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よんだ「山頭火句集」村上護 編

【松岡正剛の千夜千冊 330夜(意表篇)】

五年以上前、山頭火の日記(文庫)を少しずつ買い、
ちびりちびり読んでいた。
多分、どうしようもないワタシがいたからだ。

この句集には「随筆」という日記のようなものも付いていて、
句を良く理解出来ない私には、有難い。
書かれた文字と、書いた人の日記もしくは伝記があると、
少しでも立体的になり、有難い。

随筆には、このように書かれている。ご自分に対し。

本来の愚に帰れ、そして愚を守れ。

具体的な念願は2つ。(少し言い方変えてます。)
① やりたいことだけやり、やりたくないことはやらない
② 生に執着せずに死ぬこと

変化していく日本に、あらがいたかったのではないでしょうか。

この句集、小﨑さんの画付きで、それも味わい深いんですよね。
画の中の山頭火は、必ず左側に傾いている。

さて、私自身がどのような句を気に入ったか、並べてみます。
(有名句は何度か見ているので、
 頭に刷り込んでしまっている可能性ありです。)

○ 分け入っても分け入っても青い山
○ へうへうとして水を味ふ
○ まっすぐな道でさみしい
◎ どうしようもないわたしが歩いている
○ 水音といっしょに里へ下りて来た

◎ かさりこそり音させて鳴かぬ虫が来た
○ ひとりひつそり竹の子竹になる
○ 蜘蛛は網張る私は私を肯定する
○ 柿の木の向かうから月が柿の木のうへ
○ ともかくも生かされてはゐる雑草の中

○ わかれてきた道がまつすぐ
◎ おわかれの水鳥がういたりしづんだり
○ 誰も来ないとうがらし赤うなる
○ どこからともなく散ってくる木の葉の感傷
○ 花が葉になる東京よさようなら

◎ 影もぼそぼそ夜ふけのわたしがたべてゐる
○ 風の中おのれを責めつつ歩く
○ 春が来たいちはやく虫がやって来た
○ どこでも死ねるからだで春風
○ ここを墓場とし曼珠沙華燃ゆる

◎ 啼いて鴉の、飛んで鴉の、おちつくところがない
○ 風は海から吹きぬける葱坊主
○ 水のまんなかの道がまつすぐ
○ ながれがここでおちあふ音の山ざくら
○ なかなか死ねない彼岸花さく

○ 光と影ともつれて蝶々死んでをり

(26句と、すこし多いですが。)
 


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