりの放つ温度が心にすっと染みたのかもしれません。
SNSの“ざらつき”に疲れた心が、ふっとほどけた瞬間
最近、snsやnoteでは「楽して稼げる」という詐欺まがいの情報や、副業を餌にした稼ぎ方の発信があふれています。どれもこれも他人から手に入れた情報商材を言葉巧みに発信しているのが伝わってくるものです。
普段は上場企業のビジネス現場にいる私がnoteを始めたことで、そうした世界が視界に入ることが増え、心がざわつくことも増えてきました。HSPの私は、価値観が荒れた場所に触れ続けると、心の端がゆるんでしまうのです。
そんな時、リアルの生活で汗をかきながら誠実に働く人たちは、まぶしいほど尊く感じられます。華やかなSNSよりも、よく磨かれた作業靴や丁寧にたたまれたハンカチにこそ、本当の“働く美しさ”が宿っているように思いますし、労働人口の少ない日本で高齢者までが働いてくださる事が日本を支えてくれていることに感謝です。
世の中には、自分の健康のための勤労や社会に求められて働き続けたり、70代過ぎてまで働きたくないという人やお金のために70代も働かなくてはならない義務感を感じる人もいるかもしれません。今のところ、私なら完全に後者です。
老齢期の生活面で切実に介護を必要としている高齢者が日本に沢山いる時代に、お金持ちの老人なら外国人だって誰でも歓迎の高額サービスを請け負う働きを美談として語る人もいる時代。
振りかえると私がこれまでに働いてきた大企業社員には、ご自身の定年が近くなると個人的なボランティア活動で老人ホームで演奏会を開催しています。社会に恩返しにまわるひとち。
世の中には、本当にいろんな方がいる。自分がどれに当てはまりたいか?が大切なのかもしれません。
日本では、もはや、切実に生活費が足りない~という動機だけでは片づけられない少子高齢で労働者が減りつつける社会に誠実に働いてくれる方は宝物のように思います。
日本人の技術力、誠実、勤勉、思いやり、五感を感じられる精神性のおもてなしは、世界を探しても類をみないと感じてます。
私が大企業の人たちを好きな理由
私は、グローバルな大手の上場企業で働く人たちの倫理観や真面目さと勤勉さが好きです。だから50代の再就職活動も私が求める事業形態と規模の会社でチャレンジを重ねてきましたし、パートナー選びも、大企業勤務は必須条件でした。今の彼と出会えたのも、価値観の軸を大切にしてきたからです。
noteを勧めてくれた職場の先輩にも、拡散用に勧められたSNSアカウントを削除したことを正直に伝えました。SNSって向こうから情報がやってくるものですし、見たくもない情報は必要ありません。
自分の価値観を守るために、距離を置くという選択もあるのだと知っていたからです。TVなんてもう20年以上見ていません。
noteはもう少し活動を続けると思います。エッセイは書き続けたいと思っています。
七十代の現役労働者に、静かに背中を押されて
そんな心の状態の中で出会った“現役の七十代”。短い会話の中に、凛とした生き方の温度が宿っていました。日本の労働人口が減り続ける今、社会とつながり続ける彼らの存在は、思う以上に力強い力になっているのだと感じました。そして、70代の方との会話をしていて、年を取るのは怖い事ばかりじゃないと思えたのも嬉しかったです。いくつになっても賢く若々しくいて、社会のお荷物にならない高齢者もいるということ。
消費者に近いところで働く人たちの多くは外国人が増えている東京。個人的には、日本人が担当してほしいという思いがあります。だから、体に負担がかからない程度の労働力で、ほんの少しでも社会に貢献してくれると嬉しい。私もそうありたいと思いました。
私も、誰かを支える側でいたい
最近はPower BIを独学で学びながら、職場で仲間のサポートにも手を伸ばしています。バックオフィス業務は、人前に出なくても続けられる仕事。頭さえしっかりしていれば、年齢を重ねても続けられる。その可能性に静かな希望を抱いています。
今日の出会いのおかげで、「まだ頑張りたい同世代の方にPCを教えてあげたい」という気持ちがふっと芽生えました。もちろんボランティアで。
人生は、こうした小さな出会いで整っていく
電車での短い会話が、心の奥でそっと灯りをともしてくれました。
人生は、こうした小さな一期一会に背中を押されながら続いていくのだと、あらためて感じています。素敵な時間をありがとう。
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