北海道移住、いきなり田舎(牧場)を選んだ僕が、札幌周辺への移住記事を見て思ったこと。
1. 「え、いきなり札幌周辺に移住するの?」という違和感
先日、ネットである記事が目に留まった。本州(内地)から北海道の札幌周辺へ移住したという方の体験談だ。
それを読んだとき、僕は思わず心の中でツッコミを入れてしまった。「北海道に移住するなら、もうちょっと田舎の方に行って大自然を味わえばいいのに。いきなり札幌周辺なんだ?」と。
僕の中での「北海道移住」といえば、もっと緑に囲まれたのどかな暮らしをイメージしていたからだ。
2. AIに諭されて知った「札幌周辺無難説」
気になって、AIにその疑問をぶつけてみた。すると、返ってきたのは意外な答えだった。
「初めての北海道移住で、いきなり不便な田舎に行くのはリスクが高い。仕事や医療、雪かきなどのインフラが整っている札幌やその周辺の街を選ぶのは、実は失敗しないための現実的で賢い選択なんですよ」と。
なるほど、確かにそうだ。本州から来ていきなり厳しい大自然の中に放り出されるより、まずは都会的で便利な札幌周辺で北海道の生活に慣れる。言われてみれば、すごく納得のいくステップだった。
3. 僕がいきなり飛び込んだのは、日高の「牧場」だった
でも、そこで僕は自分の過去を思い出す。「そういえば僕、いきなり浦河とか三石の、なかなかの田舎に飛び込んでたわ……」と。
僕が自然に包み込まれるような暮らしを送ったのは、日高地方の牧場だった。近くに静内という少し栄えた街があるとはいえ、札幌周辺とは比べものにならない本物の「地方」だ。
そこでAIがさらにこう言ってきた。「浦河や三石は、北海道の中では冬の雪が少なくて、温暖で移住者に人気のエリアなんですよ!」
その言葉を聞いた瞬間、僕は思った。「ああ、やっぱりそうなんだ。日高は雪が少ないって、現地に行く前から耳にしていたけれど、データ的にも本当にそうなんだな」と、かつて聞いていた話を思い出して納得した。
ただ、そんな日高地方について、最近寂しいニュースを知った。僕がいた頃に通っていた線路が、高波や地震の大きな被害を受けて、今は電車(列車)がなくなってしまったらしい。ただでさえ車社会の地域だったけれど、鉄道までなくなってしまった今は、きっと僕がいた当時よりもっと不便になってしまっているんだろうな、としみじみ思う。
4. だけど、現場のリアルはそんなに甘くない
……と、データの上では納得したものの、僕の記憶にある浦河の冬は、そんな甘い言葉で片付けられるものじゃなかった。
「雪が少ない」とは言われても、現地で実際に暮らすとなれば話は別だ。冬になれば、広大な牧場内をトラクターに乗って、朝から一生懸命雪かきをしていた記憶が鮮明に残っている。夏は夏で、終わりのない草刈り地獄が待っている。
いくら数字の上で「札幌周辺に比べて雪が少ない」と言われても、敷地がとてつもなく広い牧場の現場で、命がけで馬たちを守るために雪と戦っていた人間からすれば、「いやいや、めちゃくちゃ大雪だし過酷だよ!」というのが本音なのだ。
5. 帰省の途中で見た、札幌周辺の「雪の壁」
ただ、そんな僕でも、さらに上をいく光景を見たことがある。冬休みのこと、愛知県の実家に帰省するために、千歳空港へと向かっていた。その途中、札幌周辺に立ち寄る機会があったのだ。
その時に見た光景は、今でも忘れられない。道路の脇にうずたかく積まれた、大人の背丈を遥かに超えるような「巨大な雪の壁」。それを見て、ものすごく衝撃を受けた。
「おいおい、札幌周辺の雪の量、とんでもないな……」
浦河の牧場でのトラクター除雪も間違いなくハードだったけれど、あの異次元の雪の壁を見て、豪雪地帯の冬の凄まじさを思い知らされたのだった。
6. 札幌周辺への移住という選択の「正解」
こうして振り返ってみると、僕が見た記事で「札幌周辺に移住した人」の暮らしが、なんとなく予想できるようになってきた。
きっとその人たちは、普段は地下鉄やお店が揃った便利な札幌周辺で快適に生活しているのだろう。そして仕事が休みの日に、ちょっと足を延ばして周りの田舎や大自然に遊びに行く。そんな「いいとこ取り」のライフスタイルを楽しんでいるのではないだろうか。
いきなり地方の過酷な現実(冬の除雪や夏の草刈り、そして鉄道の廃線など)に直面するリスクを避ける意味でも、それはとても賢い北海道との付き合い方だと思う。
7. それでも、やっぱり地方を巡る旅は楽しい(ただしオービスには要注意)
実は、僕が浦河の牧場で働くことを決める前、別の場所にもいた。トマムにある、乗馬ができるペンションだ。
今思い返しても、当時のトマムでの暮らしは本当に不便だった。リゾートとしては最高かもしれないけれど、生活するとなると買い物ひとつとっても一苦労な、本物の大自然の中だった。
そこでしばらく働いたあと、その仕事を辞めて次のステップへ進むタイミングで、友達と一緒に北海道をあちこち車でグルッと回ったことがある。
あの不便な日常から抜け出した解放感の中、どこまでも続くまっすぐな道と、息をのむような美しい景色を旅した時間は、今思い出しても本当に楽しかった。便利な札幌周辺もいいけれど、やっぱりあの広さを体感してこそ「北海道に来た!」という感動があるのは間違いない。
ただ、北海道をドライブするなら、一つだけ絶対に気をつけなければいけないリアルな注意点がある。あちこちに設置されている「オービス(自動速度違反取締装置)」だ。
道が広くてまっすぐな分、ついついスピードが出てしまいがちになる。そして僕たちには、忘れられないほろ苦い思い出がある。
旅行中、友達に運転を代わってもらっている時のことだった。なんと、僕の車を運転していた友達が、見事にオービスに引っかかってしまったのだ。
後日、車の持ち主である僕の元へ、警察から一本の電話がかかってきた。あの時の焦りといったらなかった。僕はただただ正直に「運転していたのは友達です……」と白状した。
その後、警察でその時の写真を見せてもらった友達から話を聞いて、僕たちは二度驚くことになる。なんと、オービスの写真には、僕たちの姿がものすごく鮮明に、それはもう綺麗に写し出されていたらしい。日本の警察の技術力を、こんなところで無駄に実感させられるとは思わなかった。
ぐうの音も出ない証拠を突きつけられ、結局、かかった罰金は友達と二人で「折半」して支払うことになった。今となっては笑い話だが、当時の僕たちの財布にはなかなかの大打撃だった。
最後に
実を言うと、僕はもう牧場の仕事を辞め、今は地元である愛知県に戻って暮らしている。
いきなり便利な札幌周辺へ移住して、安全に「いいとこ取り」の北海道を味わう生活。いきなり日高の牧場へ飛び込んで、厳しい自然と戦いながら、本物の大自然に包まれる生活。
どちらが良い悪いではなく、どちらも北海道のリアルな姿だ。
AIに言われて思い出した、日高は雪が少ないという話。自分が浦河で凍えながらトラクターを走らせたあの広い牧場の白さ。実家へ帰る途中に見た、札幌周辺の圧倒的な雪の壁。そして、トマムの不便な生活を終えて次の場所へ向かう途中に、高画質なオービス写真のおかげで友達と罰金を折半する羽目になった、あの忘れられないドライブ。
愛知の温かい街並みの中で暮らす今でも、目を閉じればあの広大で、厳しくも美しかった北の大地が鮮明に浮かんでくる。そのすべてが、僕の大切な、そして誇れる一生の思い出だ。
これから北海道を目指す皆さん、移住先がどこであれ、冬の除雪と、夏の草刈りと、そしてオービスの高画質なカメラ性能にだけは、どうかお気をつけて!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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