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ロール

私がトイレ掃除を終わり。トイレの前で、床に屈んで荷物整理をしている間に、さっちゃん(注1)がその、綺麗なトイレに入った。

「綺麗なトイレで良かったね」

「うん」

「快適だね」

「うん」

「トイレ掃除をしてくれる夫で良かったね」

「うん、まあ」

そして、カラカラと音を立て、何かを廊下に投げてきた。

トイレットペーパーのロールだ!



心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

コジ、ロール、捨てろってさ。


……。


私のことを、犬かなにかと思っているのじゃないだろうか。


ちょっとさっちゃんの方を、キッと、見上げると。

見下げるように目を合わせてきて。

「書いてあるから」

「え?」

「だから、書いてあるから、私の気持ち」

もう一度、投げられたものをよく見ると……。

なんか、確かに書いてある……


「……りがとうござ……?」


「だから、ありがとうございます!」

バンッ!と、扉は閉められた。



なんのはなしですか。

おいおいおいおい、ちょっと待て


昼間のそんなこんなを家内と語らおうとしてソファーに目をやると、家内が脚を指さしてニッコリと笑って言った。

「コジくん、トイレ掃除もそうだけど。マッサー(注2)は、もっとちゃんとやろうか」


……。


マッサージをすると、家内は上機嫌になる。

家内が上機嫌だと、我が家は平和である。


だから。


これで、いいのだ。

我が家の便利屋稼業だけは、リタイアでき無さそうだ


(注1)さっちゃんとは、家内のことである。我が家の実質の最高権力者なので、別名、女王陛下という呼び名もある。

(注2)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。


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ロールくらいは、自分で捨てようよって、話


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