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東京・緑が丘の何度も行きたくなる小さなカフェ『TWENTY NINE』

目黒区の緑が丘は、東京ということを忘れるくらい静かな住宅街。

東急大井町線の緑が丘駅を出てまず目に入るのは、豊かな木や植物の緑と、親子が仲良く手をつないで歩いている姿。少し深呼吸をすれば駅前のパン屋から漂う焼きたてのパンの香りに包まれます。踏切に目を向けると、電車に向かって手をふる幼稚園の子どもたちと先生の姿も。ここに住んでいる人たちの生活を少し感じることができる、あたたかな街です。

駅から徒歩3分のところにある小さなカフェ『TWENTY NINE』は、2025年4月にオープン。1年経った今では、地域に愛されるカフェとして多くの方が訪れます。

今回はオーナーのひよりさんにお店の魅力や想いについてお話を伺いました。

『TWENTY NINE』オーナーのひよりさん


◎イギリスのカフェ文化を取り入れた、居心地のいい空間

お店に入ってまず目に入るのは、象徴的なランプのあたたかい光。イスやテーブルもひとつずつデザインが違うものが置かれていて、ひよりさんのこだわりを感じます。

「インテリアは、ほとんどがヴィンテージものです。若い人からご年配の方まで、老若男女の方にきていただきたいと思っていて。そういう意味でも古くなった家具も大事にするし、新しい食器も使う。ここに来てくれる人の人生に寄り添う場所でありたいと思うので、新旧をミックスした空間をつくっています。」

お客さんの雰囲気に合わせてプレートを選ぶのも楽しい時間。
ドライフラワーではなく、フレッシュなグリーンやお花を飾るのがこだわりです。

ひよりさんがヴィンテージのインテリアを好きになったのは、イギリスで過ごしたことがきっかけでした。

「夫の仕事の関係でイギリスに海外駐在することになって、家族で5年間住んでいました。イギリスでは古くなったものを大切にする文化があって、モノを長く愛しているのが素敵だなと思って。イギリスの雰囲気をお店づくりに取り入れています。」

イギリスに思い入れがあるひよりさん。『TWENTY NINE』の名前の由来もイギリスでの生活からきています。 

「イギリスで住んでいた家の番地が29番で、そこから名前をつけました。家の近くに大好きなカフェやパブがあって、近所の人たちがくつろいでいるのが日常で、そういう雰囲気がいいなと思って。緑が丘でも日常に溶け込んだカフェにしていきたいですね。」

イギリスで過ごした思い出の29番地。ここでも良い思い出ができるように願いを込めて


◎『日常』に寄り添ったコーヒーと、『また食べたくなる』手作りのスイーツとサンドイッチ

一番人気のメニューは、手作りプリン。デザートに合うブレンドコーヒーとエスプレッソを使ったドリンク、お腹の空き具合でサイズが選べるホットサンドもオススメです。

こだわりの手作りプリンは、試行錯誤を繰り返し完成したデザートのひとつ。固めのプリンにビターでほんのり甘いキャラメルが絡み、口触りはなめらか。しっかり卵を感じる食べ応えです。トッピングに自家製のアイスをのせることもできます。食感はシャリシャリでサッパリ甘く、アクセントになっているナッツもクセになります。

「プリンは作るのが意外と難しくて、作る工程で気をつけるポイントがたくさんあるんです。固めだけどキメが細かくて気泡が入っていない、卵がしっかり感じられるプリンを突き詰めました。アイスも、卵黄と生クリーム、牛乳、砂糖のシンプルな材料で、全てこだわって手作りしています。」

おいしいスイーツと一緒に味わってほしいのは、ひよりさんがこだわって選んだコーヒー。

「『TWENTY NINE』ではハンドドリップとエスプレッソマシンの2種類の淹れ方でコーヒーを提供しています。ハンドドリップが人気で、奥沢にあるロースタリーの豆を使っています。カフェをはじめる前から好きなこちらのコーヒーは、すごく品があって美味しいんです。素直に入ってくれる味で、日常的に飲めるのが魅力だと思います。」

『TWENTY NINE』でも、コーヒー豆を購入することができます。

「エスプレッソは、オールプレスの豆を使っています。イギリスにもロースタリーがあって世界中で愛されている豆です。苦味と酸味のバランスがとれていて、クセもなくこちらも日常的に飲めるコーヒーです。」

ダブルエスプレッソで、コーヒー感を感じる一杯に
これからの夏にぴったりのアイスラテ(¥670)

さらに、お腹の空き具合でサイズが選べるホットサンドも魅力的です。ひよりさんがホットサンドをはじめたきっかけは、イギリスでの生活にありました。

「イギリスではパンが主流で冷たい食事が多かったんです。自分のお店では温かいものを出したいと思い、ホットサンドをはじめました。 自家製ミートソース、スパイスツナ、ハムチーズ、チキンマッシュルームの4種類を用意していますが、日によって選べる中身が変わります。ミートソースは子どもが食べやすい味付けにしているので、いつ来ていただいてもご用意しています。」

たくさん食べたい方は、『ハーフ&ハーフセット』(¥1,550)2種類の中身をお選びいただけます。 こちらは、上が『自家製ミートソース』、下が『スパイスツナ』です。
小腹が空いている方にオススメなのが『ハーフセット』(¥1,200) こちらは『ハムチーズ(ホースラディッシュの香り)』です。ホースラディッシュは、西洋のわさびと呼ばれていて、ほんのりスパイシーでクセになる一品です。

「こだわりは、パンとチーズです。パンは、愛知県長久手にある『ぼらぱん』さんの無添加で天然酵母の体にやさしいパンを使っています。ナチュラルチーズを3種類ブレンドしているので、食べた時のとろ〜りとした食感を楽しんで欲しいです。」

こだわりを持って選んだ食材たちを、丁寧に美味しく調理


◎カフェをはじめたきっかけは、動かなくなった電動自転車だった

イギリスに行く前は、会社員だったひよりさん。そこから未経験でカフェをはじめるまでには、ひとつの転機がありました。

「結婚して家族ができた頃、病気になってしまって仕事を辞めました。治療が終わった後は、夫のイギリス赴任が決まり、現地ではビザの関係もあって子育てに集中していました。帰国したときには仕事をしていない期間が10年近く経っていて。『これから私は何をして生きていくんだろう』と悩んでいた時に、インテリアとイギリスのカフェやパブが好きだという原点に立ち返ったんです。」

イギリスで過ごしていた時に集めていた、ひよりさんお気に入りのインテリアたち

好きなことを組み合わせて辿り着いたひよりさんの答えが、カフェでした。しかし、それまでカフェ業務の経験はゼロ。もがいていたひよりさんの背中を押したのは、自宅にあった、ある「使えないモノ」でした。

「行動を起こしたきっかけになったのは、家に置きっぱなしになっていた『動かない電動自転車』でした。ふと、私が行動を起こすにはまず直すことからかもって思って。修理してから驚くほど身軽に動けるようになって、そこからカフェのパートをはじめたんです。ずっと放置されていた自転車は、当時の自分の象徴のようでした。だけど動かしてみたら仕事がはじまり、今では自分のお店を持つことになったんです。今思うと電動自転車を直したことが今へ繋がっていたのかなと思います。」


◎緑が丘で暮らしていく中で見つけたターニングポイント

閑静な住宅街で、カフェが少ない緑が丘。どうしてこの場所なのか。それはひよりさんの人生のターニングポイントがあったからでした。

「イギリスから帰ってくる前は、緑が丘に縁もゆかりもなくて、たまたま良い家が見つかって住んだのがきっかけです。街の雰囲気が好きで、住んでいる人たちがとてもいいんです。落ち着いていて、お互い適度な距離感を保っている人が多くて、それが住宅街の良さなのかもしれないですね。
あと意外と海外の人が多いから、イギリスを思い出せるのも気に入っています。」

現在の店舗の場所は、ひよりさんが客として通っていた大好きな焼き菓子専門店『フィリカ』の跡地だそうです。
お客さんとして通っていたひよりさんに転機が訪れます。

「将来カフェをやるかもしれないから、とフィリカさんの焼き菓子教室に通い始めた矢先、お店を閉じるというお話を聞いたんです。
不動産情報を見てみたら空き店舗で出ていて。家から近く、子育てと家事との両立をするにはぴったりの場所。カフェ経営ができるかもと思って申し込みました。」

軽井沢へ移転した『焼き菓子店フィリカ』のお菓子は『TWENTY NINE』でも購入できます。
月に1〜2回お菓子を入荷していますので、都度内容は変わります。

やりたいことにアンテナをはり続けたからこそ、自分が思っていない『きっかけ』に出会えたとひよりさんは語ります。 

「情熱さえあれば、形にはなっていくと思います。パーフェクトになってから始めようと思うと、いつまでも始められない。見切り発車で怖いけれど、やってしまうと後から形がついてくるみたいなこともあるのかなと思います。」


◎地域に愛される小さなカフェ

オープンして1年が経ち、今では多くのリピーターさんに愛されている『TWENTY NINE』。

「オープン前は不安でいっぱいでしたが、『ここにカフェができて良かった』と、お客さまに言っていただけたのが嬉しかったです。
80代のおばあさまに『今まで食べたプリンで一番好みだわ』と言っていただいたり、『コーヒーが美味しくてまた来ました』と言ってくれるリピーターさんも多くいたり、地域の人に支えられているなと感じます。
月に数回、自由が丘から歩いて来てくれる90代のおじいさまや、お米パウンドを1年間毎週買ってくれる方、ミートホットサンドが好きな小学生の子もいて。
お客さまがお店の好きなところをキャッチしてくれて、何度も来ていただけることが本当に嬉しいです。」

米粉を使ったグルテンフリーのパウンド。
体にやさしくてほんのり甘い地元の方に愛される一品(¥380/テイクアウト)
店内で食べる場合は焼くこともできます。(¥400)

インタビュー中も、常連のお客様がいらして、笑顔で「緑が丘にカフェができて嬉しい」とひよりさんとお話される姿が印象的でした 。


◎緑が丘から広げていきたい『TWENTY NINE』、そして母としての願い

地域に愛されるお店となった今、ひよりさんはさらに前を見据えています。

「夢は『TWENTY NINE』を広げて行くことです。緑が丘をセントラルキッチンとして、別の場所でも小さいコーヒースタンドを展開するなど、店舗を増やして行きたいですね。」

その原動力になるのは、娘さんたちの存在です。

「12歳と5歳の娘がいて、カフェの経営をすることは子どもたちにとっていい教育だと思っています。私は会社員の道を一度失いましたが、もがいて、新しいことを見つけて、こうしてお店を開いた。その姿を見せることで、娘たちに『人生の答えはひとつじゃないよ』ということを伝えていけたらいいなと思っています 」

カフェ経営者、母として、今後の将来について語るお姿に明るい未来を感じました


◎誰もが気軽に立ち寄れる場所をめざして

閑静な住宅街の中にある小さなカフェには、ひよりさんのこだわりと想いがたくさん詰まっていました。

都会の喧騒に疲れたら『TWENTY NINE』のドアを開けてみてください。
美味しいコーヒと食事が、きっと心を落ち着けてくれます。

<詳細情報>
☕️ TWENTY NINE
📍 東京都目黒区緑が丘3丁目5-13
🚶 東急大井町線『緑が丘駅』から徒歩3分
🕘 営業時間は、Instagramよりご確認をお願いいたします。
ℹ️ https://www.instagram.com/twenty_nine_tokyo/

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