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今日のジャズ: 2月7日、1958年@ニュージャージー “Russian Lullaby”By John Coltrane

Feb. 7, 1958 “Russian Lullaby”
By John Coltrane, Red Garland, Paul Chambers & Art Taylor at Van Gelder Studio, Hackensack, NJ for Prestige (Soultrane)

2月2日のマイルスの紹介曲に登場したレッドガーランド、ポールチェンバース、フィリージョージョーンズで構成される”The Rythem Section”のドラマーがアートテイラーに代わり、その五日後にコルトレーンが率いて収録された指折りのバラードの名盤からの一曲。

音楽評論家のアイラギトラーによる本アルバムのライナーノーツに「シーツオブサウンド」という今となっては定着している、コルトレーンの畳み掛けるような矢継ぎ早に繰り出される音玉を形容するフレーズは、この頃から本格化していく。

その本作直前の以下マイルス演奏曲と比較すると、東海岸録音という環境も同じだから、リーダーシップのあり方、プロデューサーの企画と統括、そして録音技師による音質や音響の志向を比較すると面白い。そしてドラムが、アートテイラーに変わっているところを特に意識して比べて聴いてみる楽しみもある。アートテイラーが全体的にダイナミックな感じで、キレはフィリージョージョーンズの方に軍配が上がるか。

テイラーが41秒から始まる不釣り合いな感じで「シャカシャカ」と激しいリズムを叩き出して、コルトレーンを終始煽っているような流れで、全体的に演奏が忙しく聴こえるが、これもまたコルトレーンのプレイスタイルと意思を反映しているものと考えられる。これだけ激しくて音数の多い演奏をすると、精神的にも体力的にも相当消耗するのだろうと推測するものの、コルトレーンの張りのあるトーンと猛々しい高速フレーズが最後まで力強く疾走しているところが、高度な技術と強靭な肉体、特に肺活量を持つ巨人の成せる技の卓越さ。

普段は、しとやかな演奏をすることが多いピアノのガーランドもコルトレーンに触発されてか、滅多に無いアドレナリン全開の熱くて激しいプレイをソロを含めて繰り広げる。そんな影に隠れてしまいそうなベースのチェンバースだって決して引けを取らず、絶妙なベースラインでバランスを取りながら高速機関車のように疾走し続ける。

本作は、プレスティッジレーベルの名プロデューサー、ボブワインストックによる「スタンダード曲」というリクエストに応えてコルトレーンが演奏したもので、ワインストックが曲が分からずに演奏後にその名を問うたところ、『ロシアの子守唄』と知り、大爆笑したとのエピソードがライナーノーツに記載されている。

ロシア帝国出身の大作曲家で『ホワイトクリスマス』等を世に送り出したアーヴィングバーリンが故郷を偲ぶかのように手掛けたミドルテンポの子守唄。これをコルトレーン流のユーモアで敢えて狂った様に速く、激しく演奏したのが本作。コルトレーンの反骨精神なのか、未開の領域を目指す志の表現なのか。

本家アービングバーリン本人による歌唱バージョンは、こちらからお聴きください。ワインストックが感じたように本演奏と同じ曲には聴こえません。

最後に、コルトレーンを嗜みたい方は、こちらの紹介曲もどうぞ。

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