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今日のジャズ: 2月2-3日、1970年@ニューヨーク “Dolphin Dance”By Ahmad Jamal

Feb. 2-3, 1970 “Dolphin Dance”
By Ahmad Jamal, Jamil Nasser & Frank Gant
At Plaza Sound Studios, NY for Impulse! (THE AWAKENING)

ハービーハンコックが手掛けた名盤『処女航海』からのスタンダード曲。そのアルバムの物語の中では航海において荒波に巻き込まれる激しさから一転して、凪の状態で航海が落ち着きを取り戻して、愛と平和の象徴であるイルカと遭遇して平穏を取り戻す、というような展開で最終曲として登場する曲。

ハンコックによる記憶に残る気品のあるメロディーを、天下一品の間の取り方とシンプルな旋律の妙を得意とする、同じピアニストであり、通好みのスタイリスト、アーマッドジャマルが料理するという面白さ。

左から聴こえるピッチが良く太く唸るベースの鳴り、右からは控えめながらメリハリと侘びの効いたドラムも、アーマッド同様に通好みで、個を主張しないトリオの化学反応の調和レベルの高さが聴きどころ。

時代的には前年の8月に46万人を動員したというウッドストック・フェスティバルが開催されていて、泥沼化するベトナム戦争で混迷するアメリカの雰囲気が本演奏の空気感に捉えられている様にも聴こえる。時代の雰囲気を取り込んだ、アルバムジャケットの斜に構えたジャマルのやや挑発的な姿勢と同様に、ジャマルにしては珍しいシリアスな演奏アプローチで、硬派なジャズの極みが味わえる。

緊張感に溢れた印象深い、真冬の氷のように澄み切った独特の雰囲気とメロディーは、時代を超えて心に訴えかけるようで、ヒップホップのサンプリング素材として以下の二曲に採用されている。いつの時代でも、どの世代にも格好良く受け止められるて聴き継がれるのが、本名演の本質的なクールイズムの証。

Pete Rock & Deda – Can’t Wait
※冒頭フレーズの引用

Common – Resurrection
※2:42秒あたりのフレーズの引用

本アルバムは、ジャマルの自作曲とスタンダード曲のバランスも全体の流れも良く、聴き始めると、あっという間に40分が過ぎ去っていく。特に、本曲以降の”Stolen Moment”を含むスタンダード曲が連なる後半に心が惹かれる。

  1. "The Awakening" (Ahmad Jamal) – 6:19

  2. "I Love Music" (Emil Boyd, Hale Smith) – 7:19

  3. "Patterns" (Ahmad Jamal) – 6:19

  4. "Dolphin Dance" (Herbie Hancock) – 5:05

  5. "You're My Everything" (Harry Warren, Joe Young, Mort Dixon) – 4:40

  6. "Stolen Moments" (Oliver Nelson) – 6:27

  7. "Wave" (Antônio Carlos Jobim) – 4:25

その”Stolen Moment”のリリシズムに満ちた演奏はこちら。

そのオリジナル版はこちら。元祖のピアノはビルエバンスです。

稀代のメロディーメーカーであり、ミュージシャンにも愛されているハービーハンコックの楽曲については、こちらもご参照ください。

そして、サンプリングされたジャズの名演について興味がある方は、こちらの記事もご覧ください。

最後に、ジャマル同様にイスラム教に改宗したジャズミュージシャンについて知りたい方はこちらをどうぞ。

笑顔溢れる素敵な一日になりますように。


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