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kanatacoomi
ちょい読み 2025/ 5/15
・ 『星宿海への道』 宮本輝 著(幻冬舎文庫 平成17年)
【千夜千冊・以外】 233 / 470 頁
現代医学を批判し、医食同源の考えを、
あちらこちらで書かれていたかと思う。
この小説で取り上げられたのは、<蘇>という牛乳を煮詰めたもの。
<蘇を作る法は、牛乳一斗を煎じて蘇一升を得る>、
つまり牛乳を十分の一に煮詰めたもの
(・・・)
醍醐は蘇の精液
(・・・)
醍醐味という言葉が、蘇の精液を味わった際の極限の美味から生じている
(・・・)
「弱火で何時間も煮て、どろどろにしていくうちに、
科学ではわからんような何かが、
牛乳のなかにおこっているのかもしれへんねぇ」
「精液」という言葉は、今では後ろめたい言葉になってしまった。
しかし、昔は、希少であり核であるものに対し、言われていたのだろう。
陥れられてしまった思想=言葉は、ほかにもいろいろあるのだろう。
物語の折り返し地点まで進んだ。
シルクロードで失踪した男性は、見つからぬまま一年以上が過ぎた。
彼が思いを寄せた、黄河の源流という伝説の「星宿海(シンシウハイ)」。
主人公(失踪した男性の弟)が兄を回想し反芻する中で、
兄の、産みの親への思いと、「星宿海」への憧れが共鳴してくる。
