荒技ショートショート_ 誓い
夏休みに、既に入っている。
しかも世間の人より一日早めにとりはじめた。
初日はあまりにも疲れていたので、一日何もせずにオフにした。
2日目。外出のミッションがあったので外出。意外に、全部片付いた。
3日目。これは家でのミッションがあり。これはこなした。その後、ダラダラした。
この、だらだらの仕方が良くなかった。
酎ハイを飲みつつ甲子園の試合を寝転んで見た。応援していたチームが敗退し。やけになって更に飲んだ。
恐らくは…この調子で夏休みがこのまんま終わる。いつもの調子で。
そんな日曜日の夕方に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、毎週木曜日に出る。
「夏休み」 からはじめるnoteを自由に書いてみませんか?
ジャンルは小説・詩歌・エッセイなど何でもOK。はじめてnoteを書く人も自己紹介の代わりとしてお気軽に!と、いうことで。
そして、田原にかさんからのお題は…。
お題が【迎え火オペラ】|д゚)チラッ (オボンデスネ)と、いうことで。
また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は…。
今回のお題は、「九回裏ツーアウト」というお題で、作品を投稿してください。創作でも、高校野球でも、プロ野球でも構いません。小説、エッセイ、イラストなど形式も自由ですです、とのことで。
今回は、これを文中で使ってみよう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジ、「荒技師」だなんて、あんまりおおっぴらに言わないほうがいいよ。
うむ……。そうだな。
3人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。ほんとうに励みになる。
また、今回は、印度亜派さんのシロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として書いてみる。
「シロクマ文芸部・夏休み」で検索して飛んで来ました。
コメント欄に、シロクマ感想文を、ほんの少し書かせて頂きます。
遙か昔に過ごした夏休みを、懐かしく思い出しました。
夏の終わりの切なさ、焦燥感は、今でさえ現実の世界で。
会社イヤイヤ病、仕事イヤイヤ病という不治の病のピークが夏の終わりの夜に私に襲ってきます。
今年こそ完治させようと思いつつ。本当に不治の病のようです。
夏休み。
心昂ぶると同時に、心の痛みを感じる、年中行事ですね。青春のあいだも。枯れ果てた今でさえ。
諦念を誘う良い作品を読ませて頂きました。
今、生きていられることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉(シロクマ文芸部)と、たらはかにさんの表のお題(毎週ショートショートnote)、そして山根あきらさんのお題(青ブラ文学部)3ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文と、全部で4重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。
そうだ、今週は4重の荒技だ。
うむ。
これで何週間だろうか。とうとう3年8ヶ月に突入した。
まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟いた。
まるで、悪ガキそのものだな。
まあな。
なんのはなしですか。

さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「ショートショート_ 誓い」約410字を、どうぞ。

夏休みに、泉は一応、入った。
ミッション中の格闘で。今まで破られたことのない“絶対防御”が初めて破られ、ブロックした手の甲に絆創膏一枚分、皮膚の表面にほんの少し赤い線が残る程度の掠り傷を負わされた。
これが悔しくて仕方がない。あの日から、何日も経っているのに。
相手は人魚怪人。
ひとり援護の無い状態のうえ、砂浜しかも水際での攻防で。
得意技の後ろ蹴りを入れられない状態から左ストレートで引き摺り込まれる寸前に決着をつけた。
言わば終始攻め立てられ三点リードされた九回裏ツーアウトからのサヨナラホームランという起死回生の捕り物だった。
お盆のお経と送り火の前に。ひとり部屋に隠り、ヴェルディの「イル・トロヴァトーレ」を聴き続けた。
聴き続けているあいだに、悟りを開いたように感じた。後悔が覚悟へと昇華したのだ。
日が落ち、階下で母と合流し。経を上げ、近くの河原まで出向いた。
今後更に精進し、二度と不覚をとるまいと、ご先祖様に心から誓った。

《余滴》
さて。今週の荒技の解説です。特に、田原にかさんの「毎週ショートショートnote」のお題の。
ショートショートnoteカードゲームでは、お題の言葉そのものを入れ込まないで匂わせるのを流儀としています。私としては。
小牧幸助さんの書き出しのお題や、山根あきらさんの青ブラ文学部のお題、私が水曜日に書いている「三題噺」の三つのお題は、その言葉そのものをストレートに文章やタイトルに入れ込むのですが、田原にかさんのお題は、言葉そのものは入れ込まず、“匂わせる”という流儀に沿い、なるべくそうしていっている“つもり”なんです。
しかし一方で、私のこの「荒技」に、お題そのものを探し続ける方もいらっしゃいまして。
ですので、今回も少しだけ解説を。
もちろん苦情は受け付けません。これこそが「荒技」ですから。笑
◆田原にかさんのお題【迎え火オペラ】の匂わせ度について→
今回、「迎え火」という言葉は使っていません。
お盆のお経、送り火、ご先祖様。そしてオペラ。
泉がひとり部屋に隠って聴いていたのは、ヴェルディの「イル・トロヴァトーレ」です。
このオペラ、物語の根底にあるのが「復讐」です。母を火刑にされたアズチェーナが、その復讐を胸に生き続ける物語で、「火」も重要な意味を持っています。
今回は、絶対防御を初めて破られた泉が、その悔しさを胸にこのオペラを聴き続ける。
もちろん泉は復讐を誓ったわけではありません。後悔を覚悟へと昇華させ、最後はご先祖様に「二度と不覚をとるまい」と誓う。
そんな形で、「火」「オペラ」「復讐」というところから、お題を匂わせてみました。
◆山根あきらさんのお題=【九回裏ツーアウト】について→
今回は、野球の場面そのものではありません。
人魚怪人との攻防を、「三点リードされた九回裏ツーアウトからのサヨナラホームラン」に喩えてみました。
援護なし。砂浜。しかも水際。得意の後ろ蹴りも使えない。
追い詰められながら最後には怪人を確保した泉の起死回生ぶりを、野球で表現してみたつもりです。
◆小牧幸助さんのお題=【夏休み】について。
冒頭、そのままです。
泉は夏休みに、一応、入りました。
ただし、絶対防御を初めて破られたことが悔しくて仕方がない。夏休みだというのに、頭の中は反省と鍛錬のことでいっぱいなのでしょう。
負けず嫌いの泉らしい夏休みです。笑
今回のタイトルは、「誓い」です。
前々回の『布告』、前回の『絶対防御』から、そのまま続いています。
絆創膏一枚分の掠り傷。客観的に見れば大した怪我ではありません。
ですが泉にとって重要なのは、怪我の大きさではなく、今まで一度も破られたことのなかった“絶対防御”を破られたという事実。
だからこそ、その悔しさは何日経っても消えません。
そして最後には、その悔しさを覚悟に変え、ご先祖様に更なる精進を誓いました。いかにも負けず嫌いですねぇ。笑
今日のお節介な解説はここまでです。
何ですと?
泉はこれから、もっと強くなるのかって?
それは、勿論。絶対防御は、二度と破られることはありません。
でも、そこを本文に書いてしまったら、荒技になりません。笑笑
ちなみに今回のカバー画像は、「送り火」で検索して選びました。
それにしても荒技。毎週毎週、本当に頭と時間を使います。
ですが、こうして前の物語が次の物語へと繋がっていくのも、作者として何より楽しい時間でもあります。
そんなこんなを家内と語らおうとしてソファーに目をやると、家内が脚を指さしてニッコリと笑っていた。
「コジくん、今日は休日出勤だったから、マッサー(注1)今からU-NEXTで『半沢直樹』見るから。倍返しね!」
「…」
マッサージをすると、家内は上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。

(注1)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。

