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【ポルトガル生活】向こう岸まで歩いてみようか。

1月のポルト。晴れた日は、冬とは思えないくらい過ごしやすい。

「今日は天気がいいから、向こう岸まで歩いてみようか。」

妻のそんな一言で、散歩が始まった。

ポルトは坂道と階段だらけの街だから、歩くにはちょっと気合がいる。
でも、その分だけ素敵な景色に出会えるので、やめられない。

風に吹かれて、ドン・ルイス1世橋へ

まずはポルトのシンボル、ドン・ルイス1世橋の上層を歩いて対岸のガイア地区へ。

高いところが少し苦手な自分でも、この眺めには思わず足が止まる。鉄のアーチの隙間から吹き抜ける風が気持ちいい。

見下ろすと、オレンジ色の屋根がびっしり並んでいる。陽の当たり方で、毎回少し違って見える。

ガイアの路地裏で

橋を渡った先は、見晴らしのいい公園。そこから石畳の坂道を下っていく。

ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアの裏道は、石造りの古い壁が続いていて、どこか懐かしい雰囲気がある。「この先、何があるんだろうね」なんて言いながら、あえて地図を見ずに歩く。

こういう冒険も、ふたりだと楽しい。

カフェ「7g Roaster」でひと休み

少し歩き疲れたころ、黒いお洒落な看板を見つけた。「7g Roaster」。路地裏にひっそりとある、隠れ家みたいなカフェだ。

ポルトガルでも有名なスペシャルティコーヒーのロースターで、「世界のベストコーヒーショップ100」にも選ばれているらしい。

席について、自分はカプチーノと日替わりのチーズケーキ。妻はフラットホワイトとバナナのケーキ。ふたりでシェアしながら、糖分チャージ。

静かで居心地がよくて、つい長居しそうになる。

ドウロ川とラベロ船

カフェを出て路地を抜けると、目の前にドウロ川が広がっていた。

川面には、昔ワイン樽を運んでいたラベロ船がゆらゆらと浮かんでいる。川沿いをぶらぶら歩く。ここだけ、時間がゆっくり流れている気がする。

橋を見上げる

川沿いを歩いていると、さっき渡ってきた橋を見上げるスポットに出た。

下から見ると、迫力がすごい。

「あんな高いところを歩いてたんだね。」

ふたりで笑いながら、記念に一枚。

ふたたび対岸へ。心臓破りの階段と音楽

橋の下層を渡って、再びポルト側へ。ここからは、リベイラ地区から上の街への帰り道。つまり、ひたすら登り坂と階段。

息を切らして登っていると、どこからか音楽が聞こえてきた。階段の下を覗くと、ストリートパフォーマーが演奏している。

ポルトでは、こういう光景をよく見かける。音楽と、周りの人たちの笑い声。石段に腰掛けて、ただぼーっと景色を眺める。この時間が、なんだかとても贅沢に感じる。

階段の途中で見つけた景色

さらに登っていく。ふと横を見ると、視界が開けた。

手すりの向こうに、オレンジ色の屋根とドウロ川。夕暮れが近づいて、街が少しずつ黄金色に染まり始めている。

足はもうパンパンだけど、この景色が見られるなら、坂道も悪くない。

アズレージョの青、サント・イルデフォンソ教会。

ようやく坂を登りきって、バターリャ広場の近くへ。

目の前に現れたのは、サント・イルデフォンソ教会。約11,000枚の青白いアズレージョで覆われた壁面が、夕方の柔らかい光を受けていた。派手すぎない、凛とした佇まい。こういうのが好きだなと思う。

バターリャ広場に着く頃には、空は淡いグラデーションに変わっていた。ペドロ5世の像とサン・ジョアン国立劇場のシルエットが、今日の散歩の終わりを告げているみたいだった。

「よく歩いたね。」
「今夜はワインが美味しいね。」

石畳の感触を足の裏に残しながら、家路につく。
特別なことは何もない。でも、最高の一日だった。


この日の散歩を、短い動画にしました。
歩いた景色を、少しだけ。

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