ショートショート_テレパシー
夜桜と共に、激動の今日一日を忘れようと思っている。そろそろ、家を出る。
今日は川沿いを歩いて、ナマステキッチンに、ナンロールを買いに行くつもりだ。
川沿いには、桜並木がある。毎年、ほんの一瞬でも桜を見ることにしている。
昨年は、長男と長女と、公園の夜桜を見た。今年はひとり、この桜並木の道を通り、夜桜見物と洒落込もう。
でも早く帰宅しないと、持ち帰りの仕事が終わらない。それと、マッサージも。
いろいろ思いを馳せている間に、夜が忍び寄ってきた。
そんな日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「夜桜と」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?ということで。
そして、たらはかにさんからのお題は…。
表のお題が【LOVE怪談】で。裏のお題が【ラブカ奇譚】|д゚)チラッということだ。
また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は、少し早めに出る。
今週の青ブラ文学部のお題は、「4月生まれの君へ」というお題で作品を書いてみませんか?ということで。
お題は文中に入れ込もう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジ、「荒技師」だなんて、あんまりおおっぴらに言わないほうがいいよ。
うむ……。そうだな。
3人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。ほんとうに励みになる。
また、今回は、taneさんのシロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として書いてみる。
今週も、「シロクマ文芸部・夜桜と」で検索して飛んで行き、「シロクマ感想文」を少し、コメントにて残した。
ゆったりとした流れが好きだ。taneさんのこの記事の。
桜を見つつ、ワイン片手に。
実に、粋だ。
私も、いつか、やってみたくなった。
今、家内がリビングでつけっぱなしのテレビのニュースで、「都心の桜が満開を迎えた」と、言っていた。
まだ、ほの寒いのに……。
やらねばならぬ要件もあるというのに、ふと、夜桜を見に行きたくなった。たった今。
家内は未だうたた寝をしていて。日頃の疲れも癒やしてほしいので、そっとひとり、カギをかけて出かけよう。
春は、きっと。私も、好きなんだろうと思う。
noteの世界の同志を思い、空を見上げることにしよう。
今、生きていられることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉(シロクマ文芸部)と、たらはかにさんの裏表のお題(毎週ショートショートnote)、そして山根あきらさんのお題(青ブラ文学部)、4ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで、5重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。
今週は5重の荒技だ。
うむ。
これで何週間だろうか。
まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟つぶやいた。
まるで、悪ガキそのものだな。
まあな。
なんのはなしですか。

さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「遠雷」約410字を、どうぞ。

夜桜と水槽を眺めつつ、ひとり財前は研究所の中庭にいた。
少し古びた木箱の上にぐい呑みを置き、芝生に胡座をかいて座っていた。
水槽は密閉されて厳重に温度・水圧管理をされている。そこに、幻の深海のサメが悠然と泳いでいる。
ラブカはほぼ生態が解明されていない。飼育など不可能だ。本来なら。
財前はふとしたきっかけで番を捕獲し。地上での飼育に成功。さらに産卵、孵化、次世代を今、育てている。
ふと財前は背中に気配を感じた。
会話が聞こえる。
「大きくなったね」
「そうね、元気ね」
「僕たちの愛の結晶だね」
「ほんとうに」
「財前は、ナギをどう育てるだろう?」
「多分、相棒のように育てるでしょう」
「来たるべき日のために」
「そう。未来のために」
唐突に気配は消え。そしてナギが話しかけてきた。
「財前は、誰に手紙を書いているの?」
「4月生まれの君へ」
書き出しで止めて、財前はゆっくりと酒を飲み干した。
風が吹き、花冷えの空に花弁が、いくつも流れ飛んでいった。

さっちゃん(注1)に、今日の荒技が終わったとソファーを振り返って話しかけると、さっちゃんは笑って言った。
そんな時間があるなら、もっとマッサー(注2)に使ってもらっていいのよ。今日は日曜日だし、また倍返ししてもらおうかな。
……。
マッサーをすると家内は上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。

(注1)さっちゃんとは、家内のことである。我が家の実質の最高権力者なので、別名、女王陛下という呼び名もある。
(注2)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。

