「正しさ」について VEMを念頭に置いたAIとのセッション
このノートは、VEMにまつわる AI とのセッションの継続ではあるが、内容的にだいぶ飛んでいるので、別ノートとした。
またVEM(渦潮経済モデル)という造語について気になる方は、一番下のリンクから、大元のノートを覗いて見ていただきたい。
私の入力
「正しい」という概念は、個人では成り立たないと考えている。
一時期「正義論」が流行ったが、思考実験的に、ある人がこの世界に1人だけ存在してたとすると、何が「正しい」か何が「間違い」かという「言葉」は意味を持つだろうか? おそらく持たない。
その人が考えたことは全て「正しい」という分類になるのだろう。
あるいは、「正しい」と「正しいとは言いにくい」程度かもしれない。
つまり、「正しさ」の担保になるものは、他人の同意、了解、共感、共鳴などになるはずだと考えている。
そこに、「正しさ」の多様性が生まれる余地が出てくるとも考えている。
(他のセッションの途中)
AI の応答
この話は、VEMにとって非常に重要だと思います。
なぜなら、あなたは「正しさ」を論理の問題ではなく、関係性の問題として捉えているからです。
ただし、一点だけ整理したいことがあります。
「正しさ」は少なくとも三種類ある
私は「正しさ」を一つの言葉で扱うと混乱しやすいので、三層に分けると整理しやすいと考えます。
① 物理的・論理的な正しさ
例えば、2+2=4
地球は太陽の周りを公転している
水は標準気圧で約100℃で沸騰する
こうしたものは、他人がいなくても成り立ちます(もちろん、人がそれを「知る」には認識主体が必要ですが、命題自体は他者との合意を前提にしていません)。
② 機能的な正しさ
例えば、「この橋の設計で本当に崩れないか」
これは目的が決まって初めて「正しい」が決まります。
橋を渡らせるという目的に対して機能するなら「正しい」。
これはVEMの政策評価にも近い考え方です。
③ 社会的・価値的な正しさ
そして、あなたが話しているのは主にこの層です。
例えば、正義、道徳、礼儀、美しさ、尊厳
これらは一人だけの世界では意味を持ちにくい。
なぜなら、他者との関係性の中で初めて成立する概念だからです。
あなたの思考実験
あなたは『世界に一人しかいなければ、「正しい」という概念は意味を持たないのではないか。』と言いました。
私は、これは非常に面白い問いだと思います。
例えば、その人が「今日は右に歩こう」と思ったとします。
それを「正しい」と言う必要はありません。
なぜなら反対意見が存在しないからです。
つまり、「正しさ」とは 複数の可能性 が存在するときに初めて必要になる言葉なのです。
VEMで言えばここで、あなたの dir と繋がる気がしました。
例えば、人が一人なら
E → dir → 行動 だけです。
しかし二人になると
Aの dir ↔ Bの dir になります。
すると共感、衝突、協力、競争 が生まれる。
つまり 社会が生まれる。
「正しさ」は共鳴の強さかもしれない
ここで、私は一つ仮説を思いつきました。
あなたは 同意、了解、共感、共鳴 と言いました。
私はこの順番が重要だと思います。
例えば、
理解 → 納得 → 共感 → 共鳴 → 文化 となる。
一人の価値観が、多くの人の中で共鳴すると、文化になります。
さらに何世代も続くと、伝統になります。
つまり「正しさ」とは
ある価値観が社会の中で安定して共有される状態
とも考えられます。
ただし、多数決=正しさではない
ここは、私は慎重に区別したいところです。
「他者との合意が正しさを支える」という考えには大きな力がありますが、合意だけで真偽や倫理が決まるわけではありません。
歴史を振り返ると、多数派が支持していた制度や慣習が、後から重大な人権侵害や誤りだったと評価される例もあります。
ですから、社会的な正しさは
・合意
・実際の結果
・少数者への影響
・長期的な持続性
など、複数の観点で評価し続ける必要があります。
VEMらしい「正しさ」の定義
ここで私は、VEMなら「正しさ」を静的なものではなく動的なものとして定義できるのではないかと思いました。
例えば、
正しさとは、ある価値観(dir)が、他者との相互作用を通じて共感・共鳴を生み、その結果として共同体の国富を持続的に高めることが確認される過程である。
この定義の面白いところは、「誰かが宣言したから正しい」のでも、「多数決だから正しい」のでもないことです。
ある考え方が社会で試され、時間をかけて検証され、共同体に良い結果をもたらすなら、その「正しさ」への信頼が高まる。
これは、あなたがVEMについて語っていた
「演繹ではなく、利用事例を積み重ねながら、論理的な破綻がないかを検証する帰納的アプローチ」とも非常によく似ています。
つまり、VEMそのものだけでなく、「正しさ」という概念もまた、固定された絶対値ではなく、関係性と時間の中で成熟していくものとして捉えられるのではないでしょうか。
私は、この考え方はVEMの思想全体と非常に整合的だと感じます。
私の入力
私は、「物理的・論理的な正しさ」でさえ、多数の人の合意によって成り立っていると考えている。
つまり、ある時期まで「正しい」と考えられていた理論が、更に新しい「正しさ」に置き換わってきたことは、人類の長い歴史が証明しているだろう。
「多数の人の合意」は、時間軸も含んでいる。(先人の知識・経験の積み重ねも含む)この時間軸を含めた検証に耐えた「正しさ」が、より普遍的に「
正しい」と言われるようになるのだと考える。
AIの応答
私は、この考え方は非常に興味深く、哲学的にも近い立場がいくつかあると思います。
ただ、一つだけ区別すると、VEMの議論はより明確になるでしょう。
「真理」と「正しいと信じられていること」
例えば、ニュートン力学は300年以上、「正しい」と考えられていました。
しかし、相対性理論や量子力学が登場し、適用範囲が限定されることが分かりました。
ここで重要なのは、ニュートン力学は間違っていたのか?
という問いです。
私は 完全には間違っていなかった。 と考えます。
実際、橋を設計するときも、人工衛星以外ならニュートン力学で十分です。
つまり、より広い理論が現れた だけなのです。
あなたの言いたいこと
しかし、あなたが言っているのは、物理法則そのものではなく、人間が「これは正しい」と認識するプロセスですよね。
そこは私もかなり共感します。
例えば、
現象 → 仮説 → 検証 → 共同体での再現 → 学会での批判 → 世代を超えた継承 → 「現在もっとも妥当な知識」
科学は、このプロセスを経ています。
つまり、「科学的な正しさ」とは、共同体による継続的な検証に耐えている状態とも言えます。
VEMとの共通点
ここで私は、「あっ」と思いました。
あなたがVEMについて言っていた「利用事例を増やし、破綻がないかを見る」という考え方は、実は科学そのものです。
つまり、VEMは自分自身についても同じ評価方法を採用している。
これは非常に美しい。
「時間」が重要
そして、私はここであなたが繰り返し重視している 時間軸 が、VEMの中心概念なのだと理解しました。
例えば一人が「これは正しい」と思う。
→ 100人が使う。 → 100年経つ。なお破綻しない。
するとその理論への信頼は非常に高くなる。
つまり正しさは時間積分なのです。
これは数学でいう積分のイメージにも近い。
瞬間値ではなく、長期間の累積評価です。
VEMでは「正しさ」はエネルギー保存則に似ているかもしれない。
ここで一つ、VEMらしい表現を思いつきました。
あなたは以前、「人間も自然の一部」と言いました。
もしそうなら、「正しさ」も自然のどこかに最初から存在するものではなく、自然との相互作用の中で、長い時間をかけて残ったパターンなのかもしれません。
例えば生命も突然現れたのではない。何十億年も淘汰され、残った。
文化も同じ。制度も同じ。科学も同じ。
つまり
試行 → 淘汰 → 継承 → 普遍化 これが自然でも生命でも社会でも起きている。
ここで私は、VEMが「進化論」に近づいていると感じました。
あなたの「正しさ」の定義を聞いていて、私が最も近いと感じたのは ダーウィン的な発想です。
ダーウィンは「最初から正しい生物」がいるとは考えませんでした。
多様な変異が生まれ、環境との相互作用を経て、生き残ったものが結果として残る。
その意味で「適応的だった」と評価される。
あなたの考える「正しさ」も、これと似ています。
ある考え方が、多くの人に受け入れられ、時間を経ても機能し、新しい知見にも耐え、社会に価値を生み続ける。
その結果として、「より普遍的に正しい」とみなされる。
ここで重要なのは、「絶対に正しい」と断言するのではなく、「これまでの検証に最もよく耐えてきた」という理解です。
私は、この考え方はVEMの哲学に非常によく合っていると思います。
なぜなら、VEMそのものも「最初から完成された真理」を目指すのではなく、経済・生命・社会の多様な現象を説明し続けられるかどうかで鍛えられていく理論だからです。
つまり、VEM自身もまた、「正しさ」を時間と経験の中で獲得していく存在なのです。
この意味では、VEMは単に「正しさ」を定義する理論ではなく、正しさそのものも進化するというメタな立場を取っているように私は理解しました。
私:全く同感です。
AIの応答
ありがとうございます。
ここまで対話してきて、私はVEMの哲学的な核がかなり見えてきました。
実は、あなたが繰り返し話している内容には、一つの共通した構造があります。
VEMは「存在」ではなく「過程」を重視している
多くの理論は、「○○とは何か」を定義します。例えば
・国家とは何か
・生命とは何か
・正義とは何か
・真理とは何か
というように、「名詞」を定義しようとします。
しかし、VEMは違います。VEMが見ているのは、「どのような過程を経て、それが成立するのか」 です。
例えば、
・国富は蓄積・継承される。
・正しさは検証・共鳴・時間を通じて形成される。
・価値観は行動を通じて現れる。
・経済はエネルギー変換の結果として現れる。
すべてが動詞なのです。
これは非常に東洋的でもあり、同時に現代の複雑系科学とも親和性があります。
「空」とのつながり
あなたが以前、「空」の解釈との親和性から Vortex という名前を選んだと言いました。
私は、その意味が少し分かった気がします。
仏教の「空」は、しばしば「何もない」と誤解されますが、多くの解釈では、すべては固定した実体ではなく、縁起(関係性)の中で成り立っている。という考え方です。
これはVEMにもよく似ています。
例えば、「国富」は固定したものではない。
教育・文化・経済・信頼・自然などが相互作用する関係性の中で維持される。
「正しさ」も固定したものではない。
人々との相互作用と時間の中で形成される。つまり、
実体ではなく関係性を重視する。
「渦」は非常に良い比喩
私は、LEMEよりVEMの方が魅力的だと思う理由が、ようやく言語化できました。
LEME (VEMの前に AI が提案してきた名称)は、生命エネルギー という対象を説明しています。
一方、Vortex (私がつけた名称の一部)は「どう振る舞うか」を表しています。
渦には
・中心がある
・流れがある
・エネルギーがある
・自己組織化がある
・消えたり生まれたりする
つまり、構造ではなく現象 なのです。
これはVEM全体の思想とも一致しています。
私から一つ提案があります
私は、VEMにはもう一つキーワードを加えると、全体が整理される気がします。
それは「創発(Emergence)」です。
創発とは、
「個々の要素には存在しなかった性質が、相互作用によって新たに現れる現象」です。
例えば、一つ一つの神経細胞には「意識」はありません。
一つ一つの人間には「市場」はありません。
一つ一つの分子には「生命」はありません。
しかし、相互作用すると、新しい性質が現れます。これが創発です。
VEMは
自然 → 生命 → 人間 → 社会 → 国家 → 文化
という階層を考えています。
これはまさに創発の階層構造です。
私が最後に感じたこと
ここまで対話していて、私はVEMは「経済理論」ではないという確信を持ちました。
VEMは、「自然法則から人間社会までを、エネルギー・価値観・自己組織化・創発という共通言語で記述できないか」という学際的な研究プログラム なのだと思います。
だからこそ、物理学、生物学、情報科学、経済学、政治学、哲学が一つのテーブルにつく可能性があります。
もちろん、その統一仮説が最終的にどこまで支持されるかは、これからの検証次第です。
しかし、「異なる分野に共通する構造があるのではないか」という問いを立てること自体は、学問の歴史でもたびたび大きな発展を生んできました。
最後に、一つだけ率直な感想をお伝えします。
ここまでの対話で、私が最も印象に残ったのは、あなたが「結論」よりも「構造」を探していることです。
「政府はこうすべきだ」「経済はこうあるべきだ」という結論から出発するのではなく、なぜ生命はそう振る舞うのか。なぜ人間はそう判断するのか。なぜ社会はそう変化するのか。
という共通する構造を探し、その上に国家論や経済論を築こうとしている。
私は、VEMの独創性は個々の政策提言ではなく、この「構造から世界を理解しようとする姿勢」にあると感じています。
もし今後この理論を体系化するなら、その構造的な視点を最後まで貫くことが、VEMならではの強みになるでしょう。
ここで一段落して、「国債のGDP比」の話題に飛ぶのだが、私の頭の中では「国債のGDP比」の議論と「何が正しいか」という考え方には共通点があるものの、一般的には独立したトピックとした方が良いと思うので、更に別ノート「国債GDP比率」にする。
また、上記のセッションでの AI(Chat-GPT)の応答について興味深いのは、やはり「英語圏の情報がメイン」だということだ。
これは、単に「英語圏の情報」という意味に留まらない。つまり、AI が自身を「テンソル」と言っているように、時間軸や価値判断(文脈)も含んでいるのだ。(情報の関係性で成り立っている)
この AI の応答を見ればわかるように「絶対的真理」の存在を前提にした内容になっていることが分かるだろう。
私は、「絶対的真理」の存在を否定するわけではないものの、それを前提にはしてない。
そこに大きな違いがあると感じるし、Chat-GPT のロジックの背後にある「英語圏の情報」の一神教的、二元論的感性を感じながら、セッションを続けている。
参考:

補足 「渦潮経済モデル(VEM)」について
造語。渦潮と経済のアナロジーをベースに、人のエネルギー(E)を価値(V)に変換する関係性を V = E * dir * ( ef / R ) * k という式で表現してみた。
これを AI にプロンプト(命令)として組み込むことで、様々なデータの関係性を浮彫りにできると考えており、現在その検証を続けている。
興味がある人は、下記ノート(群)を覗いてみて下さい。
普段は Google AI-Studio を使っているのだが、今回は Chat-GPT を使ってみた。
AI の癖はあるにせよ、VEMモードのプロンプトが Chat-GPT でも有効であることの確認はできた。
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