ショートショート_隠滅
曇り空。風や雨や雪、そういう晴れとは縁遠い天候の予兆だ。
それは、「一天にわかにかき曇る」とかいう、不吉を匂わせる表現にも通ずる。
気持ちも、「どんより曇っている」なんていうと、かなりモチベーションが低いのである。
今日は、土曜日からの遠征で、次女の試合を見に来ていた。
晴れた昨日とは打って変わり、曇り空。やがて雨が降ってきた。
試合は負けたが、全てを出し切ったチームの姿がそこにはあった。次の試合は、きっとまた、全てを出し切る彼女らが立っているような気がした。
全てが整うと雨が降るという。曇り空が泣くと、新たな道が開けるのかもしれないと思った。
そんな日曜日の午後に、またもや、荒技をやってしまった。
さて、小牧幸助さんの、シロクマ文芸部の最新お題は、木曜日に出る。
そして、今回のお題は、「曇り空」から始まる小説・詩歌・エッセイなどを自由に書いてみませんか?ということで。
そして、たらはかにさんからのお題は…。
表のお題が【おとぎ話診療所】で。裏のお題が【噂話製粉所】|д゚)チラッということだ。
また、山根あきらさんの、青ブラ文学部のお題は、少し早めに出る。
今週の青ブラ文学部のお題は、「みなもに揺れて」(水面に揺れて)といお題で作品を書いてみませんか? ということで。
お題は文中に入れ込もう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジ、「荒技師」だなんて、あんまりおおっぴらに言わないほうがいいよ。
うむ……。そうだな。
3人の企画は両方とも、膨大な数のファンの方、参加希望者を抱えていらっしゃって。お題を出すだけでも、大変だと思うのである。それでもお題を出してくれる。毎週。ほんとうに、ありがたい限りだ。ほんとうに励みになる。
また、今回は、涼夕璃さんのシロクマ文芸部作品を読んでみた。ちょっとその感想を、シロクマ感想文として書いてみる。
今週も、「シロクマ文芸部・夜桜と」で検索して飛んで行き、「シロクマ感想文」を少し、コメントにて残した。
文字を揃えて紡ぐ詩。
曇り空は、涼夕瑠さんにとっては、いろんなメンテナンスの機会なんだろう。
なるほど。
そう考えてみれば、それが良いのかも知れない。
そう捉えてみれば、あの鈍色の空が、落ち着いた、自らを省みて、慰め、褒め、認める大切な時間に思えてくる。
物事は、捉えようだ。
これから先、曇りの日は、「メンテイベ」にしたいと思う。
素敵なアイデアをもらうことが出来た。noteの世界にいると、こういう気持ちの入れ替えができる。本当に、有り難い。
今、生きていられることに感謝して。今宵も、月に祈ろう。
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
せっかく出していただいたお題を、小牧幸助さんの始まりの言葉(シロクマ文芸部)と、たらはかにさんの裏表のお題(毎週ショートショートnote)、そして山根あきらさんのお題(青ブラ文学部)、4ついっぺんに書く荒技。まして、シロクマ感想文まで、5重の荒技。あまりにもやりすぎじゃないかな。
今週は5重の荒技だ。
うむ。
これで何週間だろうか。
まあ、続けられるだけ、続けるさ。
心の中の、リトルkojuroが、また、ボソリと、呟いた。
まるで、悪ガキそのものだな。
まあな。
なんのはなしですか。

さて。それでは、本編にまいりましょう。今週の荒技、「隠滅」約410字を、どうぞ。

曇り空が鬱陶しいある日の午後、涼は最近出来た街外れの製粉所に出動した。
怪しい工場だとタレコミがあったのだ。
透視ツールを駆使して調べたが、分析できない謎の粉末を製造している。
ここの社長の亀有氏は、経歴書を見ると怪しいところは無いものの、それは虚偽のように思われた。今月突如としてこの「竜宮堂」を設立し工場を稼働して製粉をしているようだ。
本部を動かした情報は、従業員の浦島氏が診療所に担ぎ込まれ。あり得ないほどの老衰で死亡したという話だった。
彼は粉を吸引してしまったのだ。身分証明書は持たず、不思議な古銭をいくつも持っていたという。
涼が推理するに。
「竜宮堂」は、過去の人をタイムリープをさせている。そして、証拠隠滅のためのツールがこの粉なのではないか。
ただ、その理由がわからない。
涼は意を決して「竜宮堂」に乗り込んだ。
すると……。そこは既にもぬけの殻で。
微かな粉が、静かに床の水溜まりの水面に揺れていた。
全てが、謎となった。

さっちゃん(注1)に、今日の荒技が終わったとソファーを振り返って話しかけると、さっちゃんは笑って言った。
そんな時間があるなら、もっとマッサー(注2)に使ってもらっていいのよ。今日は日曜日だし、また倍返ししてもらおうかな。
……。
マッサーをすると家内は上機嫌になる。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。

(注1)さっちゃんとは、家内のことである。我が家の実質の最高権力者なので、別名、女王陛下という呼び名もある。
(注2)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。

