ちょいよみ 2026 03 14 朝
1999年以降、副島隆彦氏の著書を読むようになった。
それから十五年くらいは、新刊を求め、頁をめくった。
ジャンルは、国際政治思想。
あまり考える力のない私は読むだけで精一杯だった。
自分で考えて肚に落としてこなかったのが、離れる原因だったのか。
それでも、不定期に、読んでいた。
ヒラリー・クリントンがもしかしたら逮捕されるかもしれない時
とか。トランプ大統領の時代が訪れた時とか。
また、古村治彦氏(アメリカ政治思想)は、
お弟子さんと言えようが、
お弟子さんではなくとも、「学問道場」門下生と言えるかもしれない
崎谷博征氏の著書とか。
そして、松岡正剛氏「千夜千冊」の拾い読みの後、
また、副島歴史学のようなものの再読欲求が出てきた。
・ 『歴史に学ぶ知恵 時代を見通す力』 副島隆彦 著(2008)
【千夜千冊・以外】 再読 22 / 312 頁
この本の最初の方に、中国(南宋)官僚であった文天祥の姿絵が記載
されていて、それは脳裏に残った。あの絵のあたりに書かれていた
事をもう一度ということで再度手にした。
正直、「まえがき」だけで十分かもしれない。
これは読む価値がないという意味ではなく、
そこに主旨が凝縮されているので、引用するなら、ここだろう、
という意味あいです。
始めこの本では、高邁な日本知識人たちの思想の系譜を描こうと思った。
文天祥という南宋時代の末(十三世紀、元寇と全く同じ時期)の官僚で、
モンゴル(元)に絶対屈さないで新年を通して死んだ大人物の思想が、
日本の江戸時代の儒学者である山崎闇斎、浅見炯斎に乗り移り、
体制反対派の山鹿素行、熊沢蕃山にも乗り移り、やがて幕末の
平田篤胤と頼山陽の「尊王と復古神道」思想のブームにつながった。
水戸学も吉田松陰も、『史記』列伝と文天祥がお手本(鑑)である。
さらには明治の国体(王政復古)、そして、昭和の軍人たちのいきり立つ
軍国主義(田中智学の八紘一宇、大東亜共栄圏)の大間違いにまで
つながった。
それでアメリカに原爆を落とされて大敗北を喫して消えてなくなった。
現在の日本政府が、明治政府から連なるものであるならば、
それ以前、江戸幕府、いや、江戸時代に受け継がれてきたものこそ、
先達である中国。十三世紀、南宋の文天祥の姿を感じたい。
そして、江戸時代の意氣を。
私のこの本の結論は、日本人の優れた技術で、多くの電気製品を作って
世界中に売って人々に喜んでもらう思想を実践した松下幸之助氏が、
一番偉いということになった。
パナソニック社は、松下電器産業の精神を受け継いでいるだろうか。
「正気(せいき)の歌」
天地に正気有り
雑然として流形を賦す
下っては則ち河獄と為り
上(のぼ)っては則ち日星と為る
人に於いては浩然と曰う
<はいこ>として蒼冥に塞(み)つ
皇路清夷に当たれば
和を含んで明庭に吐く
時窮まれば節乃ち見(あら)われ
一つ一つ丹青に垂る
(・・・)
この「正気の歌」とは何か。
このことについては、私の先生である政治学者の小室直樹氏が書かれた
『小室直樹の中国原論』(徳間書店1996年刊)という本で解説しています。
勿論、話はここで終わらず、
副島隆彦氏の考えを書き記していくわけですが、
ひとまず、ここまででよいかと。
