📚 切り込み決死隊から生還した祖父 ― その名を見つけた日
■ 出会いは一本のYouTube動画から
昨日、YouTubeで偶然「ピボットーク」という番組を目にしました。
ゲストは行政書士の 丸山学さん。テーマは「先祖の探し方」。
普段「家系図」や「先祖探し」という言葉はどこか堅苦しく、ドラマや歴史番組の中だけの話のように思っていました。
しかし、この動画では「先祖探しが、今は誰でも身近にできるようになった」と語られていたのです。
丸山さんはこう強調していました。
「先祖探しとは、究極の自分探しです」
なぜなら、私たちは知らず知らずのうちに、祖先が積み重ねてきた文化や習慣、時には苦難までも受け継いで生きているから。
そのルーツを辿ることは、単なる趣味ではなく「自分とは何者か」を知ることにつながる。
■ 革命的に簡単になった「先祖探し」
動画の中で紹介されていたのは、ここ数年で起きた 二つの大きな革命 でした。
1. 戸籍の広域交付制度(2024年3月開始)
従来、戸籍を遡るには「本籍地」の役所へ請求する必要がありました。
しかし今は、全国どこの役所からでも、自分の祖先の戸籍をまとめて取得できる。
これにより、かつては役所ごとに郵送請求を繰り返していた膨大な手間が、10分の1以下に減ったと言います。
場合によっては 1日で5代前=江戸時代後半までの先祖にたどり着ける こともあるそうです。
2. 国会図書館デジタルコレクションの全文検索
さらに衝撃的だったのがこちら。
国会図書館が所蔵する 数百万冊の書籍をデジタル化し、全文検索可能に したというのです。
これまでは有名人でなければ書籍に名前が載ることは稀でした。
しかし、全文検索のおかげで 一般の人名も古い書籍からヒットする。
「曽祖父が医師の名簿に載っていた」
「曾祖母が趣味で短歌を詠んでいたことが分かった」
「祖先が万博に出展していた」
そんな発見が相次いでいるそうです。
■ 実際に祖父を調べてみた
半信半疑のまま、私は 父方の祖父と祖母 の名前を入力してみました。
ふたりはどちらも 12人兄弟 という大きな家族の中で育ちました。
だからこそ「記録に残ることはないだろう」と思っていたのです。
ところが――出てきました。
祖父は 大東亜戦争中、「切り込み決死隊」の一員 として従軍していたのです。
しかも、任務を生き抜き、戦後も帰還。
その後の足跡までもが 昭和期に出版された書籍に記録されていた のです。
Google検索では絶対に出会えない情報。
国会図書館のデジタルアーカイブに潜んでいた「生きた証」。
画面に表示された文字を前に、しばし呆然とするしかありませんでした。
■ 「数字」ではなく「物語」としての記録
戸籍や古文書に刻まれているのは、確かに「数字」です。
生年月日、死亡日、本籍地――どれも事務的な情報に過ぎません。
けれども、その背景には必ず「物語」があります。
「決死隊」という言葉が持つ命がけの重み
帰還しても名が記録に残ったことの意味
同じ戦中を生き抜いた12人兄弟の家族史
こうした断片が一冊の書籍から立ち上がった時、私は「数字」ではなく「血肉」を感じました。
■ 先祖探しは覚悟も必要
動画の中では注意点も語られていました。
国会図書館のデジタル検索で出てくるのは、名誉な記録ばかりではありません。
時には裁判記録や事件の資料に祖先の名が出てくることもある。
つまり「先祖探し」は、光と影の両方を受け止める覚悟が必要な旅でもあるのです。
■ 読者の皆さんへ ― 実際にやってみる方法
もし「自分の先祖を調べてみたい」と思ったら、この手順がおすすめです。
戸籍を広域交付制度で取得
→ 最寄りの役所からでも申請可能。明治19年式まで遡れれば、江戸後期の先祖に出会える可能性あり。国会図書館デジタルコレクションで検索
→ 国会図書館デジタルコレクション にアクセスし、名前や地名で検索。思いがけない発見があるかもしれません。利用者登録を忘れずに
→ 詳細な資料や送信サービスの利用には、国会図書館の会員登録 が必要です。
→ 無料でオンライン申請可能。郵送でも受け付けています。
➡ 国立国会図書館 利用者登録ページから登録してみてください。
■ 行動チェックリスト(今日からできること)
最寄りの役所へ行って戸籍を申請
→ 広域交付制度を利用して、まずは「明治期まで」遡れるか確認。国会図書館デジタルコレクションで検索
→ こちら から祖父母・曽祖父母の名前や本籍地を入力。会員登録をして送信サービスを活用
→ 利用者登録ページ から無料で登録。詳細資料や遠隔閲覧が可能に。
■ まとめ ― 記録は「生きた証」
戸籍とデジタルアーカイブを組み合わせれば、誰でも祖先に出会える
記録は数字ではなく「物語」であり、「生きた証」そのもの
先祖探しは「自分を探す旅」
そして、私にとって忘れられないのは――
祖父が切り込み決死隊の一員として戦い、生還し、その名が書籍に残っていた という事実です。
記録とは、数字ではなく「魂の痕跡」。
祖先を知ることは、私たちが「誰なのか」を思い出すことに他ならない。
山師だった祖父は、僕が幼い頃に戦争のことを尋ねると、どう答えるべきか迷っているような表情を見せることがありました。
その姿を思い返すたびに、祖父が生き残って帰ってきてくれたから、いまの自分が存在している のだと実感します。
もし「決死隊」という言葉の通りに命を落としていたなら、僕はここにいなかった。
そう考えると、祖父はまさに 僕のアイデンティティを形づくる象徴 です。
生き抜いて帰還してくれたこと、その人生そのものを、心から尊敬しています。
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