Claude Skillsって結局なに?AIに渡す“作業手順書”として整理してみた
Claude Skillsという言葉を見かける機会が増えてきました。
ただ、最初にこの言葉を見た時、私は少し身構えました。
Claude Code。
Agent Skills。
Skill.md。
MCP。
ハーネス。
エージェント。
このあたりの言葉が並ぶと、一気に専門家向けの話に見えます。
正直、最初は「これはエンジニアの人たちが使うものなのかな」と思いました。
でも、自分なりに整理していくと、Claude Skillsの考え方は、コードを書く人だけのものではない気がしています。
もちろん、実際にはClaude CodeやAIエージェントの文脈で語られることが多い言葉です。
ただ、使う側の感覚に寄せて言い換えるなら、
AIに渡す作業手順書
に近いものだと感じています。
Claude Skillsを一言で見るなら
Claude Skillsをかなりざっくり言うと、
Claudeに特定の作業の進め方を渡しておく仕組み
だと理解しています。
普通にAIへ頼む時は、その場で文章を書きます。
たとえば、
この文章を要約してください。
このメールをやわらかい表現にしてください。
この記事タイトルを考えてください。
この議事録を整理してください。
こういう依頼です。
これは、その場限りのお願いです。
一方でClaude Skillsは、毎回その場で全部説明するのではなく、
この作業をする時は、こう進めてください
という手順を、あらかじめまとめておくものに近いです。
人間でいうなら、毎回口頭で説明する代わりに、作業メモを渡しておく感覚です。
「この業務は、この順番で確認してください」
「この資料を先に見てください」
「この表現は避けてください」
「最後はこの形式で返してください」
こういうものを、AIが必要な時に参照できるようにしておく。
それがClaude Skillsの考え方に近いのではないかと感じています。
プロンプトとは何が違うのか
最初に分かりにくいのは、プロンプトとの違いです。
私の中では、プロンプトはその場で出すお願い文です。
たとえば、
「この文章を読みやすくしてください」
「このメールを丁寧にしてください」
「この内容を3行でまとめてください」
という依頼です。
これは分かりやすいです。
一方で、Claude Skillsは、一回きりのお願い文というより、何度も使う作業手順に近いです。
たとえば、文章を整える作業なら、
意味は変えない。
専門用語は必要なら補足する。
強すぎる表現はやわらげる。
事実と意見を混ぜない。
最後に、変更した意図を短く添える。
こういう進め方をまとめておく。
議事録整理なら、
決定事項。
保留事項。
担当者。
期限。
次回確認すること。
この形で返すようにしておく。
つまり、プロンプトが「今回のお願い」だとすると、Skillsは「この種類の作業をする時の進め方」に近いです。
ここを分けると、少し見えやすくなります。
カスタム指示とも少し違う
Claude Skillsを考える時、カスタム指示との違いも少し迷います。
私は、カスタム指示はAI全体に対する基本設定に近いものだと考えています。
たとえば、
回答は短めにしてほしい。
専門用語は少なめにしてほしい。
日本語で答えてほしい。
ビジネス向けの文体にしてほしい。
こういう、常に意識してほしい方針です。
一方でSkillsは、特定の作業に対する手順です。
メール文面を整える時の手順。
議事録を整理する時の手順。
資料を要約する時の手順。
専門用語をやさしく説明する時の手順。
note記事の構成を考える時の手順。
このように、作業ごとに使うものです。
カスタム指示は、AIの普段の話し方や基本姿勢。
Skillsは、特定の仕事のやり方。
このくらいに分けると、かなり理解しやすくなります。
プロジェクトとも違う
プロジェクトとの違いも、最初は少し分かりにくいです。
私は、プロジェクトは作業場所に近いものだと考えています。
あるテーマの記事をまとめて書く。
ある業務について資料を置いておく。
過去のやり取りや関連ファイルを同じ場所にまとめておく。
こういう時に使う箱のようなものです。
一方でSkillsは、その箱の中でどのように作業するかの手順に近いです。
プロジェクトが「このテーマの資料置き場」だとすると、Skillsは「その資料をどう読んで、どうまとめるか」です。
たとえるなら、
プロジェクトは机。
Skillsは机の上で作業するための手順書。
そんな感覚です。
同じ資料があっても、要約するのか、記事にするのか、議事録にするのか、チェックリストにするのかで進め方は変わります。
その進め方をまとめるものとして、Skillsを見ると分かりやすいです。
MCPとも違う
Claude Skillsの話では、MCPという言葉もよく出てきます。
ここまで来ると、専門用語の森です。
森というより、少し油断すると樹海です。
ただ、最初はざっくりでよいと思っています。
MCPは、AIが外部のサービスやデータにつながるための入口に近いもの。
Skillsは、つながった後に、その情報をどう扱うかの手順に近いもの。
たとえば、
MCPは資料棚まで行く通路。
Skillsは、その資料をどう読んで、どうまとめるかの手順書。
このくらいで考えると、少し分かりやすくなります。
外の情報にアクセスできることと、その情報をうまく扱えることは別です。
資料棚まで行けても、どの資料を見るのか、何を抜き出すのか、どの形でまとめるのかが決まっていなければ、出力はぶれます。
だから、MCPとSkillsはどちらが上という話ではなく、役割が違うものとして見た方がよさそうです。
Claude Skillsの中身は「作業パッケージ」に近い
Claude Skillsは、単なる一文の指示ではありません。
技術的には、SKILL.mdという説明書のようなファイルを中心にして、必要に応じて資料やテンプレートなどを一緒に持たせる形で説明されます。
ただ、使う側の感覚では、こう考える方が分かりやすいです。
作業に必要な説明をまとめたパッケージ。
中には、
このSkillは何をするものか。
どんな時に使うものか。
どういう順番で進めるか。
必要なら、どの資料を見るか。
最後に、どんな形で返すか。
こういう情報が入る。
いきなりSKILL.mdと言われると難しく感じますが、
AI向けの作業説明書
と考えると、だいぶ距離が縮まります。
いきなり全部は読ませない
Claude Skillsで面白いと感じたのは、AIに全部の説明を最初から読ませるのではなく、必要に応じて読むという考え方です。
人間でも、分厚いマニュアルを最初から最後まで全部読むのは大変です。
でも、目次があれば必要なところだけ開けます。
「メール返信のルール」
「議事録の作り方」
「資料要約の手順」
「問い合わせ対応の流れ」
このように分かれていれば、必要な時に必要なページを開けます。
Claude Skillsも、それに近い見方ができます。
まずは、
このSkillは何に使うものか
という説明を見ておく。
必要になった時に、中身の手順を読む。
さらに必要なら、関連する資料やテンプレートを見る。
こういう段階的な読み方です。
だから、Skillsは単に長いプロンプトを最初から全部読ませるものとは少し違うのだと思います。
descriptionがかなり大事
この仕組みを考えると、descriptionがかなり大事になります。
descriptionは、そのSkillが何に使うものかを説明する部分です。
AIがそのSkillを使うべき場面に気づけなければ、どれだけ中身を丁寧に作っても使われません。
人間でも同じです。
ファイル名が「メモ」だけだと、何のメモか分かりません。
でも、
議事録を決定事項・保留事項・担当者に分ける手順
と書いてあれば、使う場面が分かります。
AI初心者向けに専門用語をやさしく説明する手順
と書いてあれば、用語解説の時に使うものだと分かります。
note記事を商材っぽくせず、体験談ベースで構成する手順
と書いてあれば、記事作成の時に使うものだと分かります。
Skillの中身を作り込む前に、
これは何をするものなのか。
どんな時に使うものなのか。
が伝わる説明を考える。
ここはかなり重要だと思っています。
標準SkillとカスタムSkill
Claude Skillsには、最初から用意されているものと、自分で作るものがあります。
私はここを、
標準Skill。
カスタムSkill。
という分け方で理解しています。
標準Skillは、最初から用意された道具。
カスタムSkillは、自分用に作る作業手順書。
このように見ると分かりやすいです。
たとえば、文書や表、資料などを扱うために最初から用意されているSkillがあるとします。
それは、すでに置いてある道具箱のようなものです。
一方で、自分の作業に合わせたSkillを作る場合は、自分の仕事の進め方を反映させます。
自分のnote記事の書き方。
自分のメール返信の癖。
自分の議事録整理の形式。
自分の職場で使う資料のまとめ方。
自分が避けたい表現。
こういうものを反映させるなら、カスタムSkillの考え方になります。
最初から用意された道具を使うのか。
それとも、自分の作業に合わせて手順書を作るのか。
この違いとして考えると、少し見えやすくなります。
1つのSkillに詰め込みすぎない
Skillを作るなら、最初から万能にしようとしない方がよさそうです。
文章作成もできる。
要約もできる。
議事録もできる。
メールもできる。
SNS投稿もできる。
資料作成もできる。
こういう全部入りのSkillは、便利そうに見えます。
でも、便利そうな全部入りは、だいたい中身が迷子になります。
工具箱に全部入れすぎて、必要なドライバーが見つからない感じです。
まずは小さく分ける方が扱いやすいと思っています。
議事録整理用。
メール文面調整用。
note記事構成用。
専門用語をやさしく説明する用。
X投稿文を短く整える用。
このように、目的を分ける。
そうすると、AIも使う場面を判断しやすくなります。
人間側も、後から直しやすくなります。
「議事録整理の出力が見にくい」と思ったら、議事録用Skillだけ直せばよい。
「メール文面が少し硬い」と思ったら、メール用Skillだけ直せばよい。
小さく作って、使いながら直す。
その方が現実的です。
文章作成にも使える考え方
Claude Skillsというと、どうしても開発やコードの話に見えます。
でも、考え方としては文章作成にも使えると思っています。
たとえば、note記事を書く時に毎回大事にしたいことがあります。
商材っぽくしない。
専門用語を置き去りにしない。
読者を煽りすぎない。
自分の体験や考えから入る。
分からないことは分からないと書く。
最後は次の記事やフォローにつながる自然な導線にする。
こういう方針を毎回プロンプトに書くのは面倒です。
でも、これを作業手順としてまとめておけば、AIに記事作成を頼む時の土台になります。
メール文面でも同じです。
強く言いすぎない。
でも、必要なことはぼかさない。
相手を責める文章にしない。
確認してほしいことを最後に明確にする。
必要なら、少し柔らかい版と事務的な版を出す。
これも、立派な作業手順です。
議事録整理でも使えます。
決定事項。
保留事項。
担当者。
期限。
次回確認すること。
この形で毎回返してほしいなら、それをAIに渡す手順としてまとめればよい。
そう考えると、Claude Skillsという言葉への距離感が少し縮まります。
ただし、何でも入れてよいわけではない
Skillsは便利な一方で、何でも入れてよいものではないと思っています。
APIキー。
パスワード。
個人情報。
社内の機密情報。
外に出してはいけない資料。
誰かが特定できる相談内容。
こういうものを、そのままSkillの中に入れるのは避けた方がよいです。
また、第三者が作ったSkillを使う場合も、中身を確認せずに入れるのは怖いです。
作業手順書は便利です。
でも、そこに何が書かれているか分からないまま使うのは危険です。
これはAIを怖がる話ではありません。
便利な道具ほど、扱い方を決めておいた方がよいという話です。
包丁も便利ですが、刃の向きは見ます。
Skillも同じで、何が書かれているかは確認した方がよいと思っています。
大事なのは「どのAIを使うか」だけではない
最近、AIの話では「どのモデルが強いか」がよく話題になります。
Sonnetがよい。
Opusがよい。
Fableがすごい。
このモデルは速い。
このモデルは長文に強い。
もちろん、モデルの違いは大事です。
ただ、それと同じくらい大事なのが、
そのAIをどう動かすか
だと思っています。
同じAIでも、渡す情報が違えば返事は変わります。
読む順番が違えば、判断も変わります。
禁止事項がなければ、余計なことまで書くことがあります。
出力形式が決まっていなければ、毎回違う形で返ってきます。
確認工程がなければ、それっぽい結論で止まることもあります。
これはAIが悪いというより、こちらが作業環境を用意できていない状態に近いのかもしれません。
人間でも、資料も手順も判断基準も渡されずに「うまくやって」と言われたら困ります。
AIも同じで、うまく動いてもらうには、こちら側の設計が必要になる。
Claude Skillsは、その設計を形にする考え方として見ると分かりやすいです。
Claude Skillsは難しい言葉だけど、考え方は使える
Claude Skillsという言葉だけ見ると、少し難しく感じます。
でも、自分の中では、
AIに毎回同じ品質で作業してもらうための作業手順書
と考えると、かなり分かりやすくなりました。
コードを書くためだけのものではなく、文章作成、要約、議事録整理、メール文面、note記事、専門用語の説明にも応用できる考え方だと思っています。
これからAIを使う人が増えるほど、
どのAIを使うか
だけでなく、
そのAIをどう動かすか
が大事になっていく気がします。
そして、その「どう動かすか」を整理する時に、Skillsという考え方はかなり役に立ちそうです。
私自身もまだ手探りです。
ただ、ClaudeやSkillsまわりの話は、専門用語が多いぶん、日本語で分かりやすく整理された情報がもっと増えてもよいと思っています。
このnoteでは、そういう少し聞き慣れないAIの言葉を、できるだけ普段使いの感覚に置き換えて整理していきます。
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