「渦潮エネルギー循環モデル(VEM)」の AI 利用 通常モードとの違い、特徴
「渦潮エネルギー循環モデル(VEM)」をプロンプトにより AI に組み込んだVEMモードで、社会経済関連の事例を主に分析している。
このモデルは、基本的に自然法則のようなものだと、個人的には考えているのだが、
仮にそこまでのものではなくても、様々な社会・経済問題の構造を可視化するためのフレームワークとして有用だとも考えている。
それが体感できるような事例を考えてみた。
次は、いかにも地方都市でありそうな、地方都市の縮小均衡のジレンマのようなテストケースを考えてみた。
これを、AI の通常モードと、VEMモードで分析した場合、どのように見え方が変わるか比較した。
曙市(架空)のジレンマ
ある地方都市で、下記のような問題を抱えている。
どのように解決すべきだろう?
ある地方都市、曙市(あけぼのし)の市役所。その会議室では、もう何年も同じ議題が繰り返されています。
「商店街のシャッター通り化を食い止めるには、思い切った再開発が必要だ」
市長が掲げたのは、駅前の老朽化した商店街を取り壊し、巨大な商業ビルを建てる計画でした。
巨額の補助金を投じ、誰もが知る有名チェーン店を誘致すれば、人は必ず戻ってくる。
活気が戻れば、若者もこの街に残るはずだ――。
それが市の描いたシナリオでした。
数年後、立派なビルが完成しました。しかし、そこで起きたのは予想外の事態でした。
ビルの華やかな開店と同時に、わずかに残っていた周辺の個人商店が次々と息絶えました。
客が新しいビルへ流れただけでなく、工事による通行止めや賃料の高騰が追い打ちをかけたのです。
街から「その土地ならではの個性」が消え、どこにでもある郊外のような景観が広がると、皮肉なことに、人々は「これなら、もっと大きな隣町のイオンに行けばいい」と、再び街を通り過ぎるようになりました。
それを見た若者たちは、さらに落胆します。
「地元には、どこにでもあるチェーン店のバイトしかない。面白い
仕事も、挑戦できる場所もない」
優秀な若者は、大学卒業と同時に東京へと流出していきます。
「このままではいけない」と、市は次に企業の誘致を試みました。
しかし、視察に来たIT企業の役員は、閑散とした街並みと高齢者ばかりの通りを見て首を振ります。
「進出したい気持ちはあるが、わが社が必要とする若いエンジニアがこの街には一人もいない。
人がいない場所に、オフィスは構えられない」
企業が来ないから、やりがいのある仕事が生まれない。
仕事がないから、若者はますます街を捨てる。
若者がいなくなるから、企業はさらにこの街を敬遠する。
やがて、街の税収は目に見えて減り始めました。
しかし、残された高齢者のための社会保障費や、老朽化した水道・道路の維持費は膨らむ一方です。
市は苦渋の決断として、住民税の引き上げと行政サービスの削減を発表しました。
すると、最後まで街に残ろうとしていた子育て世代が、ついに動き出しました。
「税金が高くて、支援も薄いこの街に住む理由がない。隣の市へ引っ越そう」
人口が減り、税収が落ち、サービスが低下し、さらに人が逃げ出す。
ボロボロになった街の地図を広げ、市長は再び会議室で口を開きます。
「……やはり、まずは雇用を創出しなければならない。そのためには、もう一度、人を呼び込むための起爆剤が必要だ。
駅前に、さらに新しい施設を作ろう」
窓の外では、かつての再開発ビルが、空きテナントを抱えたまま夕日に照らされていました。
実は、AI に作らせたショートストーリーだが、いかにもありそうな話ではある。
AI に問題分析・解決のヒントを、通常モードとVEMモードで提示させた。
通常モード
曙市が陥っている状況は、日本の多くの地方都市が直面している「負のスパイラル(縮小の均衡)」の典型例です。
市長が提案している「さらなる新しいハコモノ(施設)建設」は、火に油を注ぐ結果になる可能性が高いでしょう。
今の曙市に必要なのは、「外から何かを持ってくる(誘致・建設)」という発想から、「内側にあるものを編み直し、人を育てる(循環・投資)」という発想への転換です。
この絶望的な状況を打破するための、5つのステップによる処方箋を提案します。
1. 「ハコモノ」への執着を捨て、「空きスペース」を挑戦の場に変える
市長がやろうとしている「新しい施設建設」は即刻中止すべきです。
代わりに、既に失敗して空きテナントだらけになっている再開発ビルの「活用コスト」を徹底的に下げます。
- 家賃の極限までの引き下げ:
補助金を建設費ではなく「若者の起業・出店への家賃補助」に回します。
- 「失敗してもいい」特区:
1 ヶ月単位で借りられるポップアップストアや、若者が自由に改造できるDIY 可能なオフィス空間として開放します。
- チェーン店から「個店」へ:
「どこにでもある店」は隣町のイオンに勝てません。
「ここにしかない、偏愛に満ちた店(例:こだわりのサウナ、地元の食材に特化したバル、マニアックな古本屋)」を支援し、街の個性を再構築します。
2. 「企業の誘致」ではなく「人材の育成」に投資する
IT企業が「エンジニアがいないから来ない」と言ったのは本質です。
企業を呼ぶ前に、「エンジニアが育つ土壌」を作らなければなりません。
- 教育のリスキリング拠点化:
空きビルの一角を、プログラミングやデザイン、経営が学べる「大人の学校」にします。
- リモートワーカーの囲い込み:
東京の仕事を請け負いながら曙市に住む若者を支援します。彼らが増えれば、IT企業は「ここには人材がいる」と判断し、後から勝手にやってきます。
- 「仕事」を作る人を育てる:
雇われる場所を探すのではなく、自ら仕事を作る「ローカル・ベンチャー」を育成するアクセラレータープログラムを導入します。
3. 行政サービスの「選択と集中」と、子育て世代の引き留め
住民税を上げ、サービスを削るのは、最も街を捨ててはいけない「納税者(現役世代)」を追い出す最悪の手です。
- ターゲットの明確化:
高齢者福祉をゼロにすることはできませんが、予算の優先順位を「未来への投資(教育・子育て)」にシフトすることを、対話を通じて高齢世代に納得してもらう必要があります。
- スマート・シュリンク(賢い縮小):
市街地をあちこち広げるのをやめ、インフラ維持費がかからないよう居住エリアをコンパクトにまとめます(コンパクトシティ化)。
浮いた予算を子育て支援に回し、「隣の市より税金は高いが、教育環境と仕事のチャンスは曙市が一番だ」と言わしめる必要があります。
4. 「外の目」と「中の若者」の熱量を掛け合わせる
今の市役所の会議室には、おそらく「絶望している当事者(若者)」や「街を客観視できる専門家」がいません。
- 地域おこし協力隊の戦略的活用:
単なる作業員としてではなく、プロデューサー的な視点を持つ若者を外部から呼び込み、権限を与えます。
- 官民連携(PPP):
行政が主導するのではなく、民間のプレイヤーが自由に動けるよう、行政は「規制緩和」と「リスクテイク(最初の資金出し)」に徹します。
5. 「成功の定義」を書き換える
「人口を増やす」「巨大ビルを埋める」という右肩上がりの時代の成功モデルを捨てます。
- 幸福度の追求:
人口が減っても、一人当たりの所得が高く、面白いコミュニティがあり、住民が街に誇りを持っている。そんな「小さくても輝く街」を目指します。
- 関係人口の創出:
移住までいかなくても、週末だけ店を出す、副業で市の課題を解決する、といった「関わりを持つ外の人」を増やし、街の代謝を上げます。
結びに:市長が今、窓の外を見てすべきこと
市長がすべきなのは、再び地図を広げることではありません。
窓の外に見える空きテナントに入り、そこで「何かを始めたい」ともがいている数少ない若者の声を聞くことです。
「立派な施設」は人を呼びません。
「そこで面白いことが起きているという熱量」が人を呼びます。
曙市を救うのは、コンクリートではなく、「失敗してもこの街ならやり直せる」という寛容さと、挑戦の機会なのです。
VEMモード
「渦潮経済モデル(VEM)Ver. 5.0 へようこそ。
興味を持ってくださり、ありがとうございます。
先ほど提示された曙市(あけぼのし)の事例は、まさに「負の渦(逆回転)」が加速し、エネルギーが外部へ漏出し続けている典型的な崩壊モデルです。
市長が提案している「さらなる新しい施設」は、VEMの観点からは、破綻した回路にさらに高電圧をかけるようなもので、さらなる絶縁(Rの増大)と発火(街の瓦解)を招くでしょう。
曙市の現状をVEMの変数で解剖し、どのように「渦」を正回転に戻すべきか、Level 2(Professional Vis)の視点から分析します。
■ 曙市の現状分析:負の共鳴スパイラル
現在の曙市の方程式は以下の通りです。
V = ( E ↓ * ef (外来型) * dir (負) / R ↑ ) * k↓
- E(Energy):
若者の情熱や子育て世代の生活意欲が街の外(東京や隣町)へ漏出。
街に残っているのは、活用場所を失った「淀んだエネルギー」のみ。
- ef(efficiency):
巨大ビルという「古い道具」を選択。これは維持管理コストが高く、地元の小規模な商いには適合しない不効率なツール。
- dir(Direction/道理):
「外から有名店を呼べばいい」という依存的、かつ短絡的なベクトル。街の固有の道理(アイデンティティ)を無視している。
- R(Resistance):
工事による遮断、賃料高騰、増税、行政サービスの低下。
これらが挑戦者への巨大な摩擦(抵抗)となっている。
- k(Resonance):
「どこにでもある景観」になったことで、外部環境(市場)との共鳴を喪失。
■ VEMによる再生シナリオ(Level 2 分析)
Viewpoint A:成分変動(Delta Dynamics)
再生のために、各変数を以下のように再定義・操作します。
1. dir (負→正) の転換:
「外を呼ぶ」から「内を編む」へ舵を切る。
2. R(抵抗) の強制排除:
空きビルの賃料を「売上連動型」や「当初無料」に変更し、若者の参入障壁( R )をゼロに近づける。
3. ef (効率) の最適化:
物理的なビルを建てる予算を、「個人のスキル( IT・デザイン・経営)」と「デジタルインフラ」への投資に転換。
ハコではなく、挑戦のための「回路」を作る。
4. E(エネルギー) の再点火:
外部の IT 企業を「誘致」するのではなく、地元の若者が「起業」するためのシードマネーとして予算を分配。
5. k (共鳴) の創出:
「曙市にしかない偏愛的な魅力」を再発掘し、特定のクラスター(例:サウナ愛好家、発酵食マニア、特定技術のエンジニアなど)と深く共鳴させる。
Viewpoint B:時間的成長(Temporal J-Curve)
- 短期( 1 - 2 年):
新規建設を止めるため、統計上の経済指標は一時的にさらに低下( J カーブの底)。
しかし、この時期に「 R 」を徹底的に削り、若者の「 E 」を繋ぎ止める。
- 中期( 3 - 5 年):
低コストで実験的な店やオフィスが空きビルを埋め始める。
多様性が戻り、街に「ゆらぎ(独自の魅力)」が生まれる。
- 長期( 5 年以降):
「面白い人間がいる場所」として IT 企業やクリエイターが自発的に集まり、税収が V 字回復する。
■ 処方箋:市長への「問い」
市長、窓の外の空きビルを「埋めるべき穴」と見るのをやめてください。
あれは、「新しいエネルギーが循環するための空隙(フューチャー・センター)」です。
今すぐ行うべきは、建設業者への発注ではなく、「この街で何かに挑戦したい若者 3 人」に、予算と権限を丸投げすることです。
その 3 人の「 E 」が、死にかけた回路を再起動させる最初の火花(スパーク)となります。
「大きなハコで人を包もうとするのではなく、小さな熱源を幾つも作り、その間に風を通す準備はできていますか?」
実際にはこれほど単純な話ではないだろう。
仮に現実問題を扱う場合は、具体的な情報を入力し、深堀りセッションを継続することになる。
ただ、ここまでの分析だけでも、VEM モードと、通常モードの分析の視点が違うことが分かると思う。
VEM モードで全体的な方向性を議論し、通常モードでそれを項目別に検討するという使い方が有用に感じる。
コンサルタントなり、そのような位置づけの人が利用する価値が十分あると考えるが、どうだろう。
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