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リス

私は、リスのようである。

こんなことを言っても、何のことだかわからないだろう。

リスは、とっても忘れっぽいらしい。そこが、私と似ているのだ。

リスは、冬に入る前、木の実などのたくさんの食べ物を拾い、頬張り、色んなところに隠して備蓄していく。

ところが隠したところを忘れてしまって、結構探すのだという。

恐らく、ここら辺に埋めたぞ、隠したぞ、とか独り言を言いつつ、探し回るのだ。

そして、漸くにして、見つけていく。


私は、夏物、冬物を、衣替えともなく、ちょっとしたところに固めて置いておく。

季節は過ぎる。そして、それを忘れてしまう。

この冬、お気に入りの指ぬき手袋が見つからず、とうとうAmazonで購入してしまった。

こんな、指が出てる手袋は必須なのだ


心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、つぶやいた。

コジ、リスは、でも、森の再生に役に立ってるんじゃなかったっけ?


そうなのだ。


リスは、こうしていくつかの隠した木の実の在処を忘れてしまう。

だが、そのお陰でその木の実は芽吹き、新たな世代の木として育ち、バランス良く森を再生するのに役立っているのだという。


私の忘れっぽさは、ただ、家内を怒らせる材料にしかならぬ。



なんのはなしですか。

忘れっぽいって、やだねぇ


そんなこんなを家内と語らおうとしてソファーに目をやると、家内が脚を指さしてニッコリと笑っていた。

「コジくん、その新しい手袋、結構するよね。値段。罰としてマッサー(注2)倍返しね」



やっぱりね……。



マッサージをすると、家内は上機嫌になる。

家内が上機嫌だと、我が家は平和である。


だから。


これで、いいのだ。

マッサーは、我が家の万能免罪符なのだ


(注1)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。


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忘却は役立つものと無駄なものがあるって、話

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