癖
人にはそれぞれ、癖というものがある。
もちろん私にもあるし。家内にもある。
夫婦は他人だという言葉もあるが。長年連れ添って、一緒にいることを考えると、それはもはや、他人という言葉では済まされない。
その人の癖が、別の人の気にならないとなれば、まあ、良いのだろうが。
人間というものは勝手なもので。だいたい、他の人の癖は気になり、そして、気に入らないのである。
家内の癖のうち、かなり私の気になるのが、ゴミのことである。
そのうち、今日はひとつを紹介しよう。
それは、これである。

トイレの掃除や整えについては、次女が就職してから正式に私の仕事になったから、まあ、私の問題でもあるのだが。
トイレットペーパーのストックを手の届く範囲にきちんと置いておくことについては、怠ったことがない。
ところが。使い切ったタイミングで、このロールの芯を、再生紙入れに入れることについては、それぞれに任せるというのが本来の正しいトイレの使い方であろう。
ところが……。
必ず、そのまま放置されている。
そのたびに穏やかに言うのである。注意を促し、諭し、言い含め、理解を求め、納得してもらう。そして、最後には笑って話を終える。
だが。
それは、繰り返される。永遠に。恐らく、私がこの世を去るまで。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジ、それは、ちょっと言い方がオーバーだな。たとえ、それが正しく。事実ではあっても。
うむ。
ある日、家内とその話をしようと思ったら、家内が、次女を諭しているではないか。その話題で。
「ロールは、再生紙に入れようね」
そして、家内に聞いた。
「え?犯人は、M(注1)なの?全部?」
すると即座に、家内が答えた。
「いや。私が放置しているものを、再生紙入れに入れておいてね、見たらって、Mに、言ったの」
……。
なんのはなしですか。

そんなこんなを家内に語ろうとしてソファーをみると、家内が脚を指さして笑って言った。
コジくん、いつもトイレの掃除や整え、芯の処理、ご苦労様。今日は、倍返しでいいよ。
……。
マッサージをすると、家内は上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。

(注1)Mとは、長女のことである。私にはかなりキツいが。根は、優しい子である。

